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【お茶の科学】どうやって紅茶に香りをつけるのか?フレーバードティーの作り方

みなさんはピーチやマスカットなどフルーツの香りがする紅茶を飲んだことがありますか?

スーパーなどでも売られているこれらの紅茶はフレーバードティー(フレーバーティー)と呼ばれ、紅茶の茶葉に後からフルーツの香りをつけています。

もしかすると紅茶それ自体がフルーツの香りを発すると思われていた方も多いかもしれませんね。私もてっきり、香りがする茶葉を使っているのだと思っていました。

このフレーバードティーは人間の知恵によって作られているのです。今回はそんなフレーバードティーの作り方について紹介してみたいと思います。

フレーバードティーの作り方

フレーバードティーの代表と言えばアールグレイです。みなさんも一度は名前を聞いたことがあるでしょう。

アールグレイは、柑橘系のベルガモットの香りをアッサムやセイロンといった茶葉に着けた紅茶です。調べてみるとベルガモットエッセンスと呼ばれる食用の香料もあるそうですね。市販の紅茶にベルガモットエッセンスを垂らせばお家でアールグレイを作ることもできます。

それでは市販のフレーバードティーはどのように作られているのでしょうか?

フレーバードティーの作り方は大きく3種類あるそうです

  • 茶葉に香料原液を混ぜる

  • 有機溶剤を使って茶葉に香りを拡散させる

  • 香料カプセルを混ぜる

いずれも化学的な方法で香りづけを行っていますが、当然食品への使用が許可されている方法になります。有機溶剤と聞くとちょっとビクッとしてしまいますが、安全基準を守っていれば問題はないでしょう。

また、茶葉の香りが強いものだとフレーバーが負けてしまいます。そのため、フレーバードティーを作る際には茶葉の香りが強すぎない茶葉が好まれるそうです。

香料にもいろいろな種類があります。

  • 天然香料の追加

  • 天然由来の人工香料

  • 化学合成

一番わかりやすいのは天然香料ではないでしょうか?天然の芳香成分を抽出して、それを用いて茶葉を香りづけします。高級なフレーバードティーはこの手法が用いられていることが多いです。

一方で、天然の芳香成分を抽出するのは楽ではありません。化学合成が発達した現代では、自然界の芳香成分を人工的に作り出したり、自然界には存在しない芳香成分を生み出すことも可能です。

そういった人工的な芳香成分を使って紅茶に香りづけすることもあるそうです。食品衛生的にはしっかりと基準が設けられていると思うので心配することはないですが、そういったことも念頭に置いて楽しみたいものですね。

フレーバードティーを作るには香料の技術が必要です。そのためフレーバードティーのの多くは1960年代から誕生したと言われています。そのように聞くと意外と最近に思えますよね。それまでは一体どうしていたのでしょうか?

それが次に紹介するセレンテッドティーです。

セレンテッドティーとは

フレーバードティーに対して、茶葉に直接ドライフルーツや乾燥した花びらなどを混ぜたものをセレンテッドティーと呼びます。

実はこちらの方がフレーバードティーよりも歴史は長く、有名どころではジャスミンティーやローズティーなどが挙げられます。確かに乾燥した原料を混ぜて煎じればいいので材料さえあれば簡単に作れますよね。

こちらも今では庶民の生活に浸透しており、普通に楽しむことができます。最近だと食べる紅茶TeaEATなんかもセレンテッドティーの一種と言えそうです。

紅茶を楽しんだ後、フルーツも食べられるというちょっと変わった面白い体験をすることができるのでおススメです。

最後に

今回は味も香りも楽しめるフレーバードティーについて紹介しました。意外と知っているようで知らないことが多かったと思います。

身近なものにも、これは何だろう?どうやって作ってるんだろう?という目で見てみるといろいろなことが発見できて楽しいですね。

今となってはお茶は非常にありふれたものですが、人類の歴史に影響したといっても過言ではない嗜好品の1つです。

お茶は人類の歴史的な観点から見てみても非常に面白いので、紅茶の作り方を見て興味を持たれた方は、是非こちらの本も読んでみてはいかがでしょうか。


参考


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