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金沢町家の契約を終えて、これまでの経緯と今の気持ちを忘れないうちにメモ(前編)

先週末、金沢町家の購入の契約をしてきた。

不動産でいう契約というのは、「買いまーす」という契約書にサインをすることで、通常だと買い手が売り手に対して1割の手付金を支払う。残金9割の決済と引渡しまでまだ数週間あるので、ここからご破産になる可能性もゼロではないのだけど、売主・買主共に後戻りしにくい状況に入るステップだ。結婚でいうと婚約みたいなものかも。そういう意味ではまだまだ破棄できるとも言える。笑

そして、結婚と同じで、気持ちは常に移ろっていくし(例:熱望された結果の結婚だったはずが、10年後に夫が、結婚した理由は「タイミング」と言い出したりする)、人の記憶は常に壊れていくものなので、これまでの経緯と今の気持ちを書き留めておこうと思う。そしていつか嫌いになって別れる日が来ても、今日のこのトキメキが無かったことにはならないようにしたい。

ついでに言うと、これから2年ほど金沢の町家の改修に私はエネルギーの1-2割くらいを投じることになるのでそれもマガジンでまとめよう。(備忘のために今宣言。これはできる時にやる)


2018年6月7日 金沢との出会い。

2018年6月7日 今から5年前。人生初めての金沢入りをした。きっかけは当時の部下が企画した仕事のセミナー。彼が行くはずだったのに子供が産まれそうなので代わってくださいと頼まれて代打でスピーカー役をやることになった。金沢といえば大学の友人Kが住んでいるし、ちょうどいいわと請け負いつつ、Kに連絡をして、久々の再会ができたのが初訪問の何よりのハイライト。

夜は友人の案内で歴々さんという近江町市場の中にあるとびきり美味しいお寿司屋さんに行って、一葉さんという茶屋町のバーにまで連れて行ってもらった。金沢、美しい。やばい。

21世紀美術館の前で。

その時のことはここにまとめてある。大事なポイントは、友人Kの案内で鈴木大拙館という建物に初めて訪問したこと。そこに3ヶ月に一度は訪れたい、と強く願ったこと。


2018年9月25日 家族で金沢再訪

6月の訪問であまりに感動したので、家族を連れてすぐにまた金沢訪問。この時は富山の高岡・氷見などを絡めて回った。家族は多分気がついていなかったけど、私はこの時点で「何か金沢と関わり続けられる仕組みを作ろう」と思考を始める。

2度目の大拙館。晴れ。
21世紀美術館ではチームラボの展示あり。チームラボ大好き



2019年12月26日 チーム忘年会 in Kanazawa

当時直接の部下だった男性二人を誘って日帰り金沢ツアー。兼六園など巡りながら一年の振り返りをする。

夕暮れ時も美しい大拙館


イケメソ部下二人に挟まれて、夜は歴々さんに再訪して3人で白子をいただく。(ごめんなさいね!)

歴々さんの白子ポン酢。美味しい
古本屋さんで小さな詩集を購入。帰路で読む。切ない恋の歌


戦友のようなチームメイトと金沢に行けて嬉しかった年末。金沢への思いを確認する。

2022年9月22日 仕事きっかけで能登半島を訪れる

コロナ明け。間が3年近く空いてしまった。もはやほとんどでっち上げというか我田引水プロジェクトで石川県にピンを立てる。流石にでっち上げぶりに気が引けたので、自費で金沢入りをして、雨の中を散歩した時の写真がこちら。

本多の森にある博物館


石川県立図書館

友人が担当した素晴らしい図書館を訪問して、7年かけて頑張って良かったねえ、よく働いたね、と喜び合う。

雨の大拙館。いずれにせよ美しい

そしてこの訪問で、ワカメは盛大なるヒントを15年以上ぶりに再会した先輩にもらう。先輩は金沢で古い町家を購入して改修し、そこに住みながら建築家として活躍してる人。ご自宅にお邪魔した時にふと言われる。


金沢で築100年以上経っている町家

「ワカメちゃんさ、町家を買ったらいいわよ。きっと楽しいわよ」


その時は笑って過ごした。
でも、帰りの新幹線で思う。

「あれ。ワカメは町家を買えばいいのかも。」
「確かにそれなのかも。それなのかも。それなのかも。(無限エコー)」

そこから3日ほど経っても気持ちが変わらなかったので、先輩に「ワカメ、町家を探します宣言」をし、町家探索の旅路が始まる。

2022年11月5日 初めての金沢の不動産屋さんとの出会い

先輩に、日本で一番おしゃれだと思う金沢のことのは不動産のMさんを紹介してもらい、私の意図を伝える。1−2年の間に買えればいいから協力してください、と。Mさんは静かに受け取ってくれて、1時間ほどの面談は終わり。

思い立ってもそんなにすぐに町家は買えないが寿司はうまい


2023年1月6日 金沢をうろうろしながら傾いている家をみる


再度金沢入り。ちょうど良さそうな物件はないのだけど、なんとなく一人で。

西田幾多郎記念館訪問。大拙さんと幾多郎さんは同級生


お寿司は美味しい。生田さん初訪問

この時は不動産屋さんに案内してもらいながら傾いた家を見て、美味しいお寿司を一緒にいただきながら今後の計画を練る。見た家は傾きすぎていたのと、周辺にあまり魅力を感じなかった。肉眼で見ても傾いているものを買う勇気が私にはあるだろうか?と自問自答しながら新幹線で帰った。覚悟を問われる。

2023年3月6日 友人Nと金沢へ この時も物件はない。

この時は香林坊の香林居というかっこいいレノべホテルに泊まり、町家とは全く関係ないけど突如サウナに目覚める。物件の出物は、この時はない。

サウナに目覚めた日。外気浴をしながら兼六園を眺められるミラクル

2023年3月24日 初めてのまともな内覧 しかし決まらない

ことのは不動産さんに呼ばれていざ内覧へ。立地は近江町市場から歩けるくらいで最高の場所。そして見た目がMaxに可愛いのだけど中身はのび太くんハウス。(昭和の普通の家、の意)

最近まで利用されていた建物で、新しすぎる。。。改修されすぎていると元に戻しようがない・・・・元々の建物がチープすぎる・・・築年数が古そうであればなんでもいいわけではないと気がついた内覧。

この時に寿司屋の対象に教えてもらった建具などの小道具やさんも訪問。パーツを古くすればいけるか?と想像するがやはり限界があることに気がつく。

「ワカメは、築100年くらいの、当時ちゃんとお金をかけてたてた物件が欲しいのだ」と言語化される。

古美術商みたいなところに建具がたくさんおいてある。欄間2万円とか。安い


2023年4月21日 同僚と金沢へ。 2軒見るも、決まらない

たまたま韓国から来日していた同僚と金沢入り。一緒に物件を見て回る。

一つ目は昔は良かったのだろうけど今や町家として孤立しすぎていたのと、二つ目はすでに他の人の申し込みが入っていて買えずに断念。やむをえず寿司を食べて帰る。

金沢の赤貝は美味しい


2023年9月9日 これぞ!という町家と出会う

多分築100年くらい。とても状態がいい


(後編に続く)


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