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■7月27日 七夕の願いがかなうとき

7月26日から円頓寺商店街で「第66回 円頓寺七夕まつり」が開催されています。

円頓寺商店街は名古屋駅から歩いて約10分ほど。名古屋城からも同じくらいの距離という、どこから行っても「まんなか」にある商店街です。

この商店街の歴史は江戸時代にまで遡ります。

名古屋城築城の際、材木等を運ぶために福島正則が「堀川」を掘削しました。その堀川を利用する人々がこの地で時間を過ごすようになったのが興りであるとか。そして、移転した来た寺社を中心に門前町として発展しました。

しかし、昭和30年頃まではにぎわっていたこのあたりも、鉄道駅が閉鎖されるなどするなか、少しずつひっそりとしていきました。が、平成になると再びこの場所を盛り上げようと、クリエイターさんたちをはじめ、さまざまな人が東西に奔走するのです。

そのかいあって、約30軒の店舗が軒を連ねる現在は大きな催し、小さな行事をたいせつに、ご近所さんから遠くの人までをぎゅっと集めて、にぎわいを取り戻しています。

その大きな催しの一つが、今回伺った「円頓寺七夕まつり」です。このお祭りは1956年から続くものであるとか。積み重ねられた時間は、やはりどこかの年代や層に偏るということのない楽しさを漂わせます。

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この七夕まつりが商店街全体で作り上げられていることは、アーケードを入った瞬間に理解できます。

貫禄ある家康公
少し背の高いあなたの耳に寄せたおでこ(違)
トトロいたもん。

上からぶらさがっている、張りぼてさんたち。
それぞれのお店がお忙しい中、真剣に精魂込めて作られたことがめちゃくちゃ伝わる完成度です。

俺の白うさぎ…

また、「七夕まつり」と言えば「吹き流し」。カラフルな吹き流しがからからと回り、彩りと明るさを加えたにぎやかさを弥増しにしてくれています。

屋台が出ていたり、お店の人が店先でテイクアウトの食べ物を供していたり。ラジオ放送があったり、ステージでマジックが披露されたり。

ちょっと小道に入ると、中学生と思しき子たちが座り込んでわちゃわちゃしていたり。小さい子が、何かの景品で当てたらしいラッパを機嫌よく吹き鳴らしていたり。

ここは商店街ですから、然程、道幅があるわけではありません。だから、行き交う人々が多くなると、それだけごそごそ感が増していきます。でも、それすら高揚感にキラキラした輝きを付け加えてくれるのです。

人混みが苦手な私は、このお祭りに参加するのは今回が初めてでした。それでも、皆が急ぐでなく滞るでなく。あっちへ向かう人、こっちへ来る人。それぞれがゆったりしたペースで、ただただ笑顔でうごめき、ざわめく空間は、ほんとうに楽しさしかなくて。

感染症禍が始まった頃には、このざわめきが戻ってくるとはだれも思っていなかった。もちろん、戻ってくると信じたかった。でも、信じ続けるためのエネルギーをどこから補給すればいいかわからなかった。

そんな息苦しさや閉塞感をやっと「思い出」として語れる時間を手に入れられた。

ぽやぽや歩きながら、そんなことをずっと思っていました。すごくうれしくて、楽しくて。この空間を感じ尽くそうと、幼い子のようにキョロキョロ見回しながら、歩き続けていました。

もちろん、感染症禍は終わっていないし、医療関係者のみなさまの尽力がまだまだ全力全開で必要な状況であることは理解しています。それでも。こうして、無邪気に笑っていられる時間があるというのは、とてつもなくありがたくて。いつまた奪われるかもわからないこの一期一会な時間を、全力で楽しみ味わわねばと改めて思ったでした。

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今日もここまで読んでくださり
ありがとうございます。
今日がいい日でありますように。
んじゃ、また。

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