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東北・北海道新幹線が時速300km運転だと社会も鉄道も良くなる

【前書き】

私は気づいたら、これから造られるべき新幹線路線も含めた新幹線の理想論ばかりを書いてしまいました。やはり鉄道が好きなようで、今後鉄道全般が盛り返してほしいと願っています。その方法として、国家的な新規の新幹線整備を引き出すことによって鉄道全体の底上げを図り、そして長距離・広範囲に対応する交通機関同士(主にJR等の在来線・新幹線・国内航空)を紐付け、全国広範囲の行き来交流を促していくのが有効だと考えたからです。全国的な地方格差是正や全国万遍無い経済成長、それによる国民の生活向上のためにも。

この記事では、今現在営業していたり実際に建設されていたりする東北・北海道新幹線に関する個人的考えを申し上げて参ります。

【この記事で言いたいこと】

東北新幹線と北海道新幹線の最高速度は時速320kmや時速360kmではなくむしろ時速300キロメートルにするのが良いのでは
※最高速度自体は現行より若干低下することになりますが、時速300kmで運行できる区間を出来るだけ多く取り、そのことで路線区間全体の所要時間は増えないようにする前提で考えています。最高速度時速260kmで走行されている区間も時速300kmまでは引き上げる。


そのように考えた理由

1・列車走行における費用や線路設備の維持管理費用の低減や、車両や線路設備の維持管理のし易さを確保する(速度が上がれば上がるほど費用が上がり維持管理も大変になる)

2・将来的に鉄道貨物を新幹線に移行し、物流の大幅な改善を図る狙い。新幹線貨物列車と旅客新幹線列車の共存ができるようにする。
※新幹線による貨物輸送を行なう意義としては、
自動車運転手不足対応もありますし、
所要時間の大幅短縮による物流の時間的生産性を飛躍的に高める狙い
などがあります。なお、
自動車による物流は主に(鉄道に比べて)短距離・細部
鉄道による物流は主に(自動車に比べて)長距離・拠点間
を担い、両者で上手く接続・連携出来るのが良いと考えます。

3・東京地区ー札幌地区間での航空との競合関係があるから速度向上への求めが大きい路線だと思われます。だが、これからの交通機関の関係性としては、「乗客を奪い合う」のではなく、交通機関同士の接続・連携を深め、お互いに乗客を創り出せていくような関係性が重要です。
なぜなら、特に地方では地域格差が進んでしまい、都市部よりも経営環境が厳しいです。乗客を奪い合うような関係性で考えるままではどの交通機関も共倒れします。どの交通機関も向き不向きがあり万能ではないので、交通機関同士の接続・連携を深め交通機関全体で利便性を高めていくことがこの先の生き残り策で重要になるからです。交通網という社会基盤の利便性向上は地域格差是正による地方の生き残りにも重要になってきます。

東京都心ー札幌市中心部までの新幹線沿線には、
東京駅・上野駅
大宮
仙台
新函館北斗
長万部
新小樽
札幌
といった主要都市が多くあります(一部割愛した主要停車駅もありますがご容赦ください)
東京駅ー札幌駅(羽田空港ー新千歳空港)
という「始発から終点」間での「シェア争い」「乗客の奪い合い」という構図だけで見てしまうのではなく

新幹線は
大宮ー新函館北斗・新小樽

など、空港から離れた地域にある駅間の需要や

仙台ー札幌間
など、距離的・所要時間的に新幹線が航空に対して優位性を持つ距離区間もあります。

何が言いたいかというと、
「東京ー札幌」という括りだけで新幹線と航空は競合関係で乗客を奪い合う関係だ、といった画一的な見方だけに陥らず、
・新幹線が得意な区間は新幹線が担う
・航空が得意な区間は航空が担う
という「棲み分け」の関係性も見い出してほしいのです。

「得意な距離で棲み分ける」、という考えがあれば、新幹線側は無理に航空機に対抗して最高速度を引き上げることにこだわらずに済み、新幹線貨物との共存も図れるようになります。航空と新幹線の関係性については無闇な競合や需要の奪い合いではなく、「棲み分けと連携」を進めるのが双方にとって有益だと考えていることも、東北・北海道新幹線の最高速度は時速300kmまでが良いと考えた理由です。

