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#6 そこかしこに太陽

2月はいろんな芸人さんのネタを沢山見た気がするし劇場にも行けたけど、
移動時間はほぼずっとランジャタイの漫才を見ていた。
聞き流しながらスーパーで買い物したりもしていた。

ちょっとしたパン生地がおいしく発酵できるくらいには、
角刈り赤スニーカーとガッチャマンジャージのことを考えてる時間が毎日、欠かさずあった。


どういうことか。
来る日も来る日も、辟易としていたのだ。


楽しい瞬間もたくさんあったし、色々と貴重な経験をさせていただいた。
はずなのに、ステージに立つ瞬間の血が沸き立つような感覚も
お客さんやダンサー仲間に言われて嬉しかった言葉も
レッスンやワークショップで掴みかけた達成感も
“覚えていたい”と願うほど、水が流れ落ちるように記憶から遠のいていく。

どろり。
よくわからない焦燥感と、心身によどむ疲労だけがいつまでも沈澱している。
片づけなくてはいけないタスクが、
考えて考えて考えて行動しなくてはいけないことが、
膨大にあるように思える。
優先順位をつけるのが苦手で、
つい いっぺんに全部を進めようとする。
心配症でせっかちなくせに、要領が悪い。
ネガティブ思考に陥ってばかりの現実から、目を背けたい。
あさっての方角なんかじゃなく、いっそのこと大気圏外へ。
奇天烈なお笑いでかっ飛ばしてほしい。

地上から今、私たちが見ている太陽の光が実は8分前のものであるように、
ランジャタイのネタを見ている私達の脳髄に「飽き」が到達するのは、
初めて見てからずっとずっと先だ。(※個人の見解です)
これが非常に助かる。
同じネタに何度でも新鮮に笑えるのだ。
当のボケ国ちゃんは、占い師の先生や相方の伊藤ちゃんに
なんと文字通り「太陽のような人」と言われている。

地球から1億4960万km離れたところからほとばしる飽くなきクレイジー。
8分遅れて、笑い転げるファン(たち)。

照らされて、生かされていた。

ランジャタイ公式Youtubeの漫才のプレイリストはほぼ全て見終わっていて、
なんなら一時保存してオフラインでいつでも再生できるようにしている。

 カツ丼に刺さった弓矢
 漫画「ダンクを決めろ!かっぺいくん!」
 葡萄をかきわけて向かう解散ライブ
 カッパとふれあいタイム
 地球と太陽の間に浮かぶメロン
 レジ打ちをする飼い犬のラッキー
 バーバルを丸めて作ったサングラス
 谷村新司のちょびヒゲ
 サンバイザー重子ちゃん
 脳のコックピットから動かす将棋ロボ
 マグロ寿司の間から顔を出す彼女
 塗ったところが織田裕二になるクリーム
 培養液に漂う北野武
 月面に埋まっていた嵐のメンバー

 創作落語「パカラ」!
 2月17日発売 国崎☆和也
 エッセイ集「へんなの」!!
…………
あ~……

最高だ…
…………(気絶)

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SHARONADARというベリーダンスのユニットに所属している。
自主企画でショーを作る際、タイトルを決めるのが
私が担わせてもらっている多くない役割の1つだ。
ピンときた言葉の語感で決めてしまうこともあるが、
最近は季節から連想するワードや
出演メンバーが持ち寄った想いをショータイトルに採用することが多い。

2月にも都内でレストランショーをさせていただいた。
ゲストダンサーに、同世代のRikamoonちゃん、Marieちゃん、Sakikoちゃんに出演してもらった。


“Sol Lucet(太陽の輝き)”


「一年のうち最も気温が下がるという2月、寒さをかっとばすアツいショーをやりたい」
ラテン語のおしゃれな響きに、暑苦しい由来をこじつけた。

実力派のゲスト3人は圧倒的な存在感で輝いていた。
仲間のRihoさん、Momoも。それぞれの良さが色濃く出ていた。
楽屋で慌ただしく準備をする合間で、
同世代の頼もしいダンサー達のパフォーマンスに目を細める。

あー、やっぱりいいなあ。

一年のうち最も気温が下がるという2月。
かじかんだ心身に、太陽を求めていた。

そこかしこの太陽に、照らされて生かされていたと気付く。

2月28日。
明日からもまた 走れるだろうか。


もしよければサポートいただけると大変有り難いです。 今後の創作にきっと生かします🏁