見出し画像

ロマンティック・アセクシャルで結婚願望無しの私が結婚式バイトをして思ったこと

私はロマンティック・アセクシュアルで、結婚願望がない。ここら辺の詳しい話はまた別の機会に。
そんな私は、ひょんなことから月に数回結婚式のアルバイトをしている。仕事の具体的な内容はお伝えできないが、人一人が人生で経験する結婚式参加回数の平均値を上回りそうな私が、感じたことを書こうと思う。中にはアセクや結婚願望0であることが関係ないものもありますがご容赦ください。

結婚式は、感謝を伝える良い機会。だが、私は?

結婚式は、両親や家族、友人たちに感謝を伝えられる良い機会である。
両親へ手紙を送ったり、今までありがとうと周囲の人に伝えたり、普段は照れくさいことをできる場だ。結婚が親孝行の一つになるのだとしたら、親が”私が結婚式を挙げる日”を待ち望んでいたとしたら、私は親に対して「してあげられること」を一つ減らしてしまっている。(結婚は親や誰かのためにすることではないということは置いておいて。)
新郎新婦のご両親やご祖父母が感極まっているところを見ると、共感性の高い私は一緒に感極まってしまうのだが、同時に自分の両親や祖父母にそんな想いをさせてあげられないことが申し訳なくなってしまう。特に、存命の祖父母に関しては、今すぐに結婚すれば結婚式に呼べると考えると、やはり幾分かの後ろめたさを感じる。
しかしそんなことを思ってても仕方がないので、感謝を伝える良い機会がないと確定している分、普段から様々な形で感謝を伝えるしかないのだ。

結婚式に呼べる人が多いって羨ましい

私のアルバイト先は、比較的社交性のある新郎新婦が結婚式を挙げることが多いため、参列者は数十人から数百人になる。親戚、親友、幼馴染、学生時代の友人、同僚などなど、、、。自分のことを祝ってくれる人を何十人も呼べる人生を歩んできた人を尊敬する。
例え自分が結婚したとしても、結婚式は家族だけなど小規模でやりたいと思うだろうが、もし友人を呼んで盛大にやろうと言われたら、呼べる人数は限られる。新郎新婦を見ていて、これだけの人との関わりがあったからこそ魅力的な人となり、最愛の人と出会い、その人に好かれるのだろうなと思う。
また、結婚するもしくは結婚したと話をすれば、周りに手放しにおめでとうと祝福されるだろう。今後結婚予定のない私はそのような経験ができることを羨ましく感じる。

新婦忙しそう

披露宴中の新郎新婦はとにかく忙しい。せっかくの豪華な食事も、新郎新婦は食べきれず残していることも多い。
特に新婦は、入場後、乾杯歓談を少ししたと思えば、新郎より先にお色直しのため退場するのが一般的である。新婦の退場後、新郎はお食事を取ったりご友人とのご歓談を楽しんだりしている。新婦はそういった時間をゆっくりと過ごすことは、新郎と比較すると難しい。
お色直しをした新婦はそれはそれは美しく華やかである。一生に一度のウェディングのためにダイエットしたという話をしている新婦もよく見受けられる。幸せな忙しさであり、結婚式は新郎新婦両者が望んだ企画を実施するため、外部の人間の一意見でしかないが、私はその不公平感に複雑な気持ちを抱いてしまうことがしばしばある。

同性婚が認められていないことは容認し難い

結婚式は、愛し合っている二人、もしくは一生を誓ったパートナー同士で行う、素敵で幸せな会である。
結婚式に参加していて思うのは、何より、同性カップルがこのような幸せな時間を過ごす権利が法的に認められていない事実は許しがたいということだ。もちろん中にはLGBTウエディングといった、同性カップルやセクシャルマイノリティが執り行える式場もあり、そういった取り組みが増えていくことは大変喜ばしい。
しかし、結婚式を挙げることができたとしても、二人の婚姻が法的に認められているか否かという点は重要であろう。当事者でないため深くは言及しないが、法的に認められていること、そして同性で結婚することが異性同士での結婚と同じくらいよくあることにならない内は、やはり周囲が何の蟠りなく、手放しに祝福することは難しいのではないだろうか。

異性同士の結婚、次のステップは出産という意識はまだある

結婚式では、参列者が新郎新婦を祝うコメントをすることが多々ある。コメントでは、結婚の次の一大イベントは二人の子供ができることだという前提をしばしば感じる。
「子守りは任せてね。」「次は子供ですね。」
もちろん、新郎新婦が出産や子育てに積極的で、参列者がそれを認識している可能性も考えられる。とはいえ、出産願望がなく、結婚の次は子供という前提に普段から疑問を抱いている私にとってはやはり引っかかってしまうシーンが未だ存在する。

以上、モヤモヤする場面はありつつ、多幸感あふれるこのアルバイトが私は大好きだ。
結婚への意識が変革しつつある現代である。今後の結婚式の行末にも注目したい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?