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クレディスイスってなんぞ 2023/03/15 株日記

【この記事は】
クレディスイスについて報道を見てるんだけど、専門家の意見は多いのにい、そもそもなんやねん、何が問題やねんの解説がない。分からんのよ、教えてよって思ったので、自分で調べた。分かりやすさ100%でいきます。

3月15日のトレード

+11,891円

デイトレなんで、わちゃわちゃたくさん取引しました。少ないながらも2連勝。回る甘デジで勝つみたいにいけるかと思いきや、次の日に、次の日に、3月16日に・・・・・・(嗚咽)


クレディスイスは、スイスで2位の銀行

世界中の株式市場が動揺しています。きっかけはアメリカの2銀行破綻でしたが、今リアルタイムで揺るがしているのはクレディスイス。

クレディスイスは、金融大国スイスでNo.2の銀行です。

No.1のUBSとしのぎを削る、世界有数の巨大銀行。

ちなみにUBSは、ゴルゴ13で有名になった「スイス銀行」が母体です。

スイスは古くは徹底した秘密主義で世界中からマネーを集めました。

情報公開が叫ばれるようになってからは、株や債権へ投資したり、複数の資産を集めて証券化し、その証券を世界中に販売することで巨額の利益を上げました。

どちらかというと、暴れん坊のクレディスイス・紳士のUBS、だったんですけど、リーマンショックの時にUBSはサブプライムローンでやらかします。

サブプライムローンとは

返される見込みがない貧乏人向けの不動産ローンを、確実に返済されるローンに混ぜ込み、細かくスライスして「AAAの信用です!利息も高いです!」と売られていた証券。腐った肉と新鮮な肉を混ぜて挽肉にして「安いよ!」と売っていたようなもの。リーマンブラザーズやUBSは「お得じゃん!」と買いまくって腹を壊した。リーマンは死んだ。


日本人の思う〝銀行〟とは

僕らの知る銀行って、一般人からお金を集めて、企業に貸して、利ざやを稼ぐじゃないですか。普通銀行業務なんて言われるように、ほんと〝普通〟。

でもこれを成立させるには二つの条件がある。

一つは、たくさんの豊かな一般人。
もう一つは、借りたいと考えるたくさんの企業。

「人口+豊かさ」と、「企業数+資金需要」のコンボが必要。

日本はダメだダメだと腐す人が多いけど、これほど豊かな国民・豊富な資金需要をセットで持っている国は少なく、メガバンクを二つも三つも持ててる時点で、日本は世界有数の「お金持ち」「金融大国」なんです。


クレディスイスは〝銀行〟というよりも

スイスは裕福な国ですけど、人口は日本の1/15しかいません。庶民の小銭をかき集めたって商売にならない。

スイスは億万長者が多いけど、人口はわずか800万人
日本は億万長者は少ないけど、人口は1億2,000万人

一部の人が豊かな国と、多数の人がボチボチ金を持つ国の違いは、GDPと一人当りGDPで観測できます。

スイスのGDPは22位。日本のGDPは3位
スイスの一人当りGDPは2位。日本の一人当りGDPは23位

日本の銀行は、ボチボチ豊かな一般市民から少しずつ集めればいいけど、スイスは少数の億万長者からドカンと集めねばなりません。となるとスイスに〝普通銀行〟は無理だよね。

結果、クレディスイスは

億万長者のマネーを管理・運用する〝プライベートバンク〟
集めたマネーを株や債権に投資して荒稼ぎする〝投資銀行〟

この二つがメインになりました。

日本ではどちらも〝証券会社〟の領分だな。

このジャンルで有名なのは、ゴールドマンサックスやモルガンスタンレー、そしてあの、リーマンブラザーズ。富裕層の金を預かって行う投資がメインになるから、日本の銀行より自由度が高い。ゆえに儲かるときはメチャクチャ儲かります。

だから〝銀行〟と呼ぶより〝金融グループ〟と呼んだ方が実態に近いね。


破綻するとヤバい、世界を牛耳る30の金融グループとは

世界中の富裕層から金を集めるべく、クレディスイスのバンカー達は運用の腕を競い、高い利回りを実現してきました

当然、ちょっとヤバい取引にも手を出します。

それを盛大にやらかしたのが、かのリーマンブラザーズ。

リーマンショックを受けて世界は、「破綻しにくい金融グループか」を重視するようになりました。

FSB・金融安定理事会が「グローバルなシステム上、重要な銀行」を指定しています。その数、30行。いわば神30。


資本保全バッファー2.5%

JPモルガンチェース・アメリカ

2022 List of Global Systemically Important Banks (G-SIBs)

資本保全バッファー2.0%

バンクオブアメリカ・アメリカ
シティグループ・アメリカ
HSBC・イギリス(香港)

2022 List of Global Systemically Important Banks (G-SIBs)

資本保全バッファー1.5%

中国銀行・中国
バークレイズ・イギリス
BNPパリバ・フランス
ドイツ銀行・ドイツ
ゴールドマンサックス・アメリカ
中国工商銀行(ICBC)・中国
三菱UFJフィナンシャルグループ・日本

2022 List of Global Systemically Important Banks (G-SIBs)

資本保全バッファー1.0%

中国農業銀行・中国
バンクオブニューヨークメロン・アメリカ
中国建設銀行・中国
クレディスイス・スイス
BPCEグループ・フランス
クレディアグリコル・フランス
ING・オランダ
みずほフィナンシャルグループ・日本
モルガンスタンレー・アメリカ
カナダロイヤル銀行・カナダ
サンタンデール・スペイン
ソシエテジェネラル・フランス
スタンダードチャータード・イギリス
ステートストリート・アメリカ
三井住友フィナンシャルグループ・日本
トロントドミニオン・カナダ
UBS・スイス
ウニクレディトグループ・イタリア
ウェルズファーゴ・アメリカ

2022 List of Global Systemically Important Banks (G-SIBs)

この30行は「巨大金融機関」といっていいでしょう。クレディスイスも、もちろん含まれています。

こいつらは破綻すると世界的にヤベーので、一般の銀行より多くのマネーを準備しておかねばなりません。それが資本保全バッファー

この準備金を積み増すパーセンテージが大きいほど「破綻時にデカいインパクトを与えてしまう銀行」といえます。破綻したとき、最も影響が大きいのはJPモルガンチェースってことかな。

左の巨大ビルがJPモルガンチェース本社ビル(60階建て)

単純な預金残高や経営規模、株式の時価総額ではなく、破綻時に的を絞った影響ぐあいでランキングするあたり、リーマンショックが世界に与えたダメージは巨大だったと分かりますね。


クレディスイスはヤバイの?

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