パラドゲーは結構有名だけど、やっぱり知らない人は知らないから一応説明しておこう。

パラドゲーとはパラドックス・インタラクティブ社が作ったゲームの総称で、かの有名なステラリス・クルセイダーキングス・ヨーロッパユニバーサリス・ハーツオブアイアンなどの作品は全部該当する。

ステラリスとシティスカイラインを例外にして、歴史マニアのゲーマーなら必ずパラドゲーの一つや二つを持っているはずだ。

今回の文章だが、なぜ書こうと思ったかと言えば、CK3の今年のシーズンパスのアナウンスが来て、そのSteamのスレッドを見たら、わくわくする人はあまりいなくて、むしろ文句を言う人が結構いて、「あ、やっぱりこれを思ってるのは自分だけではなかったか」という気持ちになったからだ。

ぶっちゃけ、最近の新作パラドゲーは例外なく低評価が多く、特にVictoria 3は多分今までのパラドゲーの中に、初めてベースゲームのSteam評価が賛否両論の作品ではないかくらい。

で、自分はあくまでステラリス・クルセイダーキングス3とヨーロッパユニバーサリス4しか持ってないため、今回の文章は主にクルセイダーキングス3（以降CK3）とヨーロッパユニバーサリス4（以降EU4）に対する不満を語るつもりだ。

CK3は2020年発売で今年は四年目だけど、はっきりいうとシーズン1もシーズン2もDLCが結構微妙な感じだったせいで、今回のシーズン3のアナウンスでスレが荒れたってわけ。

まずシーズン1の目玉は王宮システムなんですが、最初は確かに新鮮だったけど、しかし慣れるとすぐその問題点に気付いた。

まずは王宮専用のイベントの数が少なく、同じ内容のイベントは頻繁に起こるという感じだ。
選択肢は3ｰ4つがあるけど、ぶっちゃけ縛りプレイじゃなければ、わざわざ悪い展開を選ぶこともなく、つまり基本同じ答えしか選ばない。
しかもイベント自体も理不尽なことが多く、たまに大金を払わなければならない時もあって、半分以上はやって損をする。

そのため、自分は文字通り1年以上謁見（？）のコマンドを使ってない、ただでさえ自然発生するイベントがうるさいのに、わざわざ自らそれらのイベントを4-5回連続を引き起こす意味がない。

結局これを導入しても別に面白くなったわけでもないし、そもそも自然発生のやつは処理しなければペナルティが発生するから、やらなければならないけど、それ以外の時は全く王宮をいじらなくても、ベースゲームへの影響がないから、あってないようなものとも言える。

シーズン2の目玉はトラベルというシステムと大型の行事だけど、まずトラベルは名前の通り、キャラクターが他の地域で行う行事に参加する際に、居城から目的地までのルートと、その途中に起こるイベントが追加された。

このシステムが実装されるまで、長距離移動という概念がなく、例えフランスの国王がエルサレムに巡礼しても、コマンドを押すとイベントがすぐ発生するため、つまり瞬間移動的な感じだったが、このシステムによって矛盾が解消されたってわけだ。

確かにリアルになったけど、そのデメリットとして、領主が外出してる間に、宣戦布告など一部のコマンドが使えなくなる。
そして目的地によって一年以上の旅は普通に存在してて、領主が不在する間に、権力は補佐官に移るけど、旅が長すぎると、例え補佐官は妻か嫡男だとしても、普通に欲張って悪事を行ってデバフが発生する。

とりあえず、この旅システムも結局イベントが少ない上、旅自体は頻繁に起こるから、イベントの被る確率は王宮以上で、結果的にイベント自体もただの消化試合になることが多い。

とはいえ、旅と大型行事の実装で、普段やることが増えて、単にずっと世界地図を見つめるだけではなくなるから、コンセプト自体は悪くなかった…
そう、旅と大型行事である武闘大会のイベントがクソではなければ。

これらのイベントの一番の問題は、文字通りに頻繁に殺しにくること。
旅をする時に、地形やその伯爵領の安定度によって「危険度」というパラメーターが変化する。
もちろん危険度が高ければ高いほど、イベントで死ぬ可能性も高くなる、そのために、その地形を対応するガイドや傭兵を雇う必要があるわけだ。

しかし、たまに危険度0だとしても、なぜかプレイヤーキャラクターが無能（Incapable）になるイベントが発生する。
しかも、30回の読み込みを行っても、その「60%の確率」を回避できないという経験があって、もしかして結果は最初から決められたじゃないかという疑惑がある。

無能になると、半分以上のコマンドは使えなくなり、権力も強制的に補佐に移るから、ガチで自分の命を絶つ以外の解決策がない凶悪なデバフなのに、たまに自分の命を絶とうとしても、家臣に阻止されて、5年間何もできなくなるわけ。

