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コミケで1冊も本が売れなかった経験を経てから50部くらい頒布できるようになるために気にした事

自分は絵という方面ではなくいわゆる評論とかそういう本ですが、かつて初めてのコミケ参加で0部頒布をしたことがあります。
それまでは別のサークルで寄稿したり売り子をしていてわりと多くの人に手に取ってもらう体験をしていて、イベントを舐めていたにほかならない。

いやー0部頒布きついっすよねぇ・・・開場して閉場するまでの時間ってま最大7時間とかそんなもんなんだけど針のむしろに座っている感覚がすごいのよ。

コミケにかぎらず同人誌即売会で手に取ってもらう為に必要な事はいくつかあって、コミケで0部頒布を経てオンリーで50部とか100部とかでるようになるまでに意識してやったことがある。ので軽く書こうと思う(詳細は技術書典13にて余裕があったら小冊子を作りたいなーーーって気持ちがあってそっちにも書くかも。技術書典遊びに来てね)


この記事を読む前に

前提としてタイトルの通り0部頒布を経験して自分が50部くらい頒布するためにやったり気をつけてる事であると同時にこの全てを毎回やってるわけじゃないということは理解して欲しい。

あとあなたがこれを読んでいやそれは違うんじゃね?って思ったら参考にしなくていいし参考になると思ったら参考にしたら良いと思う。
でもそれは違うんじゃね?って思ったらコメントほしいです!ください!


おれたちってなんで新刊1部くださいって言うんや?

改めて整理したい。自分はなんでその言葉をイベントで言うんだろう?
ざっくり分類するとこんな感じじゃないかな?

  • 事前に買うことを決めていた・検討しているサークルの本

  • 事前に買うことを決めていた・検討しているジャンルの本

  • 事前に買うと決めていたわけじゃないけど普段から関心のあるジャンルの本

  • 事前に買うと決めていたわけじゃないけどたまたま出会って良いと思えた本

ほとんどの一般参加者は事前に買うことを決めているサークル・ジャンルに足を運ぶ。
下2つの購買層は、偶然買いたいなーって思ってもらう必要がある

おれたちは新刊1部くださいって言ってもらう為に何ができるんや?

一番大事なのは事前に知ってもらう事。手に取ってもらうまでに効果的なのは大きく新刊そのもの・イベント前・イベント中にするアプローチの3種があると思う

新刊を作る時にできるアプローチ

まずそもそも前提として自分の本単体で見た時にどういう気持が生まれるだろうか?
例えばめちゃくちゃ綺麗なイラストはそれだけで綺麗だなぁという感情が生まれるし、綺麗なイラストっていうのはそれだけで引力がある。足を止める十分な力がある。
改めて自分の本をちゃんと頒布したい。新刊頒布0部を払拭したいなら。経験したくないなら。そもそも自分の本や制作物に対して一度深く向き合う必要がある。

自分の本の対象読者を再認識する

あなたの本はどういう本だろうか?例えば自分が4年近く前に作った48時間のゲーム開発備忘録という本がある。

自分は残念ながら商業的なマーケティングは出来ない。なので自分が対象読者であるのと同時に次の属性に惹かれる人もまた対象読者である

  • GlobalGameJamに関心のある人

  • 48時間でゲームを作る話に関心のある人

  • 初対面の少人数でゲームを作る話に関心のある人

この本は技術書典というイベントにはじめて参加した時の本であると同時にコミケで0部頒布実績を解除した次のイベントで頒布した新刊になる。

改めてあなたが頒布しようと思っている本はどういう人が対象読者だろうか?
これを答えられない場合、それは読者が居ないのと同義だと考えられる。本を作る前に自分の本の対象読者と届く属性について認識しよう。
重要なこととしてこれを認識する事でイベント前やイベント後のアプローチの仕方も変わってくる

自分の本を見た時にどういう感情が生まれるだろうか?

次に感情について確認する。自分のファンについては、あまり考える必要がない。自分の刊行物にすでに関心を持っていているからだ。

ここで考えるべきは初めてあなたの本を手に取った時、あなたの本をめくった時、あなたの本を置いた時にどういう感情が生まれるか?

例えば表紙がめちゃくちゃ綺麗なのに中身が下書きみたいな本Aがあったとしたらあなたはどういう感情を想起するだろうか?
また、感情と同時にそれぞれの段階においてどういう期待をするか?についても考えてみよう。
例にある本Aの場合、本をめくる前・めくった後でそれぞれどういう感情・期待・評価があるだろうか?

感情とは綺麗とか楽しいとか不快とかそういうもので、期待とは面白そうとかそういう想像するもの(だと思っている)
そして評価とは期待に対するギャップである。

本Aの例は非常に悪い例で期待値と評価値の差を見た時に悪いだろう。
そこにギャップがある時、あなたはどう思う?

