アンガーコントロール

突発的な怒りというのは制御できない。
だが、ジワジワと高まる怒りというのはそこにコミカルなエッセンスを加えてやると制御出来る。

あなたは車を運転している。
長く続く一本道で、気分よく運転をしていた。
そこへ背後から車が近づいてきた。
段々と車間がつまり、どうやら煽り運転をしているようだ。
遅いスピードで走っている訳でもないのに、ギリギリまで車間をつめ、ハイビームを点滅させクラクションまで鳴らしてくる。

イライラしてこないだろうか。

ではここにひとつのエピソードを足してみる。

彼は車が好きだ。
自慢の高級車は休みの度に洗車をする。
一週間分の汚れを洗い上げ、吹き上げる度に愛着が増してくる。
その日も彼は気持ちよく車を走らせていた。
そこへ突然襲い来る津波のような便意。
なにかにあたったのかもしれない。
堪えきれない激しい波が彼を苛む。
間の悪いことにここは一本道。
コンビニまであと数キロはある。
脂汗を滲ませ必死にハンドルにしがみつく。
激しい痛みが緩い方である事を暗示している。
ここで漏らすわけにはいかない。
自慢の愛車がとんでもない事になってしまう。
スピードを上げるしかない彼の前に、一台の車が見え...

どうだろう、鬼のような形相でハンドルを握る姿を想像すると、道を譲ってやろうという気にならないだろうか。

私は煽ってくる車やマナーの悪い車がいたら、彼や彼女は便意と戦っているのだと決めつけている。
道を譲った後に心の中で、頑張れ!あと少しだ!と励ますほどである。

相手からすれば失礼な話かもしれないが、私の心の平穏の為に、彼や彼女にはこれからも便意に苛まれてもらおうと思う。

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