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新しくて古い「今」の酒

「岡山の酒」と言われてピンとくる銘柄。。。この「御前酒」とか「酒一筋」とか「燦然」とか?隣の県なんだけど、あんまり流通していない気がする。兵庫は酒処だから他県からの輸入?が少ないのかも。

岡山県といえば、酒米「雄町」の地元。岡山の赤磐地区で収穫される雄町、「赤磐雄町」などはブランド米だ。

岡山県 辻本店 GOZENSHU9 22BY

さて、こちらのモダンな瓶のモダンな酒は、「御前酒」でお馴染み辻本店さんが手がける、「菩提酛」の酒で、9の由来は裏ラベルの書かれている通り。9人の蔵人によるお酒ということらしい。同酒蔵には、他にもこの9を冠したシリーズがあるようだ。

9=NINE の由来

「雄町の未来は御前酒が醸す!」なんてキャッチフレーズを使っているように、酒米は雄町。菩提酛というのは、室町時代ぐらいまで遡る、古来の酒造りの方法で、生米とか麹とかを水に浸けて、乳酸菌を繁殖させた水から酛を仕込むような方法で、「水酛」とも呼ばれる。
菩提酛の発祥である菩提山正暦寺がある奈良県がルーツでもあり、奈良県の酒蔵でも、この古来の方法でお酒を造っている酒蔵もあるが、全国的にもチャレンジしている酒蔵はいくつかあるようだ。
詳しくは知らないけど、菩提酛には、奈良派(古来の手法)と、岡山派(改良手法)があると聞く。そしてこの御前酒の菩提酛は改良手法で、古来の手法をベースに、風味、安定性、安全性などの側面から改良された手法と聞く。
実際に飲んでみると、乳酸感はあるものの、極端に酸っぱいということもなく、菩提酛にありがちな独特のクセも無い、軽めの美味しいお酒。旨みも程々。ラベルの「NEW?OLD?NOW!」ってのもよくわかる。造りは古いが味は今風。さすがに、甘旨フレッシュフルーティーって訳ではないが、さらりとライト感覚のお酒。度数は15%。

これが「改良菩提酛」の味??菩提酛もいろいろ飲んでみないとわからないかな。。

著者 2023年4月 投稿記事より。


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