読書感想文のポイント【小学校低学年編】2016

第62回 青少年読書感想文全国コンクール
「小学校低学年」のカテゴリに当店でも扱っている
「ボタンちゃん」と「みずたまのたび」が入っていました。

小川洋子 初の絵本
子どものころ、初めて考えたものがたり
―帯の言葉より―


 
読書感想文って、苦手なお子さんも多いのではないでしょうか。

私はふだん、ライターとしてのお仕事もしていますが、
ものを書くときに「資料」を必要とすることがあります。
 
その資料が、自分も興味ある分野だったら喜んで読むのですが、
まったく興味ない分野だと、読むのにとっても苦労します…


この「資料」を読むという作業って、読書感想文の課題図書を読む気持ちと
似ているんじゃないかなぁ、と思うんです。
 
 
読みたくないなー。でも、読まないといけないしなー。
読書感想文だって、夏休み中に成し遂げなければいけない、りっぱな「おしごと」ですよね。
 
 
このいやな「おしごと」をさっさと片付けるには、どうすればいいでしょう。
 
 
あんまりえらそうなことは言えないけれど、『ボタンちゃん』の場合について
こんなふうに親子で取り組んでもらったらどうかな、ということを
書いてみようと思います。

アンナちゃんのブラウスについているボタンちゃん。
一番の仲良しは、ボタンホールちゃんです。
 
ところがある日、ボタンちゃんはブラウスから外れて、
ころころころがり、アンナちゃんが忘れてしまった思い出たちに出会います。
 
たくさんの思い出と、おはなしをするボタンちゃん。


きっと、『ボタンちゃん』を読んでいるお子さんにも、
「忘れてしまった思い出たち」があるはず。
 

『ボタンちゃん』を読みながら、はて、自分にはどんな思い出があったかな。
と、親子で思い出探しをしてみましょう!

「どうしてすっかり忘れてたのかな?」
「アンナちゃんは、実は忘れていないのかも!」

など、
絵本にははっきりと登場しないアンナちゃんの気持ちが、ほんの少しわかるかもしれません。

物語に直接触れていない、書かれていないことを感想文に盛り込むことで、感想文に奥行きが生まれます。また、自身の個人的な思い出を書きいれると、感想文にも独創性が生まれ、差別化しやすくなりますよ!

おはなしの中で、ボタンちゃんはボタンホールちゃんのことをすっかり忘れてしまっています。

どうしてボタンちゃんはあんなに仲良しだったボタンホールちゃんを忘れてしまったの?
ボタンホールちゃんは、どうしてボタンちゃんを忘れられなかったの?

思い出探しに夢中になっている間、親子で『ボタンちゃん』を読んでいたことを忘れていた!

なんてことがあったら、ボタンちゃんの気持ちがわかるようになるかもしれません。

絵本を読んだだけでは、わからないこともある。
読んでわからなかったら、絵本に書かれていた出来事を、自分のものにしちゃいましょう!


『ボタンちゃん』を書いたのは、深津絵里さんと寺尾聰さんの主演で映画化にもなった『博士の愛した数式』の原作者でもある小川洋子さん。
 
彼女の生み出す物語は、よく「静謐」という言葉でたとえられますが

清流のように静かで、透き通っていて、芯まで冷える冷たさを持っているのに、温かく見守られているような気持ちになる、不思議な力を持った物語をいくつも書かれています。

こちらの絵本を気にいったら『博士の愛した数式』はもちろん
猫を抱いて象と泳ぐ』や『人質の朗読会』など小川洋子ワールドに浸ってみてはいかがでしょう。


当店でご購入いただきましたら、著者さんと画家さんの「顔」がわかる
「おしながきはがき」を同封してお送りします。


ご検討いただけましたら幸いです☆


次回このマガジンでは、「みずたまのたび」についてお話しようと思います☆

1704円(送料込)でお求めいただけます☆

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