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ご縁に感謝というけれど。

今日は満月。
ここのブログ的には満月といえば布薩ですね!
前の新月から今日までの間、なんかやらかしちゃったなあ
と思うことがある方は、心の中でだけでも告白して懺悔して
おいてくださいね。

あ、ここのコメント欄、それに使っていただいてもいいかも。

なんかよくわからないけどよく使われてる表現というものが
ありますが、これもそのうちの一つ。
「ご縁に感謝」。
なんか一見良さそう。

縁と言われると仏教的には因縁ですかな、とすぐ思うわけですが。
因は結果を招く直接的な原因。
縁は因を助けて結果を生じさせる間接的な原因、条件のこと。

全てのものが因と縁とでつながっていて
独立して存在しているものはないというのが空、
というのは何回か書きましたけども。

縁が生じるためには原因がある、ということ。
これは因果応報のお話の中でもちょっと触れました。

どのような縁も
何かの原因から生じたある結果に結びつくまでの
何らかのプロセスや働きや要素の連なったもの、
と言えるかもしれません。

因果応報のルールは善因善果、悪因悪果。
ニュートラルな因ならニュートラルな結果に結び付きます。
つまりご縁にはいい縁も悪い縁もニュートラルな縁もあるわけです。

ご縁に感謝、という場合は多分いい縁、望ましい縁、都合のいい縁に
ついて感謝しているのだと思うのですが、これは元を辿れば
いつ積んだかわからない善い因となるものに対して感謝している
ということになります。

ここで思い出していただきたいのは「自業は自得」ということ。
つまりその善因を積んだのは自分な訳ですよ。

ということは、これって自画自賛…?

もちろんその因は今生ではなくて前世で積んでたのかも
しれないので、厳密には自画自賛ではないかもしれませんけどね。

自分が現在手にしていることというのは、
いろんな巡り合わせがうまく整って
思いがけない良いものをもたらしてくれることがあり、
それが整うのは自分一人の努力だけではなく
いろんなもののお陰があってのこと、
という気持ちから自ずから感謝の気持ちがわくのは
とても素晴らしいこと。

でも本当は、そのご縁をもたらしてくれたのは
その時目の前にいる誰かだったり、
その結果が現れるように陰で手助けしてくれた誰かだったり。
まあ大体人ですよね。

因果応報はこの世界のルールの一つ。
神仏はあんまりそれに関わってない感じ、というのも
前に書きました。


だとしたら、感謝すべきはご縁というよりは
多分その誰かに対して。
その相手が誰かわからないのだったら
お陰さまでという言葉の方がいいかもしれません。

目の前にいるその人は
縁によってここにいるのかもしれませんが、
ここにいてあなたと関わってくれることを
わざわざ選んでくれたのです。

そう思うと、その人の選択に敬意と感謝の思いを持つ方が
人として随分気持ちのいいありようではないかと思いますよ。

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