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デジタル人材、DX人材、IT人材。それぞれの違いを説明できますか?

あなたは「DX人材」「デジタル人材」「IT人材」について、その定義を明確に説明できますか?

日々の業務や、目にする記事で当たり前のように使われている言葉ですが、いざ定義を考えてみると、曖昧に認識している方も多いかもしれません。そこで今回は、改めて「DX人材」「デジタル人材」「IT人材」の定義について考えていきましょう。

まだ見ぬサービスをこの世に生み出し、真のビジネス変革を起こすために、求められる人材は何もITの技術者や専門家だけではありません。必要なスキルは非常に多岐にわたります。だからこそ「いかなるスキルを持つべきか」を人材像に合わせて整理する必要がある。そのために、これら人材の定義を捉えることが重要です。

早速「DX人材」「デジタル人材」「IT人材」の順に、それぞれ何のスキルが求められるか。私たちの考えを述べていきたいと思います。

はじめに「DX人材」。ここではDXの“X”(トランスフォーメーション)の部分、つまり組織変革をリードする人材と定義したいと思います。よって、この人材は必ずしもIT技術者である必要はありません。変革のリーダーシップを取れるか否かが重要なのです。

「デジタル人材」は、AIをはじめとするテクノロジーの活用や、データ分析などを通して、様々な課題を解決する人たちです。「デジタル人材」もIT技術者や専門家とは限りません。業務部門の方々も「デジタル人材」になり得ます。なぜなら、現代はコードを書かずに、自動化やデータ分析などが実現できるローコード/ノーコードツールが増えているからです。

そして「IT人材」。ここでは「従来型IT人材」「先進IT人材」に分けて考えたいと思います。

DX時代、「IT人材」に求められるスキルも大きく変わった


「従来型IT人材」
は、主にSoR(Systems of Record)の領域に含まれるような基幹システムの保守運用を行う人材を指すとします。言うなれば、これまで日本企業における「IT人材」として、重要な役割を担ってきた人たちのこと。

しかし、DXが「当たり前」となる今の時代を迎え、「IT人材」に求められる役割は変化しています。そこで、いまの企業や組織にはDXやSoE(Systems of Engagement)の領域に含まれるようなシステムに対応するためのスキルを有する、いわば「先進IT人材」が求められているのです。

「従来型IT人材」がDX時代に対応するためには、スキルシフトによる「先進IT人材」への変化が求められています。

ここで下の図を見てください。これは各人材に求められるスキルを図式化したものですが、図の左下に示したように、同じ「IT人材」でも、上記の考え方に基づく「従来型IT人材」と「先進IT人材」の間には、大きな壁が存在すると考えられます。

「従来型IT人材」は、情報処理システムの基本的なアーキテクチャの知識、ウォーターフォール型のプロジェクト管理の知識などを備える。「先進IT人材」は、複数の分野に精通し、アジャイル開発やDevOpsなどの新しい開発手法に対するスキルを備える。両者の間には高い壁が存在する

「従来型IT人材」に当たる人たちには、いわゆる“守り”のITを適切に実行するためのスキルが求められてきました。「先進IT人材」に当たる人たちに必要なのは“攻め”のITを実現するスキルです。具体的には、「アジャイル」や「DevOps」のような新しい開発手法を実践するスキル。こうしたスキルは「従来型IT人材」にはないものです。

かつて日本企業では、システム開発に使用するプログラミング言語を、それまで主流だったCOBOLやPL/Iなどの「手続き型言語」から、Javaなどの「オブジェクト指向言語」にシステムを移行するため、IT技術者にスキルチェンジを促した歴史がありました。いまは、それと同様のことが求められる時代だと言えます。

既存のIT技術者や、これからIT技術者を目指す方は「先進IT人材」に求められるスキルを、積極的に身につけるべきです。そうしなければ、今後も変化を続ける「IT人材」の中で、生き残ることがますます難しくなっていくでしょう。そして「先進IT人材」が増えなければ、サービスマネジメントが日本の全ての組織の中心になる日は来ない。

しかし現状では、「先進IT人材」をはじめ、先に挙げた「DX人材」や「デジタル人材」を育てる仕組みを確立している企業はほとんどありません。そこで、まずは各人材の役割をきちんと認識した上で、それぞれに必要なスキルを習得するための教育を適切に行っていく必要があると考えられます。

そして、それを実現する上で役に立つのが、デジタル時代に対応したITサービスマネジメント(ITSM)における最新のプラクティスをまとめた「ITI®4」を活用した研修プログラム。すなわち「ePlugOne(イープラグワン)」なのです。

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