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大塚ひかりを読む

なんかSNSで大塚ひかりという人が罵倒されているようだ。
平安時代を描いた「あさはかな夢みし」を描いた瀧波ユカリさんが擁護していたので読んでみた。
私はちょっとした源氏オタクなのでこの漫画を楽しく読んだんだけど、彼女が参考にしたのならと興味が出た。

読んでみるとですよね。私が歴史でうっすらそうなんだろうな思っていることをしっかりと文章にしている。

元々源氏物語の研究から入った方らしく、源氏が当時あざといエロ本扱いであったこともしっかり書いてますね。私は極端にたくさんに読まれる作品は下世話なとこがどっかあると思っている。

村上春樹がいまだ高学歴な人にエロ本と呼ばれていること、鬼滅の刃の毒々しい暴力なんかそう。必ず下世話な毒をもっている。

源氏はロリコンを美しく描いているところがあり、後世の平安貴族で女の子を囲って光る君を気取っていたやつが結構いる。
平安時代でも少女と光る君の恋愛を描いた「若紫」の巻しか読んでない人が多かったのではないかな。
宇治十帖まで読み進めると光る君の正妻として栄華を極めた若紫の成長した姿である孤高な紫の上より、中の位のあわれな浮舟の方が好きになります。

宇治十帖は紫式部が宮仕えをして現実の上級貴族の退廃をふまえて、自分の等身大の中流貴族の女性、浮舟を描いたもんだと思う。

更級日記の菅原孝標女が浮舟が大好きだったのは当然と思う。

大塚ひかりさんという人は在野の研究者だそうで、出ている本の題名は売り出すためだろう、かなりあざとい思う。
私が読んだジェンダーレスな日本史もいつものトンデモ本にみえるよね。

この中で出てくる、衆道は若者に対する性虐待だったということは全く同感だ。あれは宗教の密室と戦場で起こった暴力の延長だと思う。
今も芸能の世界に残っていて、一昔前に笑い話にされてた。
旅芸人あがりの吉本の漫才師の話なんかほんとひどかった。

今度新しく出る本はそこのところをずばっと詳細に語っているようだ。
なるほど、敵は多い。

調べてみると彼女の本は図書館に結構入っている。
読んでみたいなって思った。こうして、一人の読者が生まれるのである。


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