今更知ったのかよ

お金がある。体が元気に動く。人に心を壊させてないから自分を保てる心がある。生まれた環境が初めから選択肢の多いところだった。戦争でいうところのアメリカみたいなもんだ。初めから勝てる状態を持って生まれたのだ。そんな人達があたかも「自分の力で」と振る舞うところがキモい。「自分は恵まれたから誰かを助けたい」という本人は素直かもしれないが、かなり偽善的な思考もキモい。先日、絵に描いたようなエリート経歴を持つ若者の記事を読んだ。その人がパレスチナに旅行に行き、子供に「夢は何?」と聞いたところ、その父親が「あるわけないだろ。ここは戦場だぞ」と答えた。その人は「夢を持てるのは当たり前じゃないんだ」と気づいたと言っていた。私はそれを読んで「今更かよ」と絶句した。この人は一度たりとも世の中の不平等や自分の力でどうにもならない理不尽な経験をしたことがないのだと分かった。意識高い人々は海外で見物を広げ、恵まれない生活をおくる人を見て、「夢を持てるって当たり前じゃないんだよ」的なことに気づくらしい。日本にだってあるぞ。戦争が起きていないだけであって、お前らが居た環境は当たり前じゃないんだよ。パパとママが絶対に勝負に勝てるようにこさえてくれた戦いで勝利して「自分はすごい」という顕在・潜在意識を持って、類は友を呼び「俺らって頑張ってるよな。人生切り開いてるよな。」と語り合う気持ち悪さったら。難しい問題を解けようが、何カ国語を話せようが、頭の回転が速かろうが関係ない。本当に頭湧いてんなって思った。
この社会の多くの人が感じている、もはや当たり前になってしまった不条理に全く気づかない奴ら。

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