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「愛してる」を知りたい全ての人に

こちらの SelfScience Lab では、出来るだけ誰でも分かるように、日本の方々に伝わるように、EQやSELはもちろん感情のことや感情の学び方について広くお伝えしていきたいと考えています。

そこで、今回は日本が世界に誇る近代文化の一つ、アニメーションの作品をご紹介します。

みなさんは 京都アニメーション(京アニ)が制作した
ヴァイオレット・エヴァーガーデン
というアニメーション作品をご存知でしょうか?(以下はネタバレ注意です)

ある戦争の時代、孤児となった少女は言葉を知らず感情をもたず殺戮兵器として育てられた。
そんな少女がある将校との出会いによって言葉を覚えたが、自分の感情を表す言葉を知らないまま戦争終結間際に将校と生き別れる。

一人残された少女は、遺言を託された別の元将校に引き取られ、郵便の会社で働くこととなる。

少女は生き別れた将校が最後に残した「愛してる」の意味を知りたくて「ドール」と呼ばれるタイプライターを使って手紙の代筆をする仕事を志願する。

ドール養成学校の経験などを経て少女は、次第に言葉の意味とともに感情を学び、代筆の依頼人から「伝えたい本当の心」をすくい上げ、依頼人の感情を言葉にしていくようになる。
そして少女自身も手紙の代筆を通じて大切な感情を知り自分の感情と向き合い豊かな感情を持つようになっていく。

やがて少女自身が知りたいと願っていた「愛」や「愛してる」を少しづつ解るようになって行く・・・

TVシリーズでは、ファンの中で神回と称される第10話は涙なくてして観ることが難しいほどに少女の「人の心」に対する深い理解や、感情知能とは何か、「手紙」や「言葉」がひとにとってどれほど大切なものかを教えてくれます。
NetflixやDVDで観ることができるので、ぜひ一度この作品に触れてみてほしいと思います。

少しだけ専門的なことに触れておくと最新の脳科学の研究によれば、人は感情を後天的に学習していきます。その時に鍵となるのは言葉です。感情を表す言葉(ボキャブラリー)を覚えることで、その感情が認識され概念化されます。
この作品で描かれている少女の変化は、まさに「構成主義的情動理論」という脳科学者リサ・フェルドマン・バレットの理論に当てはまります。
EQ理論でもEQ(Emotional IQ)は後天的に開発が可能であるとすることにも当てはまります。

今後も「アニメーション作品から感情を学ぶ」シリーズについてもお伝えして行きたいと思います。


THdesign 代表
シックスセカンズジャパン データ分析センター フェロー
三森朋宏

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