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ジャーナリスト、専門家、論客

 私は昔「科学ジャーナリスト賞」という賞をいただいたことがある。

 「博士漂流時代」という本が受賞対象の著作になった。

 アマゾンの評価は芳しくなく(5点満点中3.6点)、かつそこまで売れなかったので、お恥ずかしい限りだが、ご評価くださった人がいるのはうれしかった。

 なぜ科学ジャーナリスト賞なのだろうか。

 それはたぶん「調べて書く」という、立花隆さんから教わったことを実践しているからだろう。

 東大の教養学部のゼミ、いわゆる「立花ゼミ」を手伝ったのは1996年。修士課程1年のころ。隣の研究室の松田良一助教授(当時)に頼まれたことがきっかけだった。

 そのあたりのことはすでに何度か書いているので、ここではざっとしか触れないが、あの熱気のなか、門前の小僧ならぬ門前のTA(ティーチングアシスタント)として、授業の内容は私の耳に飛び込み、体に染みついていった。

 あの授業があったからこそ、調べて書くことを続け、科学ジャーナリスト賞受賞に至ったのだと思っている。

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