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ウガンダ旅のメモ

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2022年7月に10日間だけ訪れたウガンダ(主に首都カンパラ)で出会ったもの、こと、ひとについて、つれづれに書いていきます。
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記事一覧

【ウガンダ旅・12】治安はいいほう。「初めてのアフリカ」にお勧めしたい

ウガンダの治安ってどう? 一口にアフリカといっても、国によって、エリアによって、治安はさまざま。ウガンダはアフリカの中では比較的いいほうだと言われています。 でも「アフリカの中では」と言われても、そもそもアフリカの平均がわからないですよね。わたしも3カ国しか行ったことがないのでわかった風なことは言えませんが、たぶん、もっとも危険な地域の一つはコンゴ民主共和国(旧ザイール)の東部。 レアメタルや金などの鉱物資源が豊富な地域に武装勢力が集まり、現在進行形で多くの住民が犠牲に

【ウガンダ旅・11】極端なこまやかさとカジュアルさが同居する「象牙の城」ホテル

ウガンダ滞在記、「衣食住」の「衣」と「食」についてあれこれ書いてきました。まだいくらでも書けるけど、せっかくだから「住」、滞在先についてここらで1話。 チャットボットより早い、ホテルの問い合わせ対応 さて、首都カンパラでどこに滞在するか。わたしは、取材相手である仲本千津さんのすまいからほど近い中級ホテル、Ivory Castle Boutique Hotelを予約しました。 ホームページの写真はまさに「象牙の城」を自称するにふさわしい、白亜のホテル。プールもあるし、サウ

【ウガンダ旅・10】ウガンダはおいしい――スナックの話

しばらく間が空いたウガンダ旅日記。まだまだいくらでも書きたいことがあります。前回(【ウガンダ旅・9】ほんのり甘酸っぱい料理用バナナと、白いサツマイモに魅せられて)は、食事の話だったので、今回はスナックの話を。 愛しのスイカジュース ウガンダは赤道直下の国。その首都であるカンパラは熱帯中の熱帯なはずですが、東京の夏よりずっと暑さが穏やかです。それもそのはず、標高が1200mもあるんです。わたしが滞在した7月は乾期だったので湿度も低く、最高気温は30度ほど。寒がりのわたしには

【ウガンダ旅・9】ほんのり甘酸っぱい料理用バナナと、白いサツマイモに魅せられて

お正月休みは終わりましたが「仲本ウガンダ本戦記」に戻る前に、正月休みで一時再開した「ウガンダ旅日記」をもう一本だけ更新します。前回(↓)がとても好評で、たくさんの「スキ」をいただいてうれしかったので。 稀少なテキスタイルの制作現場を訪問したので、次はその話を書こうかと思ったのですが、ここはアパレルや文化人類学の専門マガジンではないし、むしろ間口を広げて書いていこうと考えなおしました。でもいつか、世界遺産となっている激レアのテキスタイルについても書きますので、お楽しみに。

【ウガンダ旅・8】原色あふれる布地屋街へ、アフリカンプリントの買い付けに

お正月休みの間は「仲本ウガンダ本戦記」の更新をお休みして、ウガンダ旅日記に戻ってきました。ウガンダ旅日記、まだいくらでも書くことがあるんです。 仲本さんが事業を思いついた出発点へ! 今日は「アフリカンプリント」と呼ばれる布地を買いに行くお話です。 前回の旅日記で書いた通り、わたしは個人的にコンゴで買った布をウガンダに持っていったので、ウガンダの布地屋さんに行くのは自分の買い物目的ではなく専ら物見遊山。……じゃなくて仲本千津さんのお仕事の取材です。 仲本さんにはあるこだ

【ウガンダ旅・7】コンゴで買ったアフリカンプリントで服を仕立てる話

ウガンダには、8年前のコンゴ旅でやり残した宿題を持ってきていました。 コンゴ民主共和国(以下「コンゴ」としますね)に行ったのは、類人猿のボノボをこの目で見るためでした(→【ウガンダ旅・0-3】)。 ボノボとの邂逅についてはいずれnoteで書けたらと思っていますが、今日の本題は「コンゴからの宿題――アフリカンプリントで服を仕立ててもらう」です。 コンゴから持ち帰った宿題 コンゴの首都キンシャサには、道端にたくさんの仕立て屋さんがお店を構えていました。布地屋さんで買ってき

【ウガンダ旅・6】PCR検査のスピード感ときめ細かさに感激

日本帰国時の「全員PCR検査」が解除になるというニュースが話題になりましたね。わたしがウガンダに行ったのは先月。もちろん受けてきました。 同じ時期、すなわち2022年の夏に海外に行く人は帰国時PCR検査のアレンジに四苦八苦している、という話をよく聞きました。 なんたって、 出国前72時間以内の検査でなくてはいけない 検査方法や検体採取方法の詳細が明記された、日本政府が定める書式にのっとった証明書でなくてはいけない という2つの壁を乗り越えないと日本の検疫が通過できな