ちなみに、AIのキャラは危険度に対応するNPCを雇わないから、海や危険地域を渡る時に割りと高確率で死ぬ。

そして武闘大会はもっとやばくて、血縁者や一門、有力な家臣が勝手に参加して勝手に戦死するから、稀に武闘大会一つで一族や国が崩壊しかける状況に陥るという意味不明なことになる。

そのため、Redditでは「ぶっちゃけ武闘大会を行わない方がいい」「そもそもこのDLC自体をオフにした方がいいかも」というレビューすらある。

で、目玉以外のDLCは大体二つのタイプがある、一つは紛争地帯の追加、イベリアとペルシアのDLCはそれに当たる。
簡単にいうと首都が該当地域にあると、特殊な戦争ルートやイベントがあって、専用BGMもあるって感じ。
該当地域の領主で遊ばないと意味がないとはいえ、専用インターフェースやパラメーターなど、目に見える変化があるから、個人的割りと好感を持ってる。

しかし、ペルシアのやつはただイベリアの二番煎じという声もあり、確かにこれから毎年もなんかの名目で同じものをそれぞれの地域に追加する可能性があるよな、という考えはなくもない。

もう一つのタイプはイベントパックだけど、はっきりいうとこういうはクソオフザクソだと思う。
イベントを増やしたら変化も流れも増えるから、プレイヤーが簡単に飽きることもなく、長く続けるというのは事実だが、そもそもこのゲームはなぜか理不尽なイベントが多く、特にシーズン1のイベントパックマジでやばかった。
Wards & WardensかFriends & Foesか忘れたけど、100以上のイベントがあると謳って、実際一部のイベントは有志のイベントMODからそのまま完コピしただけということが発覚された。

もう気付いた人もいるかも知れないけど、上記のDLCの内容はベースゲームの流れに影響を与えることがないから、はっきりいうとなくても別に問題がないほどの内容です。

そして値段も決して安いわけではなく、例えばシーズン2の旅と大型の行事だけど、旅システムは不完全ながら無料でベースゲームに追加されたため、Tours & Tournamentsのコンテンツは実質大型の行事のみで、その値段は3230円、しかも上記の通り、武闘大会自体は地雷くさいから、言うほど面白いDLCかと言われたらなんか微妙って感じになる。

今年のシーズン3なんだけど、内容は黒死病と伝承で、実は前者はすでにCK2にあって、スクショを見る限り、こっちはただのリマスターだし、Tours & Tournamentsの旅システムと同様、不完全ながら病気関連のコンテンツはベースゲームに導入される。

もちろん、伝承の方は面白そうで、ロールプレイに大きな影響が出ると思うけど…

あっ…（察し）

と、とりあえず、今年の目玉の半分は焼き直しというのは否定できなく、値段は2690円とTours & Tournamentsより安いものの、結局ただの高いイベントパックだから、そりゃみんなも文句を言うよな。

たまに、「CK3は世界を征服するゲームじゃなく、ロールプレイがメインだから、ベースゲームに影響のある大きなコンテンツがなくても、イベントが増えるだけで十分遊べる」という意見があるけど、それに対し「まず共和制も神権制も選べない時点でEU4以下だからロールプレイもクソもねぇよ」という感想しかない。

今のCK3は基本封建ベースの政権しか使えなく、たまに十字軍国家や商業都市のプレイをしたいとしても、あくまで一門の伝承スキルが管理か教育を取るという差で、心の中で自分はこういうプレイをしてるんだと自分を納得させ、縛りプレイをしないといけない時点で、ロールプレイ用のゲームとしては不合格だよ。

確かにEU4だって単にミッションツリーの内容が変わるだけで、言うほど大きな変化があるわけじゃないけど、それでも政体に「海賊共和国」「十字軍国家」「自由都市」という肩書きがあり、封建制・共和制・神権制にはそれぞれの政府改革があるから、ロールプレイに関しては絶対にCK3よりマシだと思う。

なんかEU4を褒めてるような感じになってるけど、こっちもこっちでいろんな問題があるから、ある意味CK3とはあまり変わってない。

EU4は2013年のゲームで今年はもう11年目だけど、最近まで新しいDLCがリリースされたばかりの現役作品だ。

DLCの内容についてはここで語るより日本語Wikiを見た方が早いので割愛だが、実はCK3のDLCに比べると当たり外れが非常に激しいとも言える。

ただ、CK3とは違い、地域関連やあってもなくても別にどうでもいい感じなコンテンツだけではなく、ちゃんとシステム改善とベースゲームに大きな影響を与えるほどの内容もあるため、全DLCを購入したくない場合は選別すれば割となんとかなる。

まぁ、2013年のゲームとしては悪くないし、一部のDLCは入れるとゲームが面白くなるというのは事実だから、DLCに関しては冗談抜きでCK3よりこっち方が買う価値があると思う。

とはいえ、やっぱり2013年の作品なので、グラフィックだけじゃなく、ゲームエンジンもゲームの仕様もいろいろ古いというのは否めない、特にAIはCK3に比べると「これは旧世代だな」と思うくらい。

