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「ミンスキー博士の脳の探検」読書メモ ver.1

社会人になってから「考える」機会が増えた。

その一方、「考える」とは何かについて「考える」ようにもなった。少なくとも、「考える」とは脳を経て行われているはず。であれば、「脳」について知れば、「考える」のヒントになるのではないか。

そんな思いもあり、脳の仕組みを解明する手がかりとして「ミンスキー博士の脳の探検」を読み始めた。

この本は、人間の心の機能・作用について探求していて、「好き」や「むかつく」といった感情が、脳の中でどんなプロセスを経て起こっているかモデル化を試みた本だ。

全9章で構成されており、それは以下の通り。

第1章 恋をする
第2章 愛着と目標
第3章 痛みから苦痛まで
第4章 意識
第5章 心的活動の階層
第6章  常識
第7章 思考
第8章 思考の豊かさ
第9章 自己

大学で一切こうしたことについて勉強してこなかった自分にとって、一章一章ちゃんと整理して読まないとこんがらがりそうだったので、このnoteに読書メモを残していく。

第1章 恋をする

第1章のテーマは、「感情」の起こり方について。僕らは日々過ごす中でいろんな感情に出くわす。美味しそうな料理を見たときの「喜び」や胸を打つドラマを見たときの「哀しみ」、誰かに理不尽な要求をされたときの「怒り」など。

こうした感情が起こることについて、その理由、例えば、「今「怒り」を覚えたのは、自分が普段気にしていることに対して土足で踏み込まれたからだ!」と考えたりすることはあっても、「怒り」が起こる脳のプロセスを考えることはない。(いちいち、そんなことをしていたら大変だ)

また、「怒り」の状態を細かく分析することもない。おそらく、誰かに傷つけられた時の「怒り」と自分の過失で起こる「怒り」はその構成要素が違う。その構成要素についても、やっぱりいちいち考えたりしない。

ミンスキーは、感情とは脳の中にある行動を引き起こすスイッチのon/offの集合によって現れたものだと定義する。ある行動とは、「冷静に物事を判断する」とか「俊敏に動く」とか、そういったものを示す。

例えるなら、組織のリーダーの最終的な意思決定が感情で、その意志決定のための部下の一つひとつの選択がスイッチ、というわけだ。「冷静に物事を判断する」という行動を引き起こすにも、また沢山のスイッチがある。あるスイッチのon/offが、別のスイッチのon/offを引き起こしていく。

そして、このスイッチを「思考素」、「思考素」の道筋を「思考路」、感情は「思考素群」と定義づけた。

あなたが誰かに嫌なことをされたとき、視る、聞くといった外部の刺激を取り組む機関を通して、「思考素」のon/offが決定され、「怒り」という感情が最終的に出てくるわけだ。

さらに、「思考素」の数は経験によって後天的にどんどん増えていく。ゆえに、「思考路」の数も増える。複数の「思考路」は同時に存在することが可能であり、そのため「複雑な感情」(嫌いだけど、好き、みたいな)ものが起こるとしている。



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