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「マネーフォワード ビジネスカード」デザインアップデートの裏側

2024年4月1日、「マネーフォワード ビジネスカード」のデザインをアップデートしました。
この記事では、アップデートの背景からデザインが完成するまでの裏側をご紹介します。


「マネーフォワード ビジネスカード」とは

SaaS基盤を活用したFintechサービス「マネーフォワード Pay for Business」の決済手段として提供している法人向けのクレジットカードのことです。
誰でも簡単にキャッシュレス決済手段を持つことができ、さらに「マネーフォワード クラウド」と連携することで、バックオフィス業務と決済処理をシームレスにつなぎます。

デザインチームのご紹介

今回のプロジェクトでは、マスターブランド表現の一貫性と、ユーザーに対するより深い視点を持ち合わせる必要がありました。
そこで、BtoB事業のデザイナーとコーポレートのBX(Brand Experience)デザイナーが共創し、コンセプト策定からカードの券面デザイン、さらにユーザーに届くまでの体験設計を担当しました。

アップデートの背景

これまでのデザインは、決済のスマートさやデジタル連携のシンプルさなど、主にカードの決済体験にフォーカスしたものでした。
しかし、ユーザーにとって身近な存在であるカードだからこそ、もっと深い体験を届けられるはず。
そこで今回はさらに一歩踏み込み、カードを通じてブランドメッセージを伝えていきたいという想いでプロジェクトがスタートしました。

アップデート前の券面デザイン

デザインアップデートコンセプトの策定

BtoB事業のデザイナーでWSを交えた議論を実施し、「リアルでも、デジタル上でも頼りになるパートナー」というデザインアップデートのコンセプトを設計しました。

決済体験とデジタル上の体験の一貫性や、ビジネスの挑戦を後押しする頼もしさといった、デザインアップデートの方向性を示したものです。

従来のデザインでは、ビジネスシーンやニーズを考慮したシンプル・スマートさが表現されていましたが、ビジネスシーンに即した印象から逸脱しない範囲で「ブランドが描く未来像」をより印象的に感じられるようにできないか模索しました。マネーフォワード ビジネスカードには、利便性のさらなる向上や、マネーフォワード クラウドのさまざまなサービスとの連携による新たな体験、そして大きなビジネスへの挑戦を後押しするといった未来の構想があるためです。

そこで、「ブランドが伝えたい印象」と「ユーザーがカードに期待するベネフィット」を整理し、両方がマッチするキーワードを明確にしていきました。「頼もしさ」「信頼・安心」「アクティブさ・大胆さ」「寄り添い」という4つのキーワードをもとに上記のコンセプトを導き出しています。

ビジュアルへの落とし込み

上記でも述べた通り、今回のアップデートでは「ブランドが描く未来像」を想起させる必要がありました。

そこで、BXチームの出番です。
従来のデザインで表現されていた「シンプル」「スマート」な印象に加えて、ユーザーのビジネスへの挑戦を後押しする「頼もしさ」や「期待感」を視覚化していきました。

シンプルで先進的なビジュアルでビジネスシーンにおける「スマートさ」を演出し、シンボルロゴの造形を大胆に取り入れることで、ブランドとの繋がりとユーザーの挑戦・成長に伴走する、ブランドの「頼もしさ」を表現しました

当初はBtoB事業のブランドカラーであるブルーを使用する案もありました。しかし、ビジネスシーンでの馴染みやすさと、多くの人が利用しやすい点を考慮し、ホワイトとブラックというニュートラルなカラーを採用しました。

コンセプトワードを元に作成したラフ案

デザインのこだわり

今回デザインチームとして重視したポイントは、「持ち歩きたくなる品質」です。
できるだけ不要な情報は省略しシンプルな設計にすることで、お財布に入れても恥ずかしくないクオリティを追求しました。

Forward Line

さりげないテクスチャーを用いて「Forward Line(シンボルロゴのMライン)」を印刷し、角度によってビジュアルが浮かび上がるようにしました。

またラインの太さや角度など、細かなディティールの検証を重ね、コンセプトイメージと視覚的な魅力のバランスを探っていきました。

ラインの太さの検証

シンプルな情報設計

カードの裏面は情報を絞り、ユーザビリティと見た目の美しさを両立しました。
偽造防止のホログラムや磁気テープの位置など、詳細に定義された印刷ガイドラインを守りながらのレイアウト調整はとても大変でした!

選べる二色

ホワイトとブラックの二種類で、使用シーンや好みに合わせてお選びいただけるようにしました。
当初は一色展開を考えていたのですが、「どちらも選べるようにした方が良いんじゃない?」という辻さん(弊社代表)の提案により二色展開が実現しました!

封筒や台紙の体験設計

封筒・台紙・リーフレットそれぞれの目的や役割を明確にした上で、どのような工夫ができると良いのかを1つ1つ考えていきました。

確実に目に留まる台紙の表面には必要な手続きに関する情報をコンパクトに掲載し、裏面はブランドの世界観を表現することに振り切るなど、社内のさまざまなメンバーとの議論も交えながら情報設計を進めていきました。

そしてデザイン作成時にはイメージカットの活用についてもさまざまな表現パターンを検討しました。台紙ではブランドの世界観を表現するために人物カットをメインにし、ガイドブックでは機能的な内容に振り切って、ビジュアル要素もカード単体のみにするなど、印象のメリハリや情報設計との整合性などを細かく検証しました。

封筒
台紙
リーフレット

最後に

デザインをアップデートするにあたり、コンセプト策定から社内提案、情報設計、そしてビジュアルへの落とし込みに至るまで、BtoB事業のデザイナーとコーポレートのBXデザイナーが共創しながらお互いの強みを発揮し合い、ようやくリリースを迎えることができました。

社内の多くのステークホルダーと目線をしっかり揃えるためには社内コミュニケーションをどう工夫すると良いか?コンセプトをふまえてビジュアルで何を重視すべきか?などなど、デザイナー各自がさまざまな視点でアイデアを出し合いながら、ブランドらしさを魅力的に表現できたカードが完成しました。

これから多くのユーザーの皆様に愛用してもらえることがとても待ち遠しいです!



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