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Hairsprayがとても良かった

LA来てからたまーにミュージカルを観に行くんだけど、今回1年ぶりくらいに見に行ったhairsprayがとても良かったのでシェア。なかなか有名で高評価なミュージカルで、映画も結構ヒットしたらしいけど存じ上げず。。映画のあらすじ動画貼っ付けときます。

舞台は1962年のアメリカはメリーランド州ボルチモア。いまだsegregation(人種分離)が残る街で、白人(しかもモデル体型、いわゆる一軍frat boys, sorority girls)のみが出演するローカル番組The Corny Collins Showに憧れる、踊るのが大好きな少し太っちょな主人公の女の子Tracy。ある日番組のレギュラーメンバー枠が一つ空いたと知り張り切ってオーディションをするが体型を馬鹿にされただけで終わる。ところが黒人街で出会った青年Seaweedに教えてもらった踊りのおかげでCorny Collins本人の目に留まり、オーディションなしでレギュラーメンバーに抜擢。体型や髪型がいわゆる一軍ではないTracyが出しゃばるが癪に障る番組プロデューサーMs. Von Tussleや、その娘であり同じくレギュラーメンバー筆頭のAmberと確執もありつつ着実に人気博していくTracy。一方で自分に新しいダンスを教えてくれ番組出演のきっかけをくれたSeaweedやその仲間たちは黒人だからという理由だけで番組に呼ばれることは絶対にない。その理不尽さに疑問と不満が日に日に高まる中、全国ネットで放送される「ミス・ヘアスプレー コンテスト」が近づく。Tracyは体型などの偏見を覆し優勝できるのか、そしてテレビの暗黙の了解を破りSeaweedたちと人種の壁を超えた共演を果たせるか ——

というのが今思い出しながら書いた、要約になってないあらすじ要約。こっから良かった点を羅列していく。

  • 歌がいい
    一曲目のGood Morning Baltimoreからキャッチーで歌いたくなる。3曲目のMama, I’m a Big Girl Nowは映画にないらしいんだけど何故入ってないのか分からないくらい母娘3組のデュエットとダンスが良い。途中も全部いいが、キャスト総出で最後に歌うYou Can’s Stop the Beatは鳥肌たった。映画見なくてもミュージカル行かなくてもこれだけはYouTubeで聞いてほしいので貼っておく。

  • キャストがいい
    (歌編)The Dynamites 3人衆が圧倒的に上手かった。特にセンターの子の歌唱力に感動した。多分Cindy役のJade Turnerさんかな?ちゃんと見分けが付かなくて申し訳ない。。The DynamitesについでMotormouth役Sandie Leeさんのビブラートとロングトーンが上手かった。ソロの時際立ってた。この黒人4人衆が入った時の歌の厚みがすごい。今までのどのミュージカルも歌うめ〜ってなった。(ダンス編)Seaweedの妹Little Inez役のJoi McCoyさんが頭ひとつ抜けてたな。そしてUCLA卒業生。Go Bruins! (演技編)Penny役のEmery Hendersonさん。歌もさる事ながら演技がめちゃくちゃ上手だった。覚醒前のオタクPenny、覚醒後のイケイケPenny、こんなに豹変するの?!っていう変わりぶり。見てて気持ちよかった。多分すごい経歴の人なんだろうけど自己紹介欄あっさりしててそこも好き。「このオーディションのために9時間並んだ(で、せっかく勝ち取った)んだけどパンデミック起きて延期になった。マサチューセッツ州でたくさんのアヒルに囲まれて育った」の2文だけw 溢れ出すひねくれ者感、友達になりたい。

  • 配役がいい
    Tracyのお母さん役Ednaは巨漢オネエみたいな設定なんだけど、Andrew Levittさん、またの名をNina Westで知られるドラグクイーンの人がやってたのが神配役だったんよね。3年前のディズニーの舞台リトルマーメイドでウルスラやってたっていうとイメージつきやすいかな。まじでハイヒールもドレスも女の自分より履きこなしてるし話し方とか仕草がまさに一般にイメージするオネエそのもので、それも演技じゃなくてもうナチュラルに身についてるものって感じで圧巻でした。Amber役のRyahnEversさんの甲高い声と偽物みたいな笑顔、Ms. Vom Tussle役のAddison Garnerさんの高笑い、Corny Collins役のBilly Dawsonさんの雰囲気そのものが役にすごいぴったりでびっくりした。The Dynamites3人衆みたいに飛び抜けて歌が上手いって言うわけではないんだけど(ていうか平均値がすごく高いこのキャストたち)、ハマり役具合がすごくて、キャスティングした人に賞あげたい。

