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Food HEROes、はじめます

7月3日にFood HEROesという会社を立ち上げました。

30歳以下の若い飲食人を応援したいという、なんともおせっかいな会社ですが、じつはちゃんと事業としてなりたつようにいろいろ設計しながら進めてきました。

そしていよいよFood HEROesのオンラインコミュニティ(オンラインサロン)「Food HEROes U-30 COMMUNITY」を10月13日に募集を開始し11月から活動をスタートさせるのと、Food HEROesのオウンドメディア「Food HEROes MAGAZINE」を11月1日に開設します。

と、いってもあくまで予定なので、前後するかもしれません(と、先にいいわけだけしておきます)。

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7年在籍した前職の「料理王国」の編集部を離れてすぐに始めたことに「easy going」という若手料理人向けの勉強会があります。

月に1回のペースで、20代の料理人を集めた料理勉強会で、福田浩二シェフにモダンオーストラリアのイノベーティブな料理の講習をお願いしたものです。

だいたい5,6人が集まって料理を学びながら、その後の懇親会で交流を深めてもらう。今から4年前のことですが、この時に出会った人たちとはいまだに連絡を取り合っています。

なかには海外に旅立って活躍している人もいたり、人気出張料理人になったりと、同じ4年間を過ごしているはずなのに、若い人たちの方が成長のスピードが速いし、活動のエリアもどんどん広げていくしで、陳腐な言葉だけど「若さには、無限の可能性がある」と感じさせてもらっています。

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前職では、国内外を含めてトップシェフと呼ばれる人たちにインタビューをしてきました。前職の看板があってこそインタビューができたことで、決して「だから俺はすごい!」といいえるものでもないのですが、とても貴重な体験をさせてもらいました。とくに、夢を実現するための執着心というか「勝ちたい」という強い気持ちが物事を動かしていくということは、とても強く感じたことです。

頂点の頂点、ほんの一握りのトップシェフに話を聞く中で、もう一人の自分が考えてしまうのが、トップになれなかった人たちの存在でした。

「トップになれなかった」というと、雑誌っぽい視点なのですが(トップを目指せ!と煽ることで本を売っていたので)、「トップかどうかを決めるのは本人でもいいのではないか」、「トップになれなかったからといって人生が豊かではないというわけではない」、「ルールが違えば結果が違う」ということを、インタビューをしながら考えてしまうのです。

それは、すごくずるい考え方で、すごく努力をされてトップシェフになった人の前で到底いえることでもないので、ずっと胸に秘めてきたものでもありました。

雑誌時代は、そんなことを絶対に言ってはいけない。

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トップになれない人もいる、と考えていたのは、編集者としての自分自身に重ねる思いもあったのかもしれません。

20年、編集者をしていますが、10万部越えの本を連発するようなヒットメーカーでもないですし、誰もが知っている雑誌の編集部にいたこともない。ましては40過ぎても編集長にもなったことがない(副編集長どまり)の自分は、明らかにトップになれなかった編集者でした。

それでもなんとかやってこれたのは、20代で辞めなかったこと、20代でもがいで自分の生き残り方を手に入れたこと、これにつきると思っています。

飲食業界で働く20代の人にも、同じように辞めずに、自分らしい生き残り方を手に入れてほしい。そうすれば30代は大いに飛躍できると思っていることもあって、easy going(気楽に行こうぜ)をはじめたのもあります。職場を離れて出会う人たちのなかで、発見があったり、頑張るきっかけになったりする(僕自身がそうだったように)。

とはいえ、料理の編集をたかだか10年しかやっていないし、飲食業界での働き方を教えることなんて到底できないなかで、20代の飲食人のみなさんに何ができるのか。

できるのは2つ。出会いの場をつくるのと、20代の飲食人の姿をきちんとメディアにのせること。そうすことで、「20代の飲食人」が可視化され、社会から認知されるのではないか。

「好きの反対は無関心」というように、社会から認知されないうちは愛情を感じにくいですが、認知をされることで愛情を感じられるようになるはずです。

愛は、苦労を乗りこえる最大のモチベーションになる。精神論になりますが、僕はけっこう本気で思っています。

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「Food HEROes U-30 COMMUNITY」のトップには、「仲間が増えるほど、未来の選択肢は広がっていく」というキャッチコピーをつけました。40代になって、なおさら感じるようになりました。

何かをするのは、決して一人ではできない。Food HEROesもたくさんの人たちに支えられてここまできました。一人では、きっといまもセコセコと自分のために原稿を書いて、自分のためにSNSをしていたでしょう。社会のためになんて考える余裕がなかった。

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2023年10月は、Food HEROesが社会に問われるとき。楽しみでもあり、怖くもあります。くいのないように、熱狂の1カ月にできたらと思っています。

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