見出し画像

ノーゴール判定は誤審だったのか? レッズ×ベルマーレ(Jリーグ11節)

note初投稿。ちょうどこれからサッカー関連のエントリーを増やしていきたいと思っていたのでちょうど良いタイミング。

SNS上はもちろん今朝のニュースでも話題になっている、湘南ベルマーレ杉岡選手のシュートがレッズ戦でノーゴール判定となった件について書きます。DAZNでリプレイを見ればボールがゴールラインを割っていることは明らかですのでその点は前提として。

レフェリーも人間ですのでミスはしますし位置や角度的に審判のスキルではどうしようもない判定もあり得ます。ですので、本エントリーにおける「誤審」とは①審判のスキルや当日の動き方次第で回避ができた
②実際に起きた事実と乖離した判定」と定義します。
簡単に言うと①避けられた②ミスがあった、みたいな感じです。

前述のとおり明らかにゴールラインを割っていますので山本主審のジャッジは②要件を満たしています。残るは①要件。レフェリーにミスがあったのか(ゴール判定をするために必要なより正しいアクションはあったのかを検証のポイントとします


1.得点が認められるには

■ 得点が認められるときとはどんな時か

確認のため。ご存知のとおりボールが完全にラインを越えてフィールドの外に出たとき、つまり「ラインアウトした」ときです。JFAサイトより引用


■ ラインアウトしたかどうかを判断する難しさ

ボールがゴールラインを割ったかどうかきわどいシーンを集めた動画がありましたのでご覧ください。

https://youtu.be/002P0ZMG1zo

ご覧になって、これはラインアウトしている/していないと自信を持って判断して、結果まで当たっていたシーンはありましたか?

ちなみに私は全ての得点を見ましたが、自信を持って正解できたものは一つたりともありませんでした。これは決して私の能力や視力がどうとかいう話ではなく(と信じたい)、ボールを見る位置の悪さに原因があります。ラインを割ったかどうかは真横から見ないと判断できません。

まだダンテがいた頃のバイエルン×ドルトムント戦。リフレクションに詰めたフンメルスのヘディングをダンテがかき出したシーン。

真横から見るとゴールラインを割っているのは明らかですが

斜めで見ると何がなんやら


ラインアウトしたかきわどい場面では、真横から見ないと正しい判断はできない
ことを感じていただけたかと。


2.本試合における審判のポジショニングについて

■ 主審と線審の位置取りは間違っているのか

杉岡選手のシュートシーンを見てみましょう黄色の丸で囲った場所に主審と線審がいます。

線審は守備側の最終ラインと合うようにポジションを取る必要がありますが、シュートシーンを見た限りでは大きくズレていません。

(主審は自分と線審の間にボールがあるよう動く必要がありますが、ボールが動くスピードが早かったのでやむを得ないのと、今回の件にあまり関係ないので省きます。)

守備側の最終ラインをボールが超えた場合は最終ラインがボールになりますので線審はボールを追いかける必要があります。が、さすがに杉岡選手のシュートと同じ速度で走れというのは無理があるでしょう。


■ 主審と線審がこの位置から「ゴール」と判定してよいのか

ゴールは、レフェリーが「ボールが完全にラインを越えたと判断したとき」に認められるものです。しかし今回のケースだと主審・線審ともにゴールラインを真横から確認できる位置におらず、かつその位置にいないことについてミスもないわけです。正しい判定を下すために必要な事実を集められる状態にないのですが、事実を確認できない状況で周囲の雰囲気や空気で「なんとなく」判定を下してしまってよいものでしょうか。

「事実関係よく分かんないけど被告人は犯罪者っぽい雰囲気してるから有罪」って言ってくる裁判官に裁かれるのは辛いものがありませんか?
私は嫌です。


3.ノーゴール事件の総括・今後

以上より、レフェリーにミスがあったのか(ゴール判定をするために必要なより正しいアクションはあったのかという問題提起について

レフェリーはやるべきことをやっている以上より正しいアクションはなくレフェリーにミスはなかった、が私の結論となります。

実際にゴールラインを割っているのにゴールと認めていないので厳密にいうと誤審ではあるのですが、少し深く検討するとそこまでレフェリーが悪いのだろうかと思わざるを得ません。湘南サポータでもない人間からすると、三人の審判でカバーできる範囲を超えてしまった事象が起きただけであり、「人」の問題ではないよなあと。
今後の再発防止策としては「レフェリーの質を上げる」ではなく、ゴールラインテクノロジーか追加副審を配備するのが最も効果的かつ抜本的と考えます。

結局「人の問題でない」のであれば、これ以上レフェリーを責めても仕方がない話です。上述したとおりやむを得ない部分も大きく、ここまで大勢でレフェリーばかりを責めるようなミスではないのではと感じるのですが、いかがでしょうか。そしてJFAはレフェリーを守るような一言は出してあげられないものでしょうか。

拝啓Jリーグ様
せっかくいいオチが付いて後味も悪くない結末になったので、GLT導入してはいかがでしょう?来年も同じようなことが出ると荒れると思いますし、レフェリーの方を守る上でもぜひ。


さいごに 湘南ベルマーレというチームについて

不幸中の幸いとでもいいましょうか。得点という試合を大きく左右する要素において自チームに不利な判定を受けたにもかかわらず、湘南が最後まで集中を切らさず3ポイントをもぎ取ってくれました。

こんなことがあると気持ちを切らして荒れたり試合を投げたりする選手が出てもおかしくないのですが、そこは曺監督とその教え子である選手たちは流石だな、と言うしかありません。

決勝ゴールの山根選手のコメント

「人のせいにする気持ちにならなかった。自分に矢印を向けた」

カッコ良すぎか。今度どこかで使お。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?