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パリ1日1話〜8 メトロの話〜

今や東京の地下鉄も「東京メトロ」となったので説明不要だと思いますが、メトロとは地下鉄のこと。でも、クリーンな東京メトロとは似ても似つかないのがパリのメトロです。

わたしが一番驚くのは、どの駅にもコンドームの販売機があること。すべての駅かどうかは確認していませんが、小さな駅にもだいたいあります。壁に取り付けタイプで小さいので目立ちませんが、でも、ある。そんなに必要とされているのか。でも、いまだに買っているひとは見たことないですけど。

バス同様時刻表などなく、「何分に1本」というシステム。もちろん、なぜだかしばらく来ないということもしばしば。電気系統に問題があるようで、しょっちゅう車内の電気が消えます。そして、止まります。止まってる理由は言うときもあれば言わないときもあり。我慢強くなります。

車内には現在の位置を示す電光掲示板的なものがありますが、その電源がついてなかったり、こともあろうに反対の進行方向を示していたりします。つまり、電車の実際の進行方向と電光掲示板に示されている進行方向が逆、となっており、ぼーっとしてるとすごくあせります。

最近ではホームドアを設置している駅もありますが、なぜかホームドアそのものが開かなかったりします。わりにちゃんとした運転手さんだと手動でホームドアを開けてくれますが、ホームドアを開けないまま走り去ってしまう運転手もたまにいます。降りたい駅で降りられないっていう、なかなかのスパルタ具合。

先日はモンパルナスの駅で不審な荷物が見つかったとのことで、モンパルナス行きの電車がストップしましたが、その後乗客全員が降ろされました。もちろん安全上仕方のないことですが、乗り継ぎのできない駅で降ろすのは本当にやめてほしい。

駅によってはホームがすっかり家のないひとの住居になっていることもあります。なので、よほどキレイな駅以外はベンチに座らないほうがいいかと思います。そういう場合はだいぶ悪臭がしますが、駅員は見てみぬふりをしている模様。

電車の中に音楽を奏でるミュージシャンが入ってきたという経験があるひともいるでしょうか?音楽ならまだ投げ銭しようという気にもなりますが、少し前によく見たのは無職のひとが自分の窮状を語りあげてお金を集めるというもの。「会社に解雇され、家賃も払えず路上暮らし、食べるものもないので小銭などください」と叫びますが、なぜかけっこうきれいな身なりだったりします。最近は、ただ何もいわずお金を集めるひとが多いようです。

ここまでくると何もいい点がないようですが、パリ中を走っているメトロはやっぱり便利。暗くて湿っぽくて汚くて。「はーきょうも仕方なく乗るか」といいながら乗るのも、なんだかくたびれててパリっぽい。

写真はラマルク・コーランクールの駅。この駅は丘の中腹にあるので、ものすごく地下深くまで下りないと乗り場につきません。なかなか体力を使うので、近所なのにあまり使わない駅です。雰囲気はけっこういいんだけどな。

では、パリ1日1話。きょうはここまで。


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