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【反論】どんどん・・・ではなく元々レイトマジョリティな大半の大学生

久々にnoteを活用して書こうかと思いまして。テーマとしては、永江一石氏の「いまの大学生はどんどんレイトマジョリティになっているという話」という考察に違和感を感じたという事もあり、また大学生と多少なり触れている身として、その実体を多少なり知る状況から、「どんどん」という表現に違和感を感じた所にあったので。

さて、この話をする上で必要な知識として「レイトマジョリティ」とはなんぞや?という事を少しだけ話しますと、簡単に言えば流行の仕組みとして、飛びつく段階を指し示した表現になります。例えば、最初に飛びつく人を「イノベーター」と言って、誰もやってない使ってないモノを試したいと感じる、いわゆる人柱的な性格の人を指します。私も多分コレでして、俗に2%強の消費者がこのゾーンに当たると言われています(上記図表参考)。

次に「アーリーアダプター」という性格分類の消費者が来ます。この方は、「イノベーター」の発言を逐次モニターしており、この人がピックアップした情報をいち早く試すという属性の消費者になります。または“情報感度が極めて高い方”という属性でも良いかも。俗に10数%の消費者がコレにあたると言われています。

ここまでの消費者しか動員出来ない場合、どこまで頑張っても消費者全体からみたら20%未満。これで終わると「キャズムを超えない」と表現されます。キャズムとは、初期市場から流行へと変わっていく間にある溝の事を言いまして、この溝を飛び越えるかどうか?で大きなムーブメントとなるか?を見定め、超えた時に「キャズムを超えた」と表現します。ちょっと使えたらカッコイイよね。参考資料:キャズム(きゃずむ)

さて、予備知識を得た人であれば「マジョリティ」とは、流行後にそれらに関わる人の事を言うという事が分かって来たと思います。そのなかで、わりと流行にすぐに飛びつくタイプを「アーリーマジョリティ」と言い、流行のピークから下降気味のあたりで飛びつくタイプを「レイトマジョリティ」と表現します。これらの「マジョリティ」がだいたい60%くらいの比率で存在し、このゾーンの消費者を巻き込まないと消費者商材としては大成功したとは言えないのです。マイナー商材なら別の話ですけどね。

前置きが極めて長くなりましたが、ここで状況整理終了。

私の持論は「今も昔も大半の大学生はレイトマジョリティなんだぜ」という点にあります。なぜか?キャズム論における比率は大学生だろが一般消費者だろうが関係ないからです。つまり100人に2.5人がイノベーターであり、10人に1人がアーリーアダプターである比率は、大学生だろうが変わり無いっちゅう事なのです。だって比率論なんだもの。

では何故、昔は大学生や高校生が流行の先端に居たのか?ここからは私の考察が含まれるので一概に正解ではありませんが、私はこう考えます。

昔の大学や高校のコミュニティは、もうすこし大きく、情報共有のサイズが今に比較して広範囲だったのだと思います。TwitterやLINE、FacebookといったSNSが出てきた事により、一見広くなったように見えますが、事実は逆で“コミュニティサイズは小さくなった”のだと感じます。事実、大学生を見ていると不必要に友人関係を広げようとは考えてません。従って情報を得ている範囲は狭まり、世の中の変化を感じるアンテナは狭まっているように感じる訳です。結果アーリーマジョリティではなく、レイトマジョリティとなり、市場が熟したあたりで知る事となるわけです。

その昔、影響力のある大学や高校のコミュニティサイズは比較的大きく、そのコミュニティの中心にはイノベーターか、アーリーアダプターが存在し、大人はその学生達に一声かけて刺激すれば良かったように思います。事実そういったサークルを巻き込んだムーブメントを作る仕掛けは、私が大学の当時、または社会人と遊んでいる中で度々見かけました。いまそういった仕掛けを使ってムーブメントを起こせるほどの大きな活動は、あまり見かけません。関係構築をスムースにできるSNSの各種システムは、コミュニティサイズを大きくすることに貢献したのではなく、コミュニティサイズを不必要に大きくしない事に貢献したのだとすれば、合点が行く結果なのではないか?と考察するわけです。

元々、大半の大学生は「マジョリティ」でした。昔からごく一部の人がイノベータでありアーリーアダプターだったのですが、サークル活動を通してマジョリティと先端行く人が極めて近いところにあったため、流行発信の現場になりえたのだと考えます。

今でも大学生や高校生のイノベーターやアーリーアダプターはきっと存在します。彼らは学内の狭いコミュニティの発信者としてではなく、既にTwitterやFacebook、または自分のブログといった場所で活動しており、その結果ごく本人に近い学内の人間には、恐らく影響を与えている存在なのだと思います。すみません・・わたしはそういった代表的な人材をあまりしりませんのでこの辺憶測まじりです。私と一緒に仕事しているインターンの学生やバイトの学生を通して感じた世界観です。

しかし、これらの人材の特性は(自分がイノベーター気質であるため)よくわかります。学内に拘る必要性も無いし、もっと広い場所を見つけて発言できるなら、きっとそのように行動します。システムとサービスが発展し、学内というコミュニティに制限を受けなくなれば、もっと広く自分の知った情報を知らせたい!と思う人種だからです。

以上が、「今も昔も大半の大学生はレイトマジョリティなんだぜ」という私の持論とさせて頂きます。

因みに、永江氏の指摘する「ネットリサーチだからPCユーザーが多いのは当たり前だろゴルァ」という点は、私も同意です。あかんよそんな調査しちゃ〜的な話。

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