2時間でわかる政治経済のルール(倉山満、講談社+α新書)

倉山満さんの安定感の源泉は何処にあるのだろう。

倉山さんは憲政史家だけあって、日本の(自民党の)政策史に滅法強い。

自民党の派閥史って現代っ子には分かり辛いのだが、例えば、「消費税」などと言った政策史の中から、政治経済を読み解くと、歴代の総理大臣がやろうとしていたことが分かる。

安倍元首相は、金融緩和を軸に経済政策を行なって、安倍一強とも言える政治の風景を作った。

その結果を踏まえると、現職の岸田首相は、アベノミクスの「成功例」をまねれば良くない?

第二次安倍政権発足期は、脱デフレ、リフレ政策、あるいは金融緩和は、まだ「やってみないと分からない」所はあったと思う。

しかし、あれから10年だった今、岸田首相はその方針を踏襲しつつ、より良い政策を模索すれば良い。

高橋洋一先生が書いていた、安倍元首相ですら中止ができないか検討していたという消費税増税のような増税議論を、安倍元首相亡き今、岸田首相が率先して検討している(ように見える)所が、意味が分からない。

しかも岸田さんも政治家としてのキャリアがそれなりにあると思っていただけに。あるいは、「最後に聞いた話(レクチャー)」を「発信」してしまうのかもしれないと邪推してしまう。
(鳩山由紀夫元首相がそうだったらしい)

私も、最近は減税論は封印しているが、今の岸田首相の、増税だけを決めて猪突猛進する感じは理解に苦しむ。

わざわざ政治争点化するまでもなく、既存の予算を組んで執行するという日常業務の枠内で出来ないのだろうか。

防衛費にしても、必要かもしれないが、「政治家生命を賭ける」ほどの論点ではない。

増税のニュースが出ては、批判で炎上する総理が不憫に思えてくる。


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