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この旋律を知らない貴方は損をしている!~交響曲第1番の美しき旋律達~

11月19日のアンサンブルSAKURAの定期演奏会に向けて、シベリウスの交響曲第1番を練習していて思うことがあります。

有名な「交響曲第2番」より美しい、いい旋律が多くないか???


シベリウスの交響曲第1番の聞きどころを、勝手ながらピックアップしました。本番の演奏を聴く際の参考にしてみてください。

※YouTubeより、hr交響楽団(旧フランクフルト放送交響楽団)の映像を拝借しました。以下に目安となる再生時間を記載しましたのでご参考になさってください。

第1楽章の聴きどころ

冒頭のクラリネットソロ(0:10付近~)

人によっては「Sモチーフ」とも言うそうです。楽譜の上を下がって、登って、さながらS字を描くように音がさまよいます。

シベリウスのヴァイオリン協奏曲も、同じようにソロのヴァイオリンが優雅に奏でらる作品で「極寒の澄み切った北の空を、悠然と滑空する鷲のように」と述べています。

交響曲第1番の冒頭も、ヴァイオリン協奏曲と同じように冬の寒空の下を大きな鷲が一羽で飛ぶ、あるいは、静かな水面に鳥が降り立ち、その波紋が鏡のような水面を揺らす、そんな風景が浮かびます。中欧、南欧の風景、音楽とは一味も二味も違うことを予感させる冒頭です。その後に続くヴァイオリンのトレモロは、聴く者を雪の降りしきる冬のフィンランドへと導きます。

315小節目~オーケストラの全奏(08:33~)

ここに来てオーケストラの全ての楽器が鳴り響きます。冬の晴れ間の美しく澄んだ空気と、降り積もった雪が陽の光に照らされ白く輝く、そんな風景が浮かびます。

第2楽章の聴きどころ

第2楽章冒頭のホルンによる和音と、それに続くヴァイオリンのメロディー(11:51~)

オーケストラは、食べ物に例えるならケーキでしょう。ヴァイオリンやフルート、オーボエによる美しいメロディーがケーキの天面に乗る果物やクリームとするならば、ホルンをはじめとする中低音の楽器はさながらスポンジやその間に挟まったクリームです。オーケストラは音の層の厚み、幾重にも重なった音の層を楽しむものです。高音楽器のメロディだけでなく、中低音の楽器へ意識を向けられるようになると、オーケストラを聴く楽しみが一気に増えます(=眠くなりにくくなる、かもしれません!)

シベリウスの交響曲第1番において最も魅力的で彼の個性が光るのは、なんと言ってもこの第2楽章の冒頭だと思います。

暖炉に灯る炎を思わせる素敵な和音を、ホルンが4人一組で奏でて第2楽章が始まります。シベリウスの作品にはこうしたホルンの素敵な和音が登場する場面が多くありますが、この第2楽章の冒頭などはその最たる例です。

それに続く第1ヴァイオリンとチェロによるメロディはそれはもう大変美しく、心洗われるような思いがします。ホルン以外の管楽器はほぼ休みですから、管楽器奏者はこの美しい旋律を、ステージの上という特等席で味わうことができます。この上ない幸せです。

ちなみに、冒頭で素敵な和音を奏でるホルンパートのトップを務めるのは、先日楽器を新調されたSさんです。


第3楽章の聴きどころ

ヴィオラとチェロのピッツィカートと、時折聞こえるハープ(21:35~)

冒頭はヴィオラとチェロのピッツィカートという、他ではあまり聴かないような音でスタートします。


先日投稿したnoteのように、この曲をフィンランドの四季とするならば、この楽章は白夜を伴う夏だと思われます。1年でも雨が多いとされるこの季節は時折雷を伴うような雨も降りますが、冒頭のヴィオラとチェロのピッツィカートは振りしきる雨、ティンパニの音は雷といったところでしょう。

ひとしきり弦楽器による激しい雨の描写が続くと、ハープの音が聴こえてきます。この楽器特有の、高い音に向かって駆け上がるかのような音によって涼しい爽やかな風がもたらされ、オーケストラの雰囲気が一気に変わります。

ホルンが奏でるワルツ(23:30付近~)

勇ましい第3楽章ですが、曲も中ほどを過ぎると、第2楽章でも活躍したホルンを中心とするワルツとなり、穏やかな風景が広がります。後になって冒頭のヴィオラとチェロのピッツィカートが再び現れ、この楽章の冒頭の音楽が再現され、一層の盛り上りを見せます。

第4楽章の聴きどころ

374小節目、練習記号U~ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロによる雄大な旋律(35:25付近~)

この鳥肌が立つかのような、弦楽器の旋律!曲も終わりに近づいたところで現れる美しく雄大な旋律は、オーケストラで演奏していても非常に心地よいものです。

オーケストラも多くの楽器が演奏していますが、下はチューバから上はヴァイオリンまで使われている音域が大変幅広く、その旋律の雄大さを一層引き立てます。

他にも紹介したい箇所は沢山!

シベリウスの交響曲第1番は性格の異なる様々な旋律が次々と現れます。きっと何かしらお気に入りの旋律が見つかるでしょう。シベリウスの交響曲といえば2番だと思ってたけど、1番もいい。アンサンブルSAKURAの演奏会が、そう思っていただけるきっかけになれば幸いです。

演奏会まであと2週間となりました。より良い演奏を出来るよう頑張りますので、11/19はぜひ浅草公会堂にお運びください!

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アンサンブルSAKURA第40回定期演奏会
日時:2023/11/19(日)12:30開場13:00開演

⚠️開演時間が1時間前倒しとなってます⚠️
会場:浅草公会堂
指揮:高石治
入場料:1,000円
曲目:
グリーグ/ペールギュント 抜粋
シベリウス/フィンランディア
シベリウス/交響曲第1番


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