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2023秋ドラマ 軽めに語っていく

お久しぶりです、いほりです。
さあさあ秋クールも終わってしまいましたね。
今クールは録画予約のミスやTVerの見逃し期間を見逃すなどで手放したドラマが数本あります。至らず悔しいです。


1「天狗の台所」

自然と共にある人の営み。その土地の魅力を見出し、感じられることの豊かさ。子どものしなやかな肉体と、真っさらで研ぎ澄まされた感性を通して見る生活。"天狗の末裔"という設定が、不気味さや煩わしさだけでなく、14歳の不安定で儚い時期を表現するのに役立っていました。魔女の宅急便もそうだったように。大人になっても犬と話ができるままだったらいいのにね。
土地が持つ説得力をそのまま生かした映像からは、そこに宿る命や古来からの記憶の重み...みたいな曖昧なもの…の底知れない力を感じました。折坂悠太の主題歌もVaVaの劇伴もとても良かったです。これ以上はないと思います。

2「ミワさんなりすます」

推し活が一線を超えたその先を見せてもらいました。20代後半バイト生活の独身女。周りがスキルを身につけてキャリアを手にし、人生のステージがぐんぐん上がっていく中、年間1000本の映画を鑑賞するミワさん。生きるために身につけたスキルや知識ではなく、映画のために生きてきた中で身についた膨大な知識。そんなもの何の役にも立たないと一蹴されてしまうようなものが、世界を広げていく様をまざまざと見せられて、何だか勝った気分になりました。下心のない誠実で紳士なおじ様の描き方も絶妙な上手さ..もっと見たかった!

3「ゆりあ先生の赤い糸」

くも膜下出血で倒れた夫は、若い男性(鈴鹿央士)と、2人の幼い子どもを連れた女性(松岡茉優)と不倫関係にあって?その子どもは夫の子どもかもしれなくて?夫は目覚めないし、もう何が何だかよく分からないけどとりあえずみんなで一緒に住もう?!
何だこの設定?そっちに転ぶ?の超展開の連続でしたが、ゆりあ先生(菅野美穂)の器のデカさと良い意味であっけらかんとした部分、登場人物それぞれの繋がりが育まれていく過程、関係性の変化。続きが気になって仕方ないし、泣いたり爆笑したりと、わたし的ダークホース枠のドラマでした。こういう不倫関係やそれに伴うドラマを描いた作品初めて見たぞ、総じて面白かったです。

4「きのう何食べた?season2」

まあ言わずもがな良きでした。現実主義のシロさんと、ロマンティシズムな賢二。ふたりが歳を重ねていく中で直面する社会問題、捉え方や対処法の違い、そこから生まれる齟齬とそれを埋めようとする愛。そのあたたかさに毎話泣かされましたが、社会の不条理さを考えずにはいられませんでした。様々な家族の形が既に存在しているけど、その形によっては保障を拒否される、形すらも強制・限定される。最終話は現実の辛さとやるせなさ、それでも日々に散りばめられている光のような愛情、涙の種類いくつあっても足りないぜ…でした。
シロさん賢二だけじゃなく、2人の周りにいる人たちの関係性も含めて”人を慈しむ”ってこういうことを言うのだろうなと思います。

5「下剋上球児」

スポ根ドラマ..全くと言っていいほど興味ないわたしですが、最後まで泣き通しでした。熱さに感動する反面、その熱さに乗り切れない部分もある、それがわたしにとってのいわゆるスポ根。ですが下剋上球児はなんだかとっても今のドラマ。生徒たちの落ち着いたやり取りと関係性、沸々と湧いてくる静かな情熱がかなりリアルに感じました。それぞれの心情描写が丁寧でいて説明過多になっていない、ちょっとした会話のストレスの無さにも唸りました自然!
南雲先生(鈴木亮平)の大人としての魅力、与えることに迷いがない見返りを求めない、直向きで優しい、とにかく優しい。彼のような大人に出会えたこと、無条件に信じてもらえたこと、こんなの人生変わってしまうだろうな。生徒を演じたキャストも個性豊かで素晴らしくて、彼らのこれからの作品が楽しみになりました。新しい才能ってどんどん出てくる。嬉しくなります。