お母さん役Nina Westさん。Wikipediaより。
いや普通に美しいのよドラグクイーン様
  • 舞台設計
    60年台の衣装、ヘアメイク、当時のボルチモアの街並みがすごくストライクだったんだよねぇ。特にスルスルっと降りてくる大きいポップスに描かれてるボルチモアの街並みが、もちろん現実より全然美化されてるんだろうし実際80年前の景色なんて記憶にないはずなのにノスタルジック感じて仕方ない。6年前にボルチモア行った時は、煉瓦造りのタウンハウスに色なんかもちろんそんなカラフルじゃなくて、どんよりした雲にお似合いの重厚な(そして時に仄暗い)歴史を感じたものだけど、hairsprayに描かれる街並みはあまりにも希望に満ちていて。偏見も葛藤も有り余るほどなのに、それと同じくらい希望と活気にも満ち溢れている。そんな印象を作り上げられる大道具、特にポップス。機動装置とか3Dのすごい機械仕掛けはそれはそれですごいってなるけど、今回のほぼ2Dのポップスが何よりも好きだったのだよ。前述Corny Collins役のBilly Dawsonさん、USJでのこの演目経歴ありってことで、ユニバーサルでもこのミュージカルやってるのかな?2Dポップスでここまで高さと奥行きを見せられるのがすごくユニバの作り方と似てたから、ふとそんなことを思った。

Tracyとお母さんがMr. Pinkyに見初められるこのシーン、セットと衣装が特に好きだった
  • 音楽、コレオ
    もう全部じゃんって感じなんだけど、演者さんが上手いのに加えて音楽と特にコレオが親しみやすい。見てて楽しいし踊りたくなる。特に最後の曲とか、一人一人挨拶しに出てくるところのあとにももっかい来て、みんながスタンディングオベーションのなかリズムに乗りながら踊りたくなるという、とにかく終演後の余韻が凄まじく楽しかったの。最後、映画からちょっとだけ足されたストーリー部分もとても良いし。多分他の記事でも書くけど、コレオと音楽(特に歌詞、ストーリー)との合致って、ここ最近特に大事になってきているような気がして。見ててテーマが分かりやすく、かつ意外性を持ったコレオにどう音楽を落とし込めるか、さらに難易度もちょうどいいくらいにして、みんなが真似したくなるようなものを作る。これが出来てると見ていて本当に気持ちいいし楽しい。ヘアスプレー見てすごく納得した部分だった。

“You Can’t Stop the Beat” タイトルもリズムも歌詞も、これ見ての通りコレオも衣装も、ヘアスプレーの全てがこの1枚に集約できる。やはり最強にして最高のテーマ曲


まとめ

というわけで今回もとんでもなく長くなってしまった、誰のためになるか分からないレビュー😅テーマとキャスト的にあまり日本で上演するイメージはないし、なのに日本語で長々と書いてしまった。と書いてからちゃんとファクトチェックしようと思って一応ググったら、去年バリバリ渡辺直美さん主演で上演されていた、、危ない危ない。日本でどれくらいストーリーラインが刺さったか分からないけど、とりあえず渡辺直美さんTracy役似合いすぎで大優勝だから、もし再演することあったらぜひ見に行きたい。ブロードウェイ版に関しては、これからアトランタ→ネブラスカ→オースティン→アリゾナと6月末まで回るようだから、その4都市に住んでる日本人の方(母数なんぼよ笑)、ヘアスプレー激推しです。

ちなみに今回会場だったDolby Theatre、アカデミー賞授賞式が行われる、いわゆるレッドカーペットがあるところで、こんな由緒あるところでも普段は観光地として普通に歩けるから今回ヘアスプレー前にはテクテク階段ど真ん中歩いて行った😎友達は前ここすぐ近くのタワマンみたいなとこ住んでてアカデミー賞見えたらしい。ふとしたそういう時にLAってすごいとこなんだなって思い出す。けど治安まじバリ悪くてどちらかというとバットマンのゴッサムシティーみの方が強い。それも紛れもないLA。面白いよね。

この会場で7月、ビートルジュースが上演されるんだって。他の記事読んでくださった方ならピンと来るかな、そう推し活です。願うなら日本でジェシーのビードルジュースも髙地くんの星降る夜に出掛けようも見たかったよ。でも今年は夏はさすがに帰れないから(卒論書かなきゃ)、遠くでキャストも違うけどビードルジュース見て、みんなのレポ読んでバイオエクソシスト・ジェシーを投影しよう。とりあえず解禁されたビジュアルは最強に似合ってたよね。表情管理も完璧だし。さすが生粋のセンター、みんなの太陽。応援してるぜ!!!

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