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販売員のプロ意識と希少価値

販売員に将来性はありますか?
という問いに私は、迷わずYESと答えます。

オンラインショッピングが日常となっている今の時代に、実店舗へ足を運び、プロの販売員と会話を交わし、想像以上の満足を得る事が出来る
そんな体験出来るのが、実店舗での買い物だと思います。

そのショッピング体験に欠かせないのが販売員達です。

■販売員の希少価値

販売員に将来性があると冒頭に記しましたが、
価値を高める為には、販売員にも覚悟が必要です。

今は多様性の時代です。
販売の仕事をはじめて、自分には合わないと感じ、3,4年で転職をする方も多くいる仕事です。それはきっと販売職に限った事ではないと思いますが。

販売の仕事は、瞬時にあらゆる角度から物事を考え、与える仕事です。
とてもプロフェッショナルな仕事です。

①普通の販売員と希少価値の高い販売員の違い

微差こそ大差

お客様のニーズを聞き出し、潜在ニーズ引き出し、安心感を与えるトーク、お客様にとって満足出来る接客に丁寧な所作。
正直、上記のことだけ出来ていても希少価値の高い販売員にはなれません

希少価値の高い販売員になるには、
『個』を表現出来ると共に、常に『一流』を目指せるかどうか。
だと、私思います。

普通の事を普通にするだけの販売員は、飽きられる。
個性のある、スペシャリストには、また会いたくなる。

②個性のあるスペシャリスト

販売員に必要な個性とは何か。
その人が持つ人柄が個性と言う場合もありますし、容姿やスタイリングが個性的、ジュエリーの重ね方が個性的、見た目と会話に個性があり、印象に残るかどうか、その人特有の魅力があるという点が個性です。
また、自分の魅力を自覚しているかということも重要です。

では、スペシャリストとは何か。
それは常に『一流の接客』が出来ているかということ。
専門知識・幅広い知識・身だしなみのみが、備わっているだけではなく、
『お客様にとって、いかに心地よい空間を作れているか』
を常に考えている。という事です。

お客様は、多種多様、100人いれば100通りの接客が必要です。
そのお客様にとって、どのような接客/サービス(気遣い)が喜ばれるのか、
販売員は接客の中で、お客様の表情や会話の中でどのような対応をすべきかを瞬時に判断し、接客していきます。

個性だけでは足りない。ただのスペシャリストだけでもつまらない。

私は、実店舗で働いた18年間で、たくさんの一流販売員を見てきました。
ほとんどの販売員は自分を『一流』とは思っていないでしょう。
きっと、自分はまだまだ出来る事があると感じているはずです。

私が見てきた一流の販売員は
自分の個性を活かしながら、
お客様にとって心地よい空間を作ること。
が出来る人ばかりでした。

③リピートしたいと思える魅力的な店舗

この場所に再び訪れたい。と思える場所とは、どんな場所ですか?

私が、また訪れたいと思える場所は、
充実感と幸福感を体験した場所です。

私が実店舗で働いていた時、目指した店はそのようなお店です。
この体験をするには、販売員の力は必要不可欠であり、
実店舗の価値は、店舗の外観/内観による空間演出・商品の魅力、ディスプレイも、もちろんですが、一番は、魅力的な販売員がどれだけいるかです。

そして、接客を受けることにより、新しい発見や、提案を聞くことができ、
自分では選ぶことが出来なかった商品と出会う事ができる。
その体験が充実感につながり、販売員との会話の中で、自分が身に着けた時の幸福感を想像できる。もしくは身に着けた時に幸福感を感じることが出来た。
もちろん、目的買いの方に目的の品をスピーディに準備し、販売する事も大事ですが、そこに次回来店に繋がるアクションをしてるかしてないかにも差がでます。

充実感と幸福感を感じられた体験が出来ると、
また訪れたい、体験したいと思えるのではないでしょうか。

この体験をさせることができる販売員こそ、
今後希少価値が高くなるはず。

そして、魅力的な販売員の方がこれからも増えていくことを願っています。

■年を重ねた販売員の魅力

販売の仕事は体力勝負だ。
その通りです。一日中立っている立ち仕事ですし、
状況によっては、走り回る一日になる場合もあります。
SALE期間中は、水分を摂るのもままならない。などなど。

私は、第一線で販売職を貫いている50代~60代の方、数名の方とお仕事させていただきましたが、
ファッションの世界に身を置いている方は、とても美しいです。
センスはもちろんですが、販売職は見られる仕事ですし、自らのケアをしっかりされている為、綺麗な方ばかりです。

NYのバーグドルフ・グッドマン(Bergdorf Goodman)の映画に出演されているベティ・ホールブライシュ(Betty Halbreich)さんは、既に90歳を超えていますが、今でも現役のパーソナルショッパーです。
一度お会いしてみたいものです。
とても緊張してしまいそうですが。。
このようなカリスマ的な先輩が、いらっしゃること自体、
販売職には夢がありますよね

私が大好きな50代の販売員のIさんは、ずば抜けてファッションセンスが高く、古着からデザイナーズの服をMIXしてコーディネートする方で、
背も高く、お綺麗な方ですが、ユーモアもあり、後輩はみんなIさんのコーディネートが大好きでIさんに服を薦められると、必ず買ってしまうような、とても影響力のある方です。
また、ディスプレーを作るのも上手で、ボディに息が吹き込まれるような、魅力的なボディを作れる方です。私も何度もコーディネートの相談をさせてもらいました。だいたい買っています(笑)
とても魅力のある方なので、Iさんの顧客様も毎回お買い物がとても楽しそうです。

もう一人、60代の販売員のYさんは、ジュエリーのエキスパートで、
ご自身の10本しかない手の指にジュエリーをたくさん重ね付けしていて、いつも私達を魅了してくださいます。
ジュエリーに対しての愛情が非常に強く、Yさんが良い!とおっしゃったジュエリーブランドはみんなが注目するなど、とても影響力のある方です。
Yさんの顧客様も、Yさんがいらっしゃる時にしかご来店されませんし、Yさんも責任感が非常に強く、ジュエリーの修理などを承ると、お修理UP時は、必ず自分がお客様を対応できるようスケジュールを調整されます。
そのように顧客様との信頼関係を長年構築されてきていました。

お二人とも、それぞれ素敵な個性をお持ちで、お客様に対し、楽しい空間や、安心感を提供されています。

また、お二人ともご自身の体力を保つため、自己管理が素晴らしく、
欠勤はほぼありません。プロ意識の高さを感じます。

■さいごに

販売員は今後価値のある職種になると綴ってまいりました。
多くの販売員の方を見てきましたが、お客様の気持ちに寄り添いながら、
自分の魅力も発信できる、素晴らしい仕事です。
本気で販売という仕事に向き合った方は、必ず希少価値の高い人材になります。

そのような販売員の方が増え、ファッションの場がますます楽しくなることを願うばかりです。


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