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#2 2022年10月 Reebok本格始動 ロコンドの事業推移

こんにちは。注目企業を取り上げていきます。
今回はロコンドです。


東京都渋谷区に本社を構えるロコンド。2010年10月に「顧客サービス至上主義のECサイト事業」を目的にスタートされています。30代後半から40代の女性向けに靴中心の通販「LOCONDO.jp」を主軸としています。LOCONDOのサイトを見てみると、ランキング上位にはnikeやadidasの有名ブランドからお財布に優しい価格帯のブランドまで多数の商品が揃っていますね。



ロコンドのビジネスモデル

LOCONDOの取引形態は受託型と買取型に分けられますが、メインである受託型のビジネスモデルは以下の流れです。

  1. ロコンドはブランドの商品を預かる

  2. ブランドは商品をロコンドの物流倉庫に発送

  3. エンドユーザーがロコンドのアプリやウェブサイトで商品を注文

  4. 物流倉庫から商品がエンドユーザーに発送される


これはZOZOTOWNのようなECモールと同じビジネスモデルです。



流通総額推移

流通総額から見ていきましょう。


2017/2の流通総額が80億円で、2022/2には212億円と5年間でCAGR 22%と増加しています。そして、2023年2月期の予想は235億円とのことです。



次に売上高です。
直近2022/2は前期比△3.9%の減少です。昨年、2022年10月よりReebokを展開しており、Reebokで23年度合計30億円のGMVを見込んでいます。Reebokを含めた今後の成長に期待が集まります。


売上高/GMVの比率の推移も確認します。
2016/2が34%、2017/2 が36%ですが、2019/2から46~50%と増加しています。この増加要因は2点考えられます。

一つ目は受託販売手数料の増加です。
ECサービス全体に占める受託型商品取扱高比率、流通総額、売上高から受託販売手数料を算出すると、

◇受託販売手数料
・2016/2:39.6%
・2017/2:40.3%
・2018/2:41.5%
・2019/2:43.1%
・2020/2:43.5%
・2021/2:45.1%
・2022/2:42.4%

となっています。ブランドの手数料を上げること自体が難しいことと思いますが、受託販売手数料は年々増加しています。

もう一つが店舗・卸等事業の売上増加による売上構成比の変化です。
店舗・卸等事業の売上を見ていきましょう。

◇店舗・卸等事業 売上高()は会計年度における構成比
・2019/2:5.8億円(8.6%)
・2020/2:9.7億円(11.4%)
・2021/2:5.5億円(5.4%)
・2022/2:3.5億円(3.6%)

店舗・卸等事業は在庫リスクが発生する点もありますが、受託型のようにブランドへお支払いする手数料がないもしくは買取型で低いため全体の売上原価率を下げることができています。

さらには先ほど前述したReebokも店舗・卸等事業の位置付けで、今後の拡大が見込まれます。



コスト構造

コストがどのように推移しているのかを見ていきます。

まずは売上原価と販管費の合計割合です。


ここでも注目すべきは2019/2でしょう。販管費の対売上比率92%と前年比で+17ptになっています。内訳を見ていきます。


その2019/2は広告宣伝費が増加し、対売上比率が36%です。認知拡大を目的としたTV広告が大きいようです。2020/2以降は前期比で対売上比率は低減しています。



財務状況


純資産、固定負債、流動負債を見ていきます。
特段大きな変化は見られませんが、2019/2に10億円を借り入れたことで、流動負債の比率が前期比で上昇しています。


BS全体を見ていきましょう。

資産の部からです。
2022/2総資産は69億円です。流動資産が53億円、固定資産が16億円。
流動資産のうち33億円が現金です。次に多いのが商品10億円です。

次に負債です。
負債の合計は22億円となっており、ほとんどが流動負債です。受託販売預り金や未払金が多く占め、2022/2 借入金は全て返済されています。

最後に純資産です。
純資産の合計は48億円です。そのうち、資本金が13億円、資本剰余金が20億円、利益剰余金が14億円になっています。


19/2にTVCMによるロコンドの認知拡大で売上高が増加していることが、比例縮尺財務諸表を見てもわかります。


キャッシュフロー


最後にキャッシュフローです。
2019/2営業キャッシュフローは一時的に悪化していますが、2020/2より増大しています。




参考

野村證券株式会社.新株式発行並びに株式売出届出目論見書https://www.nomura.co.jp/onlineservice/netcall/writing/pdf/ipo/3558_170202.pdf .(2023.01)

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