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料理業界で文章書きたい人向け〜「自分が通う店」について書いてみよう

Twitterで、こんなつぶやきをしたところ、何人かの方から、やってみたいという声をいただいたので、MAGARI編集室の「MAGARI文章講座」として、はじめてみようかなと思っています。

書くことのプレッシャーをとりのぞく

Twitterの内容に反応してくださった料理業界の方は、「何を書けばいいのか」「書こうとするとなんかうまく進まない」「書いても読んでもらえるのか」というようなことで躊躇されているのかな? と思っています。

僕は文章はコミュニケーションツールであると思っています。そのため、うまい文章とは、人にもの(情報などのデータや書き手の感情)を伝えられることができる文章であると思っています。

だから、文章がうまくなるには、まずは書いて人に読んでもらって、その反応を見て、もっと伝えられる書き方はないか、ということを試して、もう一度書いてみる。その繰り返しです。

MAGARI文章講座では、文章の構成を提案したり、てにをはを直したり、重複表現を削ったり、表現に指摘を入れたりすることはしません(こういうのって中級者向けかな)。まずは、おもしろいと思うところをお伝えしたりして、楽しく書いてもらいたいと思っています。

そんなこともあって、まずは書いてみることが大事。日常会話のように書ける身近なテーマを設定しれ、まずは書くことに対してプレッシャーを取り払って、ゆるい感じで書き始めるのが一番なのではないかと思っています。

テーマは「自分が通う店」

まずは以下の要領で、原稿を募集しようと思っています。

テーマ :「自分が通う店」

目的:自分が通う飲食店にどんな魅力を感じているのか(味以外で)。ただし、必ずしも集客に結びつけるような内容である必要はない

応募条件:①料理業界従事の方
②原稿ではその店の味以外の魅力を書くこと
③原稿料はありません

文字数:800文字前後

原稿形態:特にこだわらず(word推奨)
応募方法:以下メールアドレスに送ってください!順に返信します
edit.magari@gmail.com
文体:不問(ですます調、である調は不問、どんなのでもオッケー)

原稿発表方法:MAGARI編集室主宰のメディアで発表(詳細は後日)。ただし著作権は著者に属します。

テーマを決めたのは、最初のうちは、「何を書こうかと」と、ネタをさがしたて頭をひねったりするのですが、プロでもゼロから企画をたてて書くのは大変です。そのため、料理業界の方にとって書きやすくて、かつ読者が多そうなテーマを考えてみました。

文字数を制限しているのは、長文は読者にとって読み辛いのと、書き始めのうちは、長い文章を書こうとするとテーマ(本質)とは違うことを脱線して書いてしまいがちです。最初はシンプルに、「なぜこの店に通うのか」の理由を書く方が、訓練になると思っています。

プロが実践しているテーマの絞り込み方

では、「自分が通う店」の文章を書く際、原稿をまとめるコツを書いておきます!
これは、僕が今でも、インタビュー原稿や取材原稿をまとめる際にやり続けていることをもとにしています。

店に惹かれる理由を箇条書きにしていくつか出す

②ほかの好きな店と比べてみて、その店にしかない理由を絞り込む。

③②で1つに絞り込めたら、そのことをテーマにする。
仮に複数個まだ残っていたら、その店に知人を連れて行く際に、そのなかのどれを一番先にその知人に説明するか考えてみる。最初に出たものがいちばんキャッチーなものなので、それをテーマにする。

④③で決めたテーマからタイトルを先に決めます。タイトルは、「なぜその店に通うのか」の答えにすること。例えば、「サッカー好きのサービスマン」、「300種類もある地酒」、「夜中の1時でもアラカルトで食べられる」、「何時間でも座れるイス」など。タイトルは、書き終わってから変えてもいい。

書きたいことを文字数を考えずにズラーっと書いてみましょう。1000文字でも2000文字でもいいです。この時文法とか、重複とか、気にせずに、好きなこと、言いたいことを書きます。

⑥書き終えたら、タイトルを読み返して、タイトルにそぐわないエピソードをどんどん削っていきます。必要なら加筆して、文章の前後の入れ替えをします。この作業を2、3回繰り返します。
ちなみに、800文字くらいですと起承転結つけるのは難しいので、起承結くらいの構成がいいですよ。

⑦だいたいこのあたりでいい感じの構成になっているので、言い回しや表現などを整えていき完成させます。

完成したら、必ずもう一度読み返します。これが大事。

補足
この方法は短い文章向きで、1500文字くらいの長い文章では、方法がもうちょっと変わります。

レストラン評価の新機軸

そして、文章にはもうひとつ縛りをもうけています。それは「お店のなのに味のことを書かない」ということです。

料理業界にいる人が、お店のそれぞれの評価を内側からを発信し辛いのは、よくわかります。とくに味の評価は、ほんとうにむずかしい。ここはプロでも本当は書きたくない領域です。

しかし、そもそも、飲食業界の人が評価して通っている店って、一般的に考えて味が悪いなんてことはあるのでしょうか? そんなことはまずありません。もしあったとすれば、それは単に好みが合わなかっただけ。マッチングの問題です。味だけの評価ではこういうミスが起こります。

おいしさが担保されたそのうえで、食のプロたちはどこに目線をおいて、店を選んでいるのか。そのポイントをもとにお店選びをすることができれば、素晴らしいお店との出会いの確率が上がるのではないでしょうか

料理業界の人からの本音の視点は、もしかしたらテーブルの座り心地だったり、メニューの見やすさ、お店の周辺の環境だったり、通いやすい営業時間だったりもします。

僕は、それにとても興味がある。この取り組みによって、飲食店の料理以外の部分に多くの人が目をむけるきっかけになって、レストランとのより良い出会いが、多くの人のもとに生まればと思っています。

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