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写真日記前編:山梨でぶどう狩りをしたら豊かすぎて普段わたしは何をごちゃごちゃ言ってるのかわからなくなった話

山梨に実家のある大学の先輩がいて、久々に連絡をとってみると「甲府に遊びにおいでよー。庭にぶどう棚があるからぶどう狩りできるよ」とありがたくもお招きいただいたので、シャインマスカットの収穫時期だというお盆明け間もない昨日、特急電車に乗って子供達と3人で出掛けてきた。

甲府って初めて降りたのだけど新宿駅からあずさで1時間半しかかからないし新幹線より割安感があって気分的にすごく近いことに気が付く。そして、いわゆる普通の家庭の庭にいくつか葡萄棚がある、お父さんの日曜大工仕事くらいの規模を想像していたのに、着いてみてびっくり。広々としたぶどう畑が広がっていた。これでも先輩が育った頃よりは面積にして5分の1くらいに減っているというから当時はさぞや大きな農園だったであろうことが伺える。

ひろーい。見渡す限りブドウ棚

あれま。これは想像していたのよりはるかに広い、おおごとじゃ、とキョロキョロして驚いていたらご実家のじいじ(先輩のお父様)からキッズに向けて、こんな紙が差し出される。今日のミッション、とのこと。畑の中から、7種類の葡萄を見分けて、それぞれ一房ずつ一番良さそうなのを見つけて収穫してくるように、という実に粋なはからいだ。案内役は先輩の息子で小学6年生のT君。彼は帰省中、しょっちゅう畑に入っているから勝手がわかっている模様で、「僕についてきなよ」くらいの感じで頼もしい。

ミッション・シート

そこからは虫除けやら日焼け止めやらの武装をして・・・いざ収穫へ

お腰にキビ団子ならぬ蚊取り線香をつけてもらう
電動三輪車の力をかりる。これの運転だけで盛り上がる子供達
今、旬のシャインマスカットが木に!末端価格2000円がたくさんぶら下がっている
背伸びして収穫!ピントが合わなかったけど。


小一時間ほどかけて7種類8房を収穫。こんなに葡萄に種類があるなんて、広げて一度にみたのは私も初めて。今回教えてもらって知ったのは、シャインマスカットは10年くらい前からだいぶ普及していて、それなりに栽培に手間はかかるのだけど、それは通常の大粒の黒葡萄(ピオーネとか藤稔)とかと同じレベルだということ。一方で、農協に卸すときの価格は今写真に写っているものでシャインマスカットは1000円くらいがつき、他のものより高い値付けなので農作物としては効率が良いらしい。それですっかり山梨県だけじゃなくて全国でシャインマスカットの栽培が流行している模様。シャインマスカットといえば、キャンディのような貴重品のイメージだったけど、もしかするとあと数年すると飽和して値段が下がっていくのかもしれない。戦後貴重品だったけど今やもっとも安く手に入る果物になってしまったバナナみたいに・・・というのは大袈裟だけど。希少価値は流動的なものだから、10年後のシャインマスカットがいくらになっているかいつか答え合わせをしたい。

7種類のぶどうを無事収穫
みんなで味見。赤い紅バラードが美味しくてバケツいっぱい食べたいと思った

収穫した葡萄は箱詰めして我が家に明日の夜に届くよう出荷してくださるとのことで、娘はじいじとの梱包作業(透明の袋に入れて、ブドウの銘柄のシールを貼り付け、箱に入れる)まで手伝わせてもらい、ありがたすぎる夏の思い出ができてしまった。でも子供達が喜ぶような計画をわざわざ立ててもらって一番喜んだのは私かも。

そして思ったのだけど、地面からつるが出てその先にぶどうがなってるって結構すごい。それが自宅の周り一面に広がってるって、大地の恵みに取り囲まれた生活だし、なにしろ働いたら確実な実りがある、みたいな感覚が毎日伝わってきそうですごく魅力的だった。訪ねて行ったのは大好きな先輩なのだけど、彼女がなぜあんなに落ち着いた雰囲気に育ったのかが、ぶどう畑のおかげな気がしてしまって勝手に合点が行った。

さらに、私は久々に遠くに出掛けてみて、日頃ごにょごにょ私が書いているような世界に対するぼやきのようなものがふとどうでも良くなった(多分その感覚もすぐに元に戻るのだけど)。所詮、都会で資本主義の霞を食う者特有のストレスを自らわざわざ取り込んで、飲まなくてもいいお酒を飲んで、くだをまいているだけなのだな私は、ていう、日頃から薄々勘づいていたことが確信に変わった感じ。

毎度おバカなことにうっかり紫外線を浴びすぎて腕が痒いのだけど、泊まった山梨市のお宿がとても魅力的だったので明日はそのことを。

今日も一日お疲れ様でした!

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