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「生きるって素晴らしい」のかな


引用元:キ上の空論公式HP

普通って唯のマジョリティ


当たり前のような平凡な人生を見つめていたらいきなりカウンター喰らってしまった。お恥ずかしい。
衝撃的なシーンとかメッセージ性の強いセリフとかがある訳じゃないのに食い入るように見つめていた。

序盤から当然のようにアナウンスしていく人がまさか彼にとってこんな存在になろうとは。でも確かに中学生の彼は自分であることに苦しそうで人生をコントロールしていないようだった。思春期と片付けていたものが回収されて気付いた私たちに遅れて本音を拾い上げる主人公の姿がとても幼くて壊れそうで。
ラストの2人にデカすぎる安堵のため息でちゃった。

あえて(なのかな?)添え物として彩られ変化しながら流れていく女性達が皆逞しいのも良かった。
初めて彼に気持ち悪いと突き付けた女も一番カッコ悪く転落しかけるけど結局最後はあんな感じ。
一概に強いといってはいけないけれどやはり女は強い。
トイレのシーン一度目で理解できるのにダメ押しのように具体化されたの笑ってしまった。おいたわしや。

そして丸山さんと久ヶ沢さんの安定感たるや。
あらゆるオジサンを完璧に記号化されていて次のキャラで出てきた時また新しい人出てきたかと思った。
お父さんの愛嬌もクソ親父のえげつなさも演じられてて病室のシーン逃げ出したいくらいに怖かった。
そんなお父さんのラストなんてとんでもなくグロテスクで…、あんたよくそんな幸せそうに笑っちゃってさ


落ちてくるゴミ箱とか白黒を行き来する奥のカーテン
ゴミ箱に何かを捨てた音。
きっと誰かの何かだろうけどそれは最後まで語られず、生きてる人たちをただただ見ていることしかできない。

思春期の性に対するケダモノ感
精神や思考を蝕む人らしからぬ感情
自身や他者への暴力性

最後まで解釈を転がりつづける獣性と彼らの成長が
むず痒くて居た堪れないのに目の離せない2時間。


経過を飛ばして、結果を見せる
まるでハッピーなエンディングに
ゾワっとした

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