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なんてアンビバレンス

日曜日。空気が綺麗で、クリスマス通り越して新年の清々しさすら感じる。

電車に乗っていると、ふと海に行きたいなと思う時がある。去年までなら、そのまま一番近い海に向かって乗り換えをしていたけど、今は本当に限界じゃなかったらしない。

関東の夏の海はあまり好きじゃないけど、冬の海は真っ白な息と肌を切り刻むような冷たい風が極限まで気持ちを盛り上げてくれるから好き。これぞ冬の海と言わんばかりの灰色にうねる波を見ていると落ち着く。

海を感じる曲でも聴くかと思ってイヤフォンをつけてみるけど、私が海だなと思っていた曲、全部海の事を書いていなかった。


月曜日。寒い。

早起きした。妊婦の友人の安産祈願に、水天宮までお参りに行く予定を立てていたから。その日彼女の婚姻届の証人にサインもする約束だった。最近の時勢もあり、会うのを遠慮していたので会えるのをずっと楽しみにしていた。

大安、戌の日、冬至。人でごった返した水天宮を見て、私は正直、引いていた。妊婦さんの長蛇の列、その付き添いのご年配の夫婦、赤子を連れてきた母娘、そこに突っ込んでいく友人。誰も、考えていない。ここにいる誰ひとりとして、子供の健康を願っている人はいない。ただのエゴ。神頼みとはこういうものだと見せつけられた気持ちになり、友人に「本当に並ぶの?」と何度も問い掛けたら機嫌を損ねたのか、ひとりで進んで行った。

その後、別の場所に移動すると、彼女は仕事のパソコンを開き始めた。名前を書いてさっさと私は、帰りたかった。私の時間を何だと思っているんだろうか。勝手にやってくれ。
12年、彼女と過ごした青春は確かにあったんだよ。同じ夢を目指していた。道は分かれてしまったけど私は可愛らしい彼女のことが大好きだった。不器用な所も、一途な所もほんとに大好きだったよ。と思いながら連絡先を全部消した。

その後の仕事もうまく行かないし、最悪の月曜日だった。2020年らしい。年のせいに出来るのが今年のいい所だな、なんて思いながら寝る。


火曜日、キツかったワンピースが少し緩くなる。

最悪の月曜日と思われた昨日だったが、深夜友人達が私の話を聞いて励ましてくれた。ただ何も言わずに聞いてくれ辛かったね。今はほっとこう。温かいものでも食べようと言ってくれる人。沢山色んな話を引き出して発散させてくれる人。とにかく人の優しさに甘えまくった。酒が無くとも癒される。プロテインをぐいっと飲んだ。

今年の9月頃、落ちる所まで落ちた私は、部屋で寝転ぶのに飽き、起き上がったのだ。やり始めたら止まらないのが私である。とにかくこの繰り返す肌荒れを治そうと思った。隣駅の病院に行き、ピーリングと保湿をコツコツやり3ヶ月かかったけど繰り返すことは無くなり、大分跡も薄くなってきた。まぁ、1年前に戻っただけだ。
私は何故こうも上へ行こうとすると、そもそも、スタートラインに立つのに時間がかかってしまうのだろう。肌荒れが治ったからやっとレーザー打てるよ。なんて鏡越しに思いながら、今月から筋トレに励んでいる。

何を目指してるの?と聞かれたら、とりあえず、見た事のない自分が見たいなと思っている。1歳1歳、毎年歳を重ねていく自分がいい奴だといいな。いわゆる人生の躁タイムなのかも知れない。

おひねりありがとうございます!!サポート代は私の家の本棚になります!!(2019.7月)