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ピアノ連弾作品を作曲しよう!⑤転調1

●作曲を続けています。

ピアノ連弾組曲の作曲を続けている生徒さん。
生徒「うーん?」

うーん?

おやおや、また少しお悩みのようですね。
「せんせー。」
「はーい。」

先生

「先生、これ見てください!」
曲のスケッチですね。どれどれ。

曲のスケッチ。

音源はこちら↓
(スマホの方はListen in browserをタップしてお聴きください。)

素敵なメロディーですが、どうしましたか?
生徒「なんだか、ずっとG dur (ト長調)が続いているんです。」

●転調をしてみたい

「そろそろ違う調に転調したいと思うのですが…」
いいですね!
ガラッと音楽の雰囲気や場面を変化させるのに、転調は良い作戦ですね!
「でも転調って、どの調に行ったらいいのかわからないです…!」
なるほど、確かにどんな調に行けるのか、どの調を選択できるのか、わからないですよね。
先生「どんな調にでも転調できますよ!」

●転調は自由自在

「え!どんな調でも!?」
はい。そうなんです。
でも、選択肢が多いと、かえってどうしていいのか…

どうやって選べばいいのでしょう?

まずは調の関係をおさらいしましょう。調性の親戚関係、「近親調」を考えてみましょう。

●近親調と遠隔調

主調を中心として「平行調」、「属調」、「下属調」、「同主調」を近親調と言います。

近親調の図

近親調の種類はそれぞれ、次のようになっています。
平行調」…調号が同じ調。
属調」…主調の5番目の音から始まる調。
下属調」…主調の4番目の音から始まる調。
同主調」…主音が同じ調。

わかりやすく、ハ長調を中心に考えましょう。

ハ長調を中心に考えた近親調

もう少し広げてみますと…

少し広げてみました。

どこまでの範囲を「近親」調とするのかは、人によって違ったりするのですが、一般的に、主調に関係の近い「近親調」には転調しやすいのです。
…つまり耳に違和感のない感じで転調できるんですね。

●明暗を選ぶ

長調を基準とすると、「平行調」、「同主調」は短調に、「属調」、「下属調」は長調だという明暗の性格がポイントです。
(主調が短調ですと、その逆になりますよね!)

それでは先ほどのスケッチですが…
「明るいト長調から、場面を暗い感じにしたいと思います!」

平行調「ホ短調」に転調してみました!

音源はこちら↓
(スマホの方はListen in browserをタップしてお聴きください。)

点線で囲った場所は、ホ短調のドミナントに変化させてみました。
いかがでしょうか。
平行調に転調して陰影をつけることで、音楽の色彩、雰囲気がグッと豊かになったのではないでしょうか!

転調って面白いですね!

次回は転調の方法をさらに掘り下げていこうと思います!
乞うご期待!

●お知らせ!

記事で取り上げています、連弾作品(組曲)の全曲版が初演されるコンサートが決定しました!

《ゆうがたくらしっくおんがくvol.4》
2/18(日)
15:00開場 / 15:30開演
鎌取コミュニティセンター
3階 多目的ホール
JR外房線鎌取駅下車徒歩5分 ・
定員 200名
入場無料

●最後に…

私たちeqhor music labo Tokyoでは、今後も、珍しい切り口から音楽理論に関する記事、作品の配信と通して、音楽の魅力を発信していきます。
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○生徒:平田真里奈
《プロフィール》上野学園高等学校音楽科演奏家コースを経て上野学園大学演奏家コースに特待生として入学。現在4年次に在籍。合唱、器楽、声楽の伴奏及びソロのほか2022年「Pianoduoまなつ」を結成し演奏活動を行なっている。
第11回東京ピアノコンクール高校部門 審査員特別賞、第82回東京国際芸術協会新人演奏会オーディション、コンセール・ヴィヴァン新人オーディション(室内楽部門)合格、第25回万里の長城杯国際音楽コンクール優秀伴奏者受賞。
ソルフェージュと作曲を武澤陽介、室内楽を荒井伸一、声楽伴奏法を吉田伸昭、ピアノを佐古田彩子、安田正昭、星子知美の各氏に師事。

○Pianoduoまなつ
石川千夏 & 平田真里奈 (Piano)
出会いは幼稚園時代。音楽を通して繋がり、2022年第6回きらり鎌ヶ谷アーティスト発掘プロジェクトへの参加を機に「Pianoduoまなつ」を結成。



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