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【スパイスの科学】死人以外を治せる万能薬ニゲラとは

ニゲラというスパイスを聞いたことがあるでしょうか。

私は本を読んで初めてその存在を知りました。

ブラッククミン、ブラックキャラウェイなどと呼ばれる黒い種です。このニゲラというスパイスはなんと「死以外の全ての病気に効く」といわれるほどの治癒能力を持つそうです。

その噂が本当かどうかはさておき、保存作用としては実際に使うことができ、ピクルス用のスパイスとして使われることもあります。

今回はそんな知る人ぞ知るニゲラというスパイスについて紹介していきます。


ニゲラとは

ニゲラもこれまで登場したスパイスのように昔から人類とともにありました。古代エジプトのツタンカーメンの墓から発見され、3000年以上も前から種子を取るために栽培されていました。

また、黒い種子であるニゲラという名の由来はラテン語で黒を意味するnigellusかnigerと