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文章力を上げるために、「毎日書く」よりも大切なこと

「旅行に行って10日くらい書かないことはありますけど、そうすると10日分へたになったなと思います。ピアノと一緒なんでしょうね。書くというベーシックな練習は毎日しないといけません」

これは、よしもとばななさんのエッセイの一節の引用だが、彼女の言う通り、文章力をあげたいのであれば、毎日書き続けるしかない。文章力を鍛えようと思った人であれば、一度ならず何度も耳にタコができるくらい聞いたことがあると思う。だが、頭ではわかっていても毎日書くことは難しい。途中で挫折した人が数えきれないほどいるだろう。僕もその一人だ。

だが、僕は「毎日書く」よりももっと前段の部分に、文章力を向上させるための答えがあると気づいた。

その答えとは、人からの評価を気にしないこと

言葉にしてしまうと、当たり前のことすぎて拍子抜けするかもしれない。

だけど、毎日書き続けることを躊躇ってしまう根深い原因の一つは、間違いないなく「他人の目」だ。

なぜなら、人からの評価を気にした瞬間に「この文章は〇〇さんにシェアしてもらえる出来だろうか」とか、「こんな文章書いて変とかつまらないとか思われたらどうしよう」などと、余計なことを考えてしまい、本来主張したいことを、自身を持って掲げられないからである。

ちなみに、これは素人だからプロだとかは関係ないと思っている。

例えば、先日行われた神保町編集交差点というイベントに参加したときのこと。株式会社ツドイ編集者の今井雄紀さんが、「嫌われる勇気」の著者であり、フリーライターの古賀史建さんから、「何で毎日noteを書くの続けられなかったの?」と問われたことに対し、「古賀さんにどう思われるか気になってしまい」と答えていた。

プロの編集者ですら、自分よりもプロな人からの評価を気にしてしまうのだ。

他人からの評価を気にすることは、悪いことではないと思う。自分の作ったものに値段がつく場合はなおさらだ。何部売れないと困るなど問題も出てくるだろう。

だけど、「文章が上手くなりたい」一点に限って言えば、毎日正しく書き続けるしかない。文章力が上がった果てには、結局多くの人の目に晒される文章を書かなければならないのだから、「自分のため」に書いている文章の評価を気にするだけ意味がない。「誰かが好きと言ってくれればラッキー」くらいにハードルをめちゃくちゃ下げて良いのだ。

だいたい、自分の主張したいことが100%受け入れられるなんてと死ぬまでも、死んでからもありえない。評価なんて、他人の価値判断基準だ。自分の生み出したものが受け入れらないと、自分そのものが否定された気持ちになりがちだが、それは自分の一部分が切り取られただけだし、たまたま受け入れ難いものだっただけだ。自分の全てをまるっと否定されてるわけじゃあない。

どうしてこんな文章書いているのか。それは、僕自身が極度の気にしいで、そのせいで毎日文章を書こうと意気込んでも、いつも続かなかったからだ。「これはきっとウケるぞ」と思って、ドンと出して音沙汰がないと、半日くらいは落ち込み続ける。そして、「どうすれば毎日書き続けられるのか」を考えた結果、そもそも書く前に問題があると気づいた。自分のくだらない自尊心のために、成長が阻害されてると考えると、バカバカしくなった。

きっと、「評価なんか気にしないぜ」と意気込んでても心のどこかでは気にしている。

だから、その気持ちが引きづられれ続けてすり減って、気付いたらなくなるまで、まずは書いてみようと思うのだ。

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