【ウガンダ旅・5】ウガンダの赤道で福山雅治さんと同じ体験をしてきた話

ウガンダのマバンバ湿地へハシビロコウを見に行き(→【ウガンダ旅・3】)、大満足したあとは、一路、赤道へと向かいました。 そう、ウガンダは赤道直下の国。それまで赤道はわたしの中で「概念」でしかありませんでした。今日、初めて「現実の」赤道の上に身を置くのです。 野生動物ツアー以外の観光サイトがあまり多くないウガンダにあって、赤道直下のカヤブウェという町は、珍しく、がっつり観光地になっていました。 赤道に来た人がやることは、みんな同じです。すなわち、両足で赤道をまたぐ! 赤

【ウガンダ旅・4】パピルスの茎にとまるカワセミ

マバンバ湿地の主役はなんといっても野生ハシビロコウですが(ハシビロコウとの邂逅については →【ウガンダ旅・3】へ)、脇役たちも、なかなかどうして「脇役」なんて表現は似つかわしくない存在感だったのでした。 その者、青く輝く王冠をいただいて まずはカワセミ。 カワセミなんて日本の都会の川にもいるじゃないか、とお思いでしょう。わたしもそう思ってました。まあ、見てください。 アカショウビンを思わせる鮮やかオレンジのくちばし、すっきりシンプルなブラウンの頬。日本のカワセミと、見

【ウガンダ旅・3】野生のハシビロコウを見に行った話

首都からわずか2時間で ウガンダに発つ前、「せっかく行くなら、マウンテンゴリラを見に行きたい!」と思い立ったものの同行者を確保できずにあえなく断念、という腰砕けプロローグがありました(詳しくは【ウガンダ旅・0-1】に)。 でもその代わりに見つけたのが「野生のハシビロコウを見に行く」ツアー。なんと、首都カンパラから車で2時間弱で行けるところにハシビロコウが暮らす湿地があるというではありませんか。 まるで石像のように何時間も湿原に立ち尽くし、徹底的に自身の気配を消して水中の

【ウガンダ旅・2】バイクタクシーとおんぼろハイエースがひしめくカンパラ

ぎゅうぎゅうだけど、不思議と殺気なし ウガンダの空の玄関エンテベ空港から首都カンパラまでは立派な高速道路が整備されているんですが、カンパラ市内に入ると、ほかのアフリカの国々と同様、バイクタクシーや車がひしめきあうカオスな風景が広がります。 ただ、そういう風景につきもののクラクションの音はほとんど聴こえてきません。一見、ほかの国と同じく無秩序なんだけど、もしかしたら意外とみんなお互いを慮りながら走っているのかもしれない。 実際、歩いて道路を渡ろうとして、でも次から次へ車が

【ウガンダ旅・1】わたしの知ってるアフリカと違う!

空港の外に出たら、決然と。 東南アジアやアフリカを旅したことがある人はたいてい、初めての国の空港で到着出口を出る瞬間、「さあ、来るぞ!」と身構えるんじゃないだろうか。 何が来るって、タクシーの客引きである。 自信なさげにタクシー乗り場やら駅やらを探す素振りなんてしたら、有象無象の客引きにまとわりつかれ、振り切るだけでも大仕事になってしまう。 だからゲートを出るときは、何がどこにあるかあらかじめ見当をつけたうえで決然とした足取りですたすたと歩き出さなくてはいけない。

【ウガンダ旅・0-3】わたしが「ウガンダに行こう!」と決めたわけ

やぶからぼうな質問で恐縮ですが、「大型類人猿」と聞いて、イメージつくでしょうか。「るいじんえん」と「れいちょうるい」のどっちが人間に近いんだっけ?という人も多いのでは。わたしも以前はそうでした。 霊長類(ヒトを含むサルの仲間)のうち、ヒトにもっとも近いのが大型類人猿。ゴリラ、チンパンジー、オランウータン、そしてボノボです。 ーーところで、最後の「ボノボ」とは?  その質問を待っていました。いい入門書があります。1時間ぐらいでするする読めます。児童書ですが、大人が読んでも

【ウガンダ旅・0-2】もうちょっと実用的な旅の情報

前回は野生動物ツアーについて暑苦しく語りましたが、今日はもうちょっと実用的な旅の情報を書き留めておこうと思います。自分の備忘録としても。(2022年7月時点の話です) 航空券の手配は円安との競争 最初に手配を始めたのは航空券でした。ロシアのウクライナ進攻による燃料費の高騰に加え、円安も始まったからです。 とくに5月の急激な円安のインパクトは大きく、ウガンダに比較的安く行けることが多いカタール航空でも同じ日の同じ便が1週間後には2万円値上がりしていました。 しかしカター