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キーボードどうする問題

パソコンのキーボードというものに頓着しない人生だった。いまこの文章を書いているのはDellのSK-8115というモデルで、要するに9年前のDellパソコンについてきた、購入当時の標準USBキーボード。写真を貼ろうかと思ったけど、あまりにも使用感がリアルでみすぼらしいのでやめておきます。何の変哲もない、ふつうの日本語キーボードですね。

空気の吸いかた

でもなんかここのところ、経年劣化なのか、単に今更気づいてしまったのかわからないけれど、たまにCtrlやShiftを押したときに引っかかることがある。キーの端のほうを押したときに、こう、片側に傾いてうまく押し込めないんですね。このふたつはショートカットキーでめちゃくちゃ酷使するので(ほとんど常に小指を置いている感じ)、確かにまあ長く使ってて支障が出はじめてもおかしくはない。

キーボード…本当にメーカー標準みたいなやつしか使ってこなかった。いざ買い替えようかとなると、全然こだわりたいポイントがない。もちろん、少なくともいま9年間使っているDellのやつには慣れ親しんでおり、そこを基準とした打鍵感の好みみたいなのは少なからずあるはずなんだけど、まったく意識したことがなかったのでうまく言葉にできない。空気の吸いかたがわからない…呼吸ってどうやってたっけ…? みたいな感じ。

でもあれなんですよ。考えてみたら、自分にとってはパソコンのこっちとあっちを繋ぐ一番重要なインターフェースなわけで、ましてや趣味に仕事に四六時中触っているような人が、そこにこだわらない意味が逆にわからない。

道具をちゃんとしたい

写真家がカメラに、画家が画材や筆にこだわるのと同程度にはこだわりを持ってもいいんじゃないかと思って、今更ながら「いいキーボード」を調べてみた。特にプログラマなどのエンジニアが愛用しているキーボードみたいな記事はたくさんあって、左右が分離してるやつとか、自作のやつとか、エスクトリームなやつもたくさんあるんだな~みたいな。

(ッターン!)みたいなやつね

そもそもキーボードの種類はその機構によって「メンブレン方式」「パンタグラフ」「メカニカル」のようにいくつかに大別できるらしい。安い普通の外付けキーボードはだいたいメンブレン式で、今使ってるDellのやつも調べたら例に漏れずメンブレン。で、一番人気というか、この手の定番はどうもメカニカルのようで、その価格帯は概ね1万円~といったところ。

1万円のキーボード…! 別にこれでもモノによっては全然安いんだろうけど、タダで吸える空気のように思っていた自分には未知の領域だ。

とにかく、自分でも「いいキーボード」を触ってみたいと思って、先日、家電量販店のキーボード売り場に行ってみた。大半はエレコムとかバッファローとかロジクールの1,000~2,000円の商品ばかりで、まあそうだよねと思いつつ。でなんか、最近はeスポーツがらみでゲーミングキーボードも大きく取り扱われていて、そういう系の商品もいっぱいある。あの虹色に光る、アマゾンで毒持ってる虫みたいなやつ! そんな光る? みたいなやつ。

赤か、茶か、それとも青か

売り場の端のほうに、ちょっとだけメカニカルキーボードの展示があった。触ってみてへえ~と思ったのは、まず打鍵感の違いだ。ヘニャッとしたような感じじゃなくて、「スイッチを押している」という感じ。そしてこの打鍵感にはいわゆる業界標準みたいな目安があって、それがドイツのCherry社が提供するパーツであるメカニカルスイッチの軸部分のなのですね。

赤…クリック感がなくひっかからずにリニアな力で押し込める
青…カチッという明確なクリック感があり、ゲーマーに好まれる
茶…赤と青の中間くらいの感覚
黒…赤に似ているがそれよりも重い

みたいな感じ。例えるなら、シンセサイザーのキーボードってヤマハとコルグとローランドでフィーリングが全然違うんですけども、そんな感じ。Cherryのスイッチは多くのメカニカルキーボードに共通に採用されており、要は自分のかで好みの打鍵感さえ目星がつけば、あとはキー配列(日本語/英語)とか、デザイン(キー表面の印字の有無を含む)といった要素、それに予算で選んでいけばいいというわけ。OKだいたいわかった。

FILCOのMajestouch 2がいいっぽい

とはいえ、量販店とかAmazonで買えるようなのにはたいして選択肢はなくて、調べた範囲で間違いなさそうなのが、ダイヤテックというメーカーが出しているFILCOブランドのMajestouch 2という製品。

なるほどこれは質実剛健、シンプルで力強く、真の男の武器という感じがする。価格は概ね12,000円前後。店頭で触った感じでは、茶軸がいちばんしっくりきた、というか今まで慣れ親しんだ打鍵感にもっとも近かった。青軸のカチャカチャ感にも憧れるし、赤軸のふわふわ感も気になるけれど…。

コーディングにも帳簿つけたりするのにも使うので、個人的にはテンキーは必須。配列はいままでと同じ日本語がいい。キートップは特にこだわらないので英字かな併記でもいいんだけど、上面に何もプリントしてないMajestouch NINJAっていう製品もある…。チョーかっこいいけど、なんだかんだ、記号の入力でまごまごしてしまいそうだ。

写真はいずれもダイヤテック社のサイトより引用

LogicoolのK840はどうか

一方で、ロジクールのK840というメカニカルキーボードがあることを知る。ロジクールこんな製品も出してるんだ。しかもキーはCherryじゃない独自開発の機構で、これはこれで好評っぽい。なによりデザインも悪くない。

というかあれからいくつかヨドバシ、ビック、ソフマップとか回ったんだけど、Majestouchが全然店頭にないんですよ。この手のちょっといいキーボードってやはり大して売れないのか、はたまた展示しても場所をとるからか、いざ買おうかとなると売ってない…。本当はもっといろいろ触って比べたいんだけどなあ。

そんな感じで、いくつか候補を挙げつつもまだ決めきれずにいます。ああでもないこうでもないって、迷っているときが一番楽しいんですよね。

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