成績に左右されないスポーツチームの集客 DeNAベイスターズを参考に

Bリーグ&レイクス初観戦を終えて、ずっと課題に感じていた「負けてもお客さんが来てくれるチーム作り」のヒントを掴んだ気分でした。そんないいタイミングでこんな記事を発見。何の巡りあわせでしょうか。

一言でまとめてしまうと、チーム成績としては振るわないDeNAベイスターズの集客が伸び続けており、チケットが今ではプラチナ化しているとの話です。自分かレイクス観戦で掴んだヒントに近いものがあったので、あてはめながらヒントの筋の良さを確かめます。

なぜ結果に左右されないことが大事なのか

そもそもの話なぜこのテーマに着目したか。私がJリーグを見始めたのはサンガの天皇杯優勝からなので、もう20年になります。
そんな長期間に渡ってJリーグを見ていて感じたのは「強いから応援されるチーム」は「弱くなると応援されなくなる」ことでした。文字にすると当たり前も当たり前の話ですが...。

アントラーズが常勝を求め続ける理由も、自分たちの差別化要因が「強さ」だからとの話は有名です。とはいえ一方で、プロスポーツなので勝敗が存在する以上、一方には必ず勝ち以外(負けor引き分け)が付きます。相手も「絶対に勝つ」と思って向かってくるのでそう毎回勝てるわけでもありません。そんな不確実に得られる「勝ち」に集客という最も大事な要素を任せてよいのか?良いはずがないでしょう、が自分の考えでした。ビジネスにおいてとても大事な確実性・継続性が全然足りていないのです。

そこまでしっかりした問題意識がありながら「じゃあどんなアイデアがあるのよ」と聞かれると答えに詰まる悲しい私でした。が、ようやくその闇に光が差しそうな手ごたえを感じさせてくれたのが、劇的な逆転負けを喫したレイクスvs三遠戦でした。

前置きはここまで。本題に入ります。

記事のサマリー紹介

〇背景・経緯
・2011年オフにDeNAがTBSからベイスターズの球団を買収。
 →地元に根付いた球団作りを進め、ハマスタを『プロ野球観戦の場所』から、『楽しい場所で野球がやっている』と意識を転換した。

〇これまでの球場→今の球場
・野球の知識を少しでも持っていないと楽しめない場所→野球を知らない人でも足を運びたくなる球場
 例)『YOKOHAMA STAR☆NIGHT』、女性をターゲットにした『YOKOHAMA GIRLS☆FESTIVAL』、球場横での『ハマスタBAYビアガーデン』
・男性客の割合が圧倒的に多く、平日のナイターなどはサラリーマンの居酒屋状態→女性や子供も楽しめる「ベイスターズ・テーマパーク」
 例)個別ニーズに対応した席種の設計、改修やトイレ数大幅増による環境改善、
・飲食物は値段の割に質が低いものばかり→こだわりを徹底、球場内のため多少高いがそれでも納得感があるクオリティ
 例)横浜中華街の名店コラボ、ハマスタ名物になった醸造ビール『ベイスターズエール』『ベイスターズラガー』、女性に嬉しいスイーツも各種準備

〇根本の考え
・まずは居心地の良い環境を提供する。その結果球場に長時間滞在してもらうことになり、客単価向上に繋がる
・熱烈なファン、家族連れ、デート、ビジネスなどニーズは様々。それぞれ適したタイプの席がある
・飲食物も、多少高くても金額に見合った品質のものなら喜んで買ってもらえる

ウカルちゃんアリーナでの体験と突き合わせてみる

上記でいっちばん分かるなあと思ったポイントは「まずは居心地の良い環境を提供する」でした。レイクススタッフによる演出にまず私が心を掴まれて、場外の食事やびわ湖の光景を楽しむ家族。

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こんな分かりやすく楽しめる空間だったことにびっくりです。プレーにひたすら集中するサッカーで同じような体験を提供するのはまず無理だろうなと思いました。そして、これがJとBの一番大きな違いでもあるなと感じました。
今まで招待した友人を見ていると、サッカーの会場観戦をリピートしてくれるかは「勝ったかどうか」に左右されることがほとんどでした。でも、今回一緒に観戦してくれた家族は「またぜひ」と言ってくれています。きっとポイントはここのはずです。
n=3ではありますが、ちょっとづつ検証を続けていくとおもしろい結果になるのでは...なんて思ったり。レイクス試合への勧誘と合わせて、仮説検証も頑張っていきたいですね。

さいごに

個別の施策例なんていくらでも出てくるので追ってるとキリがありません。なので、今回の体験とインプットからは「居心地のよい熱狂空間を設計する」が、今後アプローチを考えていく際の指標として覚えておくべき事項と認識しました。
ハード面はそう簡単に変えられないので、お客さんが求めているものに向き合っていくのが最適な空間づくりへの最短距離なのだろうなと思います。

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