イベント前にできるアプローチ

  • 事前に自分のファンを作る。

  • 事前に自分を知っている人を増やす。

  • 事前に自分の書く本の対象読者に知ってもらう。

ぶっちゃけこの辺は自分出来てない。ので多分こうやろって話を書く

事前に自分のファンを作る



事前にファンを作るのは日常的な活動をして自分をして自分自身をそもそも好きになってもらったり関心を持ってもらう事。
もし、あなたのファンが同じ会場に居て、あなたがイベントに居る事を知っていたら足を運ぶ可能性はとても高い!(と思う)

事前に自分を知っている人を増やす。

次に事前に自分を知っている人を増やす。これはファンってわけじゃないけど自分の作品について見たことがあるとかそういう人。
自分が見たことあるものは足を止める力がある。

事前に自分の書く本の対象読者に知ってもらう。

そして、自分のファンでもないし自分を知っているわけでもないけど自分が今回出す本を知ってもらう。
例えば、ハッシュタグに投稿したりするとか。
とにかく自分のファンでもない・自分の作品を見たことが無い人にイベント前までに知ってもらう工夫をすることで足を運んでみようかなと思ってもらったり、そもそも自分の作品を見たことがある人をギリギリまで増やす
もしサークルスペースが自分が行こうと思っているサークルの近くでなんか気になるかも?って思ってもらえたらそれだけで検討リスト入りだ

イベント中にできるアプローチ


次にイベントの時間でやれることについて、これは3つの側面があると思う。

  • 事前に知ってくれた人に気がついてもらう為

  • たまたま通りがかった対象読者に気がついてもらう為

  • たまたま通りがかった人に読者になってもらう為

要は自分を知っている人と自分を知らない人にここだよ!!!って知ってもらう事、そして足を止めてもらって最終的に自分の作品を見てもらう。検討してもらう。
自分はファンも居ないし特に知ってもらう事もあんましてないので、イベントに行くときにここを大事にしている(というか自分の刊行物が毎回違う感じなのでファンを作りづらい)

設営でたまたま通りがかった人に関心を持ってもらう

サークルスペースの前で足を止める時っていうのはどういう事だろうか?
まずはとにかく関心を持ってもらう事。小さな感情を生んだり動かしたりする事。多くの参加者は前提としてあなたに対して無関心であるということを認識する。

関心を持ってもらうにはどうすればいいんだろう?
方法は色々ある。そしてぶっちゃけこれらはファンがそもそも多かったり多くの人に知ってもらっていたらしなくてもいいと思う。でも僕にファンはまだまだ少ない。なのでここに力を入れる必要がある。

イベントの参加者は全員あなたのサークルの前を通るわけじゃない

あなたのサークルは必ずしも真正面からみられるわけじゃない。
そして同時にイベントの参加者は全員あなたのサークルの前を通るわけじゃない
もし、あなたが自身のサークルを見つけてもらいたいなら、ポスターは有効な手段だ。
例えばポスターを使わない場合あなたのサークルがあることを知ることができるのはあなたのサークルの前を通った一部の人だけだ。

ポスターは見える範囲すべてにアプローチできる


極端に言えばあなたのサークルをポスターの認識できる全ての人に認識してもらえる。
これを踏まえてポスタースタンドは高いだろうか?ポスターの準備は高いだろうか?
自分は特に費用対効果の高いものの一つであると思う。
例えば自分は東方Projectの魔理沙が好きで一時期ジャンル買いとかしてたんだけど遠くに魔理沙のポスターがあったらそこに行くかもしれない。
でもその魔理沙のポスターのあるサークルが魔理沙島から離れたところにあったら行く確率はめちゃくちゃ低い!

サークルスペースに「期待」を埋め込み「メッセージ」を発信する

次に、実際に足を運んでくれた・足を止めてくれた人達にどういう情報を届けられているか?について再確認しよう。でも、正直設営については経験が浅いので自分もまた試行錯誤している。なので最低限気にしていることだけ書く

例えば非常によく言われている悪い例に何も布を敷いていない机丸出しスペースがある。これは頒布物に魅力があれば良いかもしれないけどやっぱり見てくれが悪い。
相対的に不格好で自分は少なくとも期待値が下がる。

見本誌は立ち読みして良いメッセージ


続いて見本誌があるのはどうだろう?見本から受け取る期待は本を立ち読みしても良いという私達サークル側のメッセージだ。

本が積んであるのは在庫があるメッセージ

本を山積みにしているところから受け取る情報はどうだろう?
サークル側からしたら在庫があるというメッセージだし、たくさんあるよ!というメッセージでもある。一般参加者はどう受け取るだろうか?おそらく在庫があることは受け取ってくれる。自分は正直たくさんあるからといって買ったりしないけど在庫があることは知ってほしいので本は積む

