見出し画像

【過去】イクメン夫と筋肉な彼③

もうすぐ…というところで、弟から電話!

「どうしたの?
すぐ帰るから、ちょっと待ってて!」
急にやってきて迷惑だろうと思ったのに、
思いがけなく心配してくれる言葉
弟の声に安心して、急に、
肩にくいこむ抱っこひもと荷物の重みを感じた


弟の家の前でしばらく待っていると、
原付に乗った弟が帰ってきた
弟は、配達のアルバイトをしている

弟は絵を描くのが好きで、
小さい頃からひとりずっと絵を描いていた
学校のノートや教科書もラクガキばかり

イラストレーターの勉強をして、
就職したところがブラック企業だった

1年はがんばったけど、心身ともに疲弊して退社
精神科に通いながら、アルバイトをして暮らしている

そんな弟の部屋は、意外にも片付いていた
「昨日までヒトがいたから…」
つまり、彼女がいたのかな

テーブルの上には描き散らされた絵があって、
最近は、弟の描いたイラストを基にアクセサリーを作って、
相方さんとフリマアプリなどで販売もしているそう

その相方さんが彼女なのかなあ…
お姉ちゃんとしては、そういう人がいてくれて安心ですよ


夕飯何か作ろうか…と冷蔵庫を開けたら空っぽ
ひとり暮らしの男の実情に愕然としつつ、
弟と子どもたちと、スーパーに歩いて行った

料理している間、子どもたちと遊んでくれる弟
昔から動物に好かれる子だったけど、
子どもたちにもやけになつかれてる
笑い声が部屋にひびく
幸せだなあ、と思った

いつも、夕飯の支度をするときには、
下の子は疲れてまとわりついてくるし、
上の子はまだ遊び足りなくてグズグズするしで、
なかなか捗らないのだ

みんなで食卓を囲む
調味料も限られているから、簡単なものだったけど、
話しながら食べるご飯はおいしかった

夫は、夜子どもたちに会えることはほとんどない
仕事が早く終わっても、飲みに行くし…
朝早く家を出て、子どもたちがまだ起きていないことも多い

一生懸命働いて、生活を維持できて、少しだけでも貯金できる収入を得てくれているのは、とてもありがたいこと
でも、毎晩こんな食卓だったらいいのにな

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?