【この記事の要約】

東北・北海道新幹線の最高速度は時速320kmでも時速360kmでもなく、時速300kmが良いと考える

理由:
・線路・車両維持管理費用低減及び維持管理の難度を抑制するため

・将来的には新幹線で旅客・貨物両方を取り扱う必要があり、貨物輸送も見据えると無闇な高速化は望ましくないため。つまり、新幹線貨物列車も運行できうる速度に調整

・航空との関係性については、
東京都心(羽田空港や東京駅)ー札幌駅(新千歳空港)間の移動だけで考えるのではなく、
例えば新幹線は大宮ー新小樽・仙台ー札幌 など、空港から離れた地域間の移動や新幹線が距離的に優位な区間「も」担うようにする。
このように新幹線と航空は「得意な距離範囲」で棲み分けたり連携したりする関係性を築いていくのがこれからの交通機関全体を有効に活用し生き残っていくために必要な考え方
という風に考えているため

【あとがき】

この記事を書いた狙いとして、既存の新幹線の話になると最高速度向上一辺倒な価値観が蔓延っているのを感じて居て、その論調に少なからず疑問を抱いているからです。これはJR等の関係者からと言うよりは

ネットでの言論や各種報道からそう感じています。

でも、これからは航空と新幹線が敵対競合して乗客を奪い合うという関係性だけで捉えられてしまうのではなく、棲み分けしたり連携たりする関係性を創っていく、という観点や見識が広まってほしいのです。
そうすれば、より有益な交通機関の活用法が見出され、鉄道のみならず他の交通機関もより有益に利活用されていくし、交通機関同士の利便性が高まった交通体系を用いて全国広範囲の行き来をし易くしていくと地域地方格差是正や経済全体の成長を図ることにもつながります。地方格差是正や経済全体の成長は正規雇用拡大や企業業績向上によって税収も増え、その財源で少子化対策をはじめとした医療・福祉・教育・社会保障・防衛などを賄う、という流れにもつながっていきます。

理想論ばかりを申し上げているように思われそうですが、
交通機関同士の棲み分け・連携を深めるべきだ、という考え方には社会全体の課題解決にもつながりうる、という考えも込めています。

このほか、
これから造られるべき新幹線路線では、最高速度は時速200~250km前後で走行できる規格で造るのが良いと思っています。(線路幅や車両の大きさは「フル規格」を想定します)
なぜなら、

●繰り返し申し上げているように新幹線と航空は得意な移動距離で棲み分け・連携していくのが良い。そのため、特にこれから造られるべき新幹線路線では尚更無理に航空への対抗を意識した超高速(時速300kmよりも速い速度)を求める必要はないこと
●時速200km~250km前後の速度であっても在来線(時速100km前後)から見れば飛躍的な時間短縮につながるので、無理に時速300kmを超えるような超高速にこだわる必要は低いから
⚫上記で述べたことと関連するが、
これから造られるべき新幹線路線は地方都市間を結ぶ区間が主体になる。そのような新幹線路線・区間は地方都市間の所要時間短縮によって地方同士間の交流促進を図ることによる地方格差是正(いわゆる地方創生)が主目的になる。
前述の通り、新幹線の速度が時速200~250km前後であっても在来線(時速100km前後)から見れば飛躍的な時間短縮につながるから
●最高速度を今営業している新幹線路線よりも若干控えめな速度にする運行を前提とすれば、その分線路規格を緩和出来て路線建設整備の難易度が下がると考えられるから
例えば曲線(カーブ)は今造られている新幹線では原則として半径4000m以上の緩い曲線にしないといけないとのことですが、それを例えば東海道新幹線並みの半径2500m前後にできるかもしれない。そういう風な建設関連の規格を緩められると土木的・地質的に建設しやすい箇所を選びやすくなり、結果的に建設しやすくなる。
●開業後も最高速度が控えめな分、列車走行で消費される電力費用も抑えられたり、線路や車両などの補修にかかる費用や難易度が下がったりすると考えられるから

このような理由からです。

新幹線に関し、最高速度追求一辺倒な価値観や雰囲気が改まり、「路線や区間に応じた適切な速度で運行する」という考えが広まれば、全国的に新たに造られるべき新幹線路線も整備しやすくなり、全国的にその交通基盤を活用した社会の維持発展に大いに貢献するでしょう。

なお、私は
新規に造られる新幹線路線を念頭に置いた、新幹線と空港・航空の接続に関する考え方をまとめた記事も投稿しています↓


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