積んでいる本が少ない時にあなたはどういう感情を生むだろうか?めちゃくちゃ少ない冊数が積んであるめちゃくちゃ気になる本がある。少し焦らないだろうか?後回しにして次に戻ってきたら本が無いというのは悲劇だ。

たくさんの種類を本を置く事は難しい。スペースには容量がある。

他にもすごいたくさんの種類の本がある時、あなたはどういう感情を生むだろうか?サークルとしては色んな種類を持ってきました!って事なんだけどあなたのサークルスペースは限られている。私達サークルにとって既刊の在庫というのは常に減らしたいものの一つで、常にイベントにもって行きたい。
しかし、それによって抵抗感が生まれる置き方になってはいけない。
置き方については考えるべきだと自分は考える。

ファンが居て既刊に需要があることがわかっている場合それは積極的に持っていくべきだと思う。
サークルスペースには物理的な置けるものの限界があることを理解しないとあなたの新刊の魅力が伝わりにくいスペースになっているかもしれない。

サークルスペースはメッセージを送る為の装置

と、このようにサークルスペースは通りがかった人にメッセージを一方的に送れる装置であり、何もしないというのはメッセージを送らないという事だ。
これに関してはこだわりとかもあって無理強いはしないけど、あなたがもしも0部頒布実績を解除していて未だにその原因を本のみに見いだしているなら、それは違う可能性が高いと言える。
重要なこととして、一般参加者は関心の無いものに足を止めない。
そして本が情報を伝えられるのは手に取れる距離に来た時と手に取った時であることは認識すべきことだと思う。

参加するイベントってどういうイベント?

最後に、あなたが参加するイベントについて考えよう。コミックマーケットは非常に巨大な同人誌即売会であるが、そこに来る膨大な人が居る。ぶっちゃけコミケって初参加で頒布する難易度ハチャメチャに高いと思う

オンリーイベントはそのジャンルに関心のある人が参加している。
例えば東方Projectのオンリー即売会こと博麗神社例大祭がある。
ここは東方Projectに関心がある人しか居ない。東方Projectの本を作っていて対象読者について適切に考えれて申込み時にミスをしてなければ0部頒布は避けられるかもしれない

ジャンルの間違いは0部頒布の最大の要因であると言っても過言はない

ジャンルについてはめちゃくちゃ気をつけよう。
だって同人音楽を求める人は同人音楽のエリアに行くし東方Projectを求める人は東方Projectのエリアに行く。
VTUBERを探している人はVTUBERだしコスプレ写真集がほしい人はコスプレ写真集のエリアにいる。

あなたの本の対象読者はあなたの本のジャンルに居る。
もしジャンル違いでも手に取ってもらえたならそれはたまたまそこにあなたの対象読者が来てくれただけで本当にあなたの本の対象読者は別の場所に居るなんていうのは悲劇だ。

しかもコミケで西にあるジャンルに対象読者が居るのに東に配置されたらそれはもうコミケに参加したことがある人だったらたとえ事前に知ってても行くのに抵抗ない?自分はすげー疲れてて一人で参加してたらとてもじゃないけど行ける気がしない。すまん・・・

ちなみに僕はジャンル違いもやらかしたことがあってめちゃくちゃこれは実感した。まじでジャンル違い気をつけよう!!!ジャンル違いは人の居ない荒野で頒布するようなもんだ

いろんなことをたくさん書いたけど

偉そうにあーだこーだ書いてるけどぶっちゃけ毎回全部やってるわけじゃないし自分もめんどくさくてサボってる部分たくさんあります。
大事だと思った事、共感できることだけ参考にしてもらって、あなたがそれは違うでしょって思ったことは参考にしなくていいと思います。
しかし、0部頒布をして活動に悩んでいる。本は作れるけど本を手に取ってもらえない・・・という悩みがあって途方にくれているなら参考にしてもらう価値はあるんじゃないかと思います。

また、サークルスペースもあなたの自己表現の一つであることは忘れては行けないと思いますし、サークルスペースだけ最適化して本をおろそかにしても意味がない。
結局本というか成果物が重要で、それ以外に力を割いて頒布しても次につながらないというのを感じます。

少しでも多くの人の助けになったら幸いです。

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一貫した活動はしていないんですけどもしよかったら是非フォローしてくれると嬉しいです。最近はこういう思考整理とかしつつ制作情報も出したりしてます。フォローして!(大事)


それと、2022. 9. 10 - 2022. 9. 25まで開催される技術書典13にて、48時間で初対面の人同士でゲームを作るイベントに参加した本をまた出します。
ノウハウっていうかなんていうか自分が気をつけている事について書いてます。
年に三日間を10回やるとそれなりに初対面の人とやるチーム制作のノウハウも溜まってて、毎度思い出すのも大変なんでがっつりまとめてます。よかったら立ち読みしに来てね。

あとこの記事書いててこの記事の話も小冊子くらいにまとめたい欲が出たので間に合えば技術書典で出すかもです。


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