警察署の取り調べ1回目から留置所に入るまで

前回までのあらすじ
私としては善意から行った行為が原因で不服にも私人逮捕→警察引き渡しでの逮捕となった

逮捕劇は朝方まで行われ、パトカーで警察署に連行されたときには日が昇るくらいの時間になっていた。

パトカーの中では、特に手荒な扱いを受けるようなことはなく、このあとの流れなどを警察官にたずねていた。

警察署につくと、荷物類を没収されたあと、取調室に通され手錠が外された。取調室は対面で座るように椅子と机が配置されており、間にはアクリルの板があった。奥側の席へ座るように言われた。

手錠は外されたが、手錠には縄がついており、その縄を腰に回され、手錠はパイプ椅子にくくりつけられ固定された。逃げようと思ってもパイプ椅子と一緒に行動することになるような状態だ。
準備が終わるとすぐに取り調べが行われた。取調官は60近い男性で、物腰柔愛印象を受けた。

まずは、取調官から黙秘権(供述拒否権)についての説明があった。
黙秘権は、供述することで不利になる内容については質問されても「黙秘します」と回答することができる権利である。「黙秘するってことはやましいことがあるんだろう」とされることもないとされている(が本当のことはわからないし、私が見る側だった場合、「これは不利な供述になってしまうんだな」と思ってしまうと思う)。

取調官から逮捕までの経緯、逮捕時の状況などについて質問があった。
私は窃盗するつもりがあって起こした行動ではないので「窃盗する気はなかった」と否認した。
ここでは「なんでバッグを持っていったのか」などの質問はなく、あくまでどういう状況だったのかの質問のみであった。
取り調べは1時間程度で終わったが、最後にサインをする段階で強要のようなことがあった。
それは、供述調書を取り終わった直後に「はい、ではここに押印(指紋)してください」と言われたことだ。加筆修正の案内などなく、また、修正を依頼した際には「文句言うんやったら今取った調書は無駄になるけどそれでもええんか?今話した内容全部やりなおしやで?」と言われた。これは押印の強要とも取れる発言だと思ったが、前日18時~27時(午前3時)まで飲んでいてこの時点で6時頃であったため、開放されたい思いからそのまま押印した。
今回は特に大事に至らなかったが、供述に自信がない場合や正常に判断できない場合は拒否(サインをしない)した方が良いと思う。不利な状況にはならないし、留置された場合、取り調べを受けている時間はやることのない留置所生活の退屈な時間を消費できるので追加で調査を受けても苦にはならないと思う(し、不利な供述するよりは遥かにましな結果になる)。
取り調べの間は、お水をもらうことができた。何回かおかわりをいただいた。

取り調べが終わり、取調室で長いこと待つことになった。
取り調べの中で持病があることを話しており、警察が病院へ薬を取りに行っているらしかった。費用は税金で賄われるらしく、お金を払う必要はなかった。病院が9時に開くので11時頃まで取調室で待っていたが、途中で机に伏せて寝ていても文句は言われなかった。待っている間におにぎりを渡された。食欲がなかったため手をつけないでいると警察から「食べても不利にならないしお金も請求しないから食べてええで」と案内された(が、結局食べなかった)。

病院から警察が帰ってきたらしく(姿は見ていない)、留置の準備へうつった。取り調べの際に、逮捕は72時間身柄を拘束できる旨の説明があった。

留置エリアの手前にある部屋で、荷物の確認や身体検査が行われた。
荷物をひとつひとつ確認し、紙に記録していた。財布の中のカードや領収書に至るまで細かく記録に残していた。
身体検査では用意された浴衣を羽織り、下着を脱いで陰部まで目視でチェックが行われた。
着ている服が留置所の基準を満たしていなかったため、基準を満たしている服を貸与された。留置所内での自殺を防止するため、紐やゴムがないこと、それらを通す穴が塞がっていることなどの基準があるらしい。面会で服を差し入れる際もこれらの基準を満たしているものしか渡すことができない。

身体検査が終わり、服を貸与されたものに着替えると、手錠をかけられ留置所に案内された。
取調室から留置所までは2枚の扉があり、施錠されていた。
解錠するたびに警察官が「男性通ります」(だと思う)と大きな声を発していた。このあとの留置所生活の中でも何度かこの扉を通ることになるが、毎回同じように発言していた。

留置所(留置室)に入ると、檻がいくつも並んでおり、中には留置された人が見えた。

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