EU4のAIはとりあえず攻撃性が高く、周りの国との好感度や戦力差、歴史的イベントでその土地を保有する必要があるかどうかで判断し、戦争を仕掛ける。
これらの情報はプレイヤーでも普通に見えてて、つまりイベント的な戦争じゃなければ、AIが宣戦布告してくる時点でほぼ勝ち目がないから、負ける時はどうしようもない。
そのため、序盤でビッグ５と言われる5大国を抑えないと、中盤から地図の塗りは一方的になる展開が多い。

この仕様のせいで、新大陸（南北アメリカ）・ソロモン諸島・オーストラリアの諸勢力はマゾレベルでやりにくい。

しかし、AIはあくまで各勢力との戦力差を参照するだけで、潜在的な要素を一切構わないというおバカさんだ。
例えば、南北アメリカを完全に支配したスペインに、200隻の船と600kの軍勢があって、プレイヤーは海戦特化でインドネシアを支配してて、150隻の船、100kの陸軍しかない場合、AIのスペインはオーストラリアが欲しいから必ず攻めてくる。

一見スペインの圧勝だけど、実はスペインの艦隊は60隻が輸送艦、80隻が商船で、戦えるのはたったの60隻のみ。
そしてスペインの艦隊も陸軍もまずイベリアから南アフリカ→ペルシア→インド→タイ→インドネシアという感じで長距離の移動をしなければならない。
そのため、AIの部隊は大体バラバラで戦場に到着してあっさりと倒され、破られた艦隊は強制的に一番近い味方の港へ移動することになるから、最悪の場合はそのままインドまで引き返す。

戦争が長引きすると攻撃側の厭戦気分も溜まるから、つまり防衛側は2-3年間に自分の海域を守りきればAIは勝手に負ける。
しかし、AIは負けたとしても、停戦期間は10年しかなく、停戦協定が終わったらまた攻めてくるので、このゲームは中盤からずっとこれが繰り返されてすごく鬱陶しいです。

とりあえず、結局戦争関連は技術と戦力がすべてで、外交でなんとかなる可能性がほぼなく、真正面から強い国と戦うと勝ち目がないから、どの国を使ってもAIの穴を突くしかないという傾向があるのは、このゲームの一番の問題だと思う。

DLCに関しても、ベースゲームのシステムの不備はなぜかパッチで治すじゃなく、海洋と新大陸の探索・伝道師の派遣の自動化などのシステム改善は特定のDLCを導入しなければならないし、近年のDLCはほぼ全部ミッションツリーを変えるだけだから、大体1600円とはいえ、そこまで価値があるとは思えない。（まずミッションツリーならModで変更できる）

こんな感じで、たしかにEU4のロールプレイはCK3より多彩だけど、実際遊ぶとAIのせいで自由度はCK3より低いというのは事実で、しかもEU4のAIは容赦がないから、ずっとAIの圧を感じながらやるゲームではある。

とりあえず、この文章の言いたかったことは、最近パラドゲーの質は目に見えるほど落ちてる。

DLCの内容が微妙っていうか虚無というのは別に最近のことではないけど、EU4やステラリスの頃はお手頃価格で、お布施だと思えばまぁいいじゃないかという値段だった。
しかし、CK3からDLCの値段はエルデンリングのDLCに匹敵してて、シーズンパスは一部の安いAAAタイトル並みになってるから、流石に厳選しないといけないと思ってきた。

一部のEU4のユーザーはずっとEU5が欲しいと言ってるけど、まぁ4はもう11年だし、確かにゲームエンジン的にもそろそろ新作を出すべきとは思うが、今のVic3とCK3を見て、果たしてEU5は本当に大丈夫なのか。
少なくとも、EU5のベースゲームにEU4の全DLCのコンテンツを持ってる状態でリリースされるとは考えにくいし、今年のCK3のDLCを見れば、既存のコンテンツをもう一度焼き直すという可能性が結構高いから、そう考えるとEU5と言われてもな…って感じになる。

自分は別に何もかも無料にしてくれ！を言うつもりがない、ただ、せめてそのDLCの内容は値段と釣り合うにして欲しい。
SteamのEU4の2024年ロードマップのスレでは、今のパラドゲーのDLCは全部雨の昼に作られたようなもんと言われてる（※雨だから外に出られず仕方がなく仕事する日に作られたもの）ほどひどくて、このままだと流石に長年間ずっと遊んできたゲームでも諦めるしかない。

あくまで自分の偏見だけど、今まで虚無のDLCを発売しても買ってくれる人がたくさんいるから、もしかして開発はいつの間にかどんなひどい製品だとしても、結局みんなは文句を言いながら買ってくれるでしょう、と勘違いしてるじゃないかと。
ただ、最近CK3とEU4のスレを見れば、多分人が離れるというのも時間の問題だ。