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私なりに考える「今までにない新しい交通体系」


はじめに

某政党の委員がその政党のサイト上において、自身の政策の一つとして「交通政策」を掲げています(2023年9月時点)。
それによると

“移動する権利”は誰もが有する権利で、とくに子どもたち、お年寄りにとって重要な課題です。今までにない“新しい交通体系”を創ります!

という風におっしゃっています。

私にとってもこの「交通政策」で掲げる理想には興味がありますので、
私なりに考える「今までにない”新しい交通体系”」とはどんなものか、ということを描いていこうと思います。
※内容的にはこのnoteアカウントで申し上げてきたことと重複する可能性もありますがご了承ください。
※また、政党名などを出すと政治信条などに関する諸問題を懸念しています。そのためこの記事を投稿している時点においては、その政党名や政治家名は伏せさせてください。


(記事本文開始↓)

まずは交通権を分類するなら

理想の交通体系について申し上げる前に、私なりに考えている交通権の分類について申し上げます。お伝えしたいことを画像にまとめました。

上の画像内容を文章でも書き起こします(スマホ等小さい画面端末で読んで頂いている方向け)↓

移動する権利=交通権 を分類するなら
その地域内での交通権
・移動距離が比較的短い主に日常生活での交通・移動
 →通勤
 →通学
 →通院
 →買い物 など
全国的な交通権
・移動距離が比較的長い主に遠方への旅行や出張などでの交通・移動
※これに加え、比較的長距離になる通勤通学通院買い物等もこちらに含めることにする

次に、

公共交通存続問題で疑問に思うこと

について申し上げます。これもまた画像にまとめました。

こちらもまた上記画像内容を記事本文文章に書き起こします。

・公共交通機関(特に鉄道)の存続・存廃問題になると「その地域内の交通や移動」に狭められ考えられがち
→代替交通手段として比較的短距離向け交通手段である路線バス・乗り合いタクシーなどへの転換が議論されたり取り組まれたり
・特に鉄道路線の存廃問題では対象となる路線区間に狭めて乗車人数や収支などに狭められ議論・報道
鉄道網が持つ「全国的なネットワーク(路線網)」で捉え活用していくという広域的観点が乏しい

日本の交通問題に関して、あくまで私個人としては以上のような問題意識を感じています。存廃問題になるとその地域内に狭められて考えられ、全国広域的な交通や移動・交流を促進するという観点が抜け落ちがちだと。


私なりに考える「今までにない新しい交通体系」とは

先ほど申し上げた、ある政治家の政策文言には「”移動する権利”は誰もが有する権利」
とありました。そのため、ここからは移動する権利 = 交通権 という切り口から「今までにない新しい交通体系」について書いていきます。


これからの交通体系づくりを考えるにあたっては、短距離や日常生活での交通だけで捉える(あるいはそれに偏って捉える)だけでなく、長距離や全国的な行き来もできる交通権を保障する必要があるのではないかと思っています。
つまり、
短距離の交通手段確保をしつつ長距離・全国的な交通権も確保していくのです。

長距離にも対応する主な交通手段として

・JRのような全国的な鉄道網(在来線・新幹線ともに)
・国内航空
・高速バス
・長距離間を結ぶフェリー

などが考えられます。
このうち、鉄道には新幹線の路線を整備する大まかな計画だけ立てられたままである「基本計画路線」と呼ばれる計画が多く残っています。
新幹線の建設というのは「新たに線路を敷く」ということなので、その際に交通機関同士を紐付けられると良いのではと考えました。なぜなら、鉄道は「分かりやすい」という認識性が高く、その性質を利用し鉄道を中心核として様々な交通機関を紐付けるいわば「触媒」とか「潤滑油」として活用できる性質や可能性を持っているからです(少なくとも私はそう感じています)。