6「ONEDAY~聖夜のから騒ぎ~」

いつ面白くなるんだ?と思って見ていたけど、一度も面白い瞬間がなく終わりました。一体これは何だったのでしょう?キャスティングにお金がかかってるだけでした。ここまで来たんだから最後まで見てやるぞ、という気概だけで見切りました。エンディングのミイナ・オカベ「Flashback feat.Daichi Yamamoto」は抜群にかっこいいです。

7「時をかけるな、恋人たち」

上田誠×タイムトラベル。面白くないわけがないこのドラマ。衣装も美術も、キャラクターも、全てにおいてかわいい!かわいいんです愛おしいんです本当に。シュールでコミカルに展開していく見やすさもありつつ、時間が恋や愛を隔ててしまう切なさも。PEOPLE1のカオスに吸い込まれていくようなオープニングソングから始まり、Chilli Beans.の儚さと甘さを纏った素直な愛のエンディングソングで終わる。ワクワクで前に進むけど、帰るときには名残惜しくて振り返りたくなるちょっと寂しくてでも幸せで…この一話一話を通しての感情の動きが心地良いのです。最高でした。

8「いちばんすきな花」

「silent」のプロデューサーと脚本家の再タッグ。ということでどうしたって期待値が上がってしまった今作。基本的にわざとらしい、蛇足。伝えたい事は分かるけど、それを全て誰かに語らせてしまう。強調したいことを反復という形で表現するかったるさ。そう、かったるいのですね。分かった分かった…もう分かったから…と話を切り上げたくなってしまう感じ。silentで魅力に感じた会話も、ここまでわざとらしいと虚構になってしまう。ラストの藤井風本人出演も相まって、すべては虚構だったのかもしれません。

9「コタツがない家」

父・夫・息子。3人のダメ男を支える女社長の万里江(小池栄子)が奮闘する日々を描いたホームコメディ。これは噛めば噛むほど、回を追うごとに病みつきになっていくスルメドラマでした。見事にダメ男な家族を家事でも仕事でも支える女、って今の流れに逆らってる感じもするのですが、これはこれでいいよな?と思わせてくれる力のあるドラマだと思います。ダメ夫とこれから先も一緒にいたい理由が、自分が輝けるから、このてんやわんやの日々、怒りすらも力の源なのだ、という結論に達する万里江。この家族には喜怒哀楽全てをさらけ出せる健全さがある。今見たかったのってこういうドラマかも....!と思いました。結局当人たちが良ければ良いのですね。仕事一筋でも、専業主婦でも、1人でいても家族を持っても、何もしなくても。それが社会通念や構造にのみ基づくのではなく、本人の自立した思考と選択の上に成り立ってれば良い。何を幸せとするかも、幸せをどこまで求めるかも何もかも自由!

10「マイ・セカンド・アオハル」

王道ラブコメではあるものの、この世界で広瀬アリスだけしかできないことをやっていたので、一癖あるラブコメに仕上がっていました。あと普通に道枝くんが好きなので、赤ちゃんみたいな笑顔が見られるだけで幸せでした。シェアハウスで暮らすみんなのメイキング映像が、仲良し子よしでとてもかわいいので要チェックです。

11「うちの弁護士は手がかかる」

The Rolling Stonesの「Angry」から始まるこちら。そのせいもあってか、全体的に平日の午後に放送されるような海外ドラマの感覚があるのですね。軽くてテンポが悪くはない(良くもない)ので病める時も健やかなる時もいつでも見れる。何も残らないけどそんなドラマもあって嬉しいよね。平手友梨奈の衣装センスが良くて次は何を着るんだろう?という楽しみもありました。ムロツヨシがハマりきってない感は否めませんでしたが、及第点はクリアかな?といったところでしょう(何様)

12「セクシー田中さん」

好きなことやりたいことを探すより、嫌なこと苦手なこと不確かなことを避ける方が安全。失敗しないように損しないように..なんてこんな世界じゃ当然の生きる術…。そんな生き方もありだけど、楽しんでみるのも良いかも挑戦してみるのも悪くないかもね?と思わせてくれるようなポジティブなパワーを受け取れるドラマでした。
朱里(めるる)と田中さん(木南晴夏)は、傷ついて悩んで立ち止まっても、自分で立ち上がる力もあるし、お互いにすくい上げようとする友情もある。無敵である。自分の足で自分の人生を歩く2人がこれからも幸せでありますように!


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