当初は、
新幹線駅と高速バス停やフェリーターミナルとの接続も考えました。ですが、フェリーは地理的に新幹線と接続出来る港湾が限られたりフェリーと新幹線の速度域が違いすぎたりしますし、高速バスは「表定速度」が概ね時速50~70km位で鉄道の在来線並みです。
そういう要素を考えると、フェリーや高速バスは鉄道の中でも在来線駅との接続を積極的に取り各交通機関が一体化するような整備があると良いと考えました。

新幹線が主に接続すべきは、同じ鉄道網である沿線の在来線、そして沿線にある地方空港(航空)ではないかと考えます。
なぜなら、
・在来線との接続は鉄道網内での相互補完を行ない鉄道網全体の活性化を図っていくのが望ましいため
・航空(地方空港)は速度が速く、長距離間での移動に適しており、新幹線という中長距離移動を担う交通機関との接続を通じてこれもまた航空と新幹線の間で相互補完できる関係性を築ける可能性があるため
です。

以上のことから、新規の新幹線整備を進める際には、主に在来線や沿線空港経由による国内航空との結節・接続・連携を通じて「公共交通機関全体の利便性を高めていく」という考え方や手法を広めていく。この考え方こそが「今までにない新しい交通体系」を創る上での基礎になっていくものと考えます。

(記事本文終了)


おわりに、今回の記事に関し参考にしてほしい記事の紹介

今回の考え方(今までにない新しい交通体系)を書くにあたっては以下のnote記事で申し上げた考え方を基にしています。


なお、
鉄道を中心核とした交通網の再整備は間接的に国家の安全保障にも関わってくると考えています。この観点に関しては以下の記事を参照していただきたいです↓


そしてこれもまた素人考えですが、今後の新幹線整備の財源の在り方として以下の記事に考えをまとめました。

「今までにない新しい交通体系」を築いて行くにあたり良い参考になればと思い、この記事を投稿した次第です。上記4つの記事も併せてご覧頂けると幸いです。

【 この記事の要約 】

・とある政党の政治家が交通政策に関し
「『移動する権利』は特に子どもや高齢者にとって重要な課題。今までにない“新しい交通体系”を創る」と仰っている。
そのため、私なりに考える「今までにない新しい交通体系」とはどのようなものか、ということについて書き出したい

・個人的には
移動する権利=交通権
というのは大きく分けると「その地域内での交通権」と「全国的な交通権」の二つがあると感じる(どちらも重要だと考える)

・公共交通機関(特に鉄道)の存廃問題になるとその地域内での移動や交通に限局された視点や論点に狭まりがちで、鉄道網が持つ「全国的なネットワーク(路線網)」で捉え活用していくという広域的観点が乏しい

・これからの交通体系や交通政策においては短距離の交通手段確保をしつつ長距離・全国的な交通権も確保していく必要がある

・特に長距離の交通体系づくりにおいては、新規の新幹線整備をする計画(基本計画路線の新幹線)が全国に残っているのでこれを活用する。その際、沿線の在来線と空港を紐付けるように整備し
「公共交通機関全体の利便性を高めていく」という考え方や手法を広めていく
この考え方こそが「今までにない新しい交通体系」を創る上での基礎になっていくものと考える

・おわりに、今回の記事を書くにあたり参考にした記事も(記事本文中で)紹介しているのでそちらの記事も併せてご覧頂きたい


※2023年12月8日金曜日、この記事を編集しました。
1・タイトル画像を変更しました(この記事の要点も画像内に記入しました)
2・今回の記事を作成するにあたって参考にさせて頂いた政党の方々及び他の政党の方々へ「お願い」を追記します。
もしこの記事を見つけてくださりご覧頂いたならば、交通政策議論に関しては、国会等における審議などにおいて、敵対的・攻撃的に議論するのではなく、提案型・協力型で話を進めてください。そして交通政策の質や見識を高め、交通機関全体の維持活性化を図るよう導いてください。この記事やこのnoteアカウントで申し上げていることが社会にとって有益・有効に使われてほしいです。

もしよろしければサポートおねがいします。このnoteでは提案型の意見投稿になるよう努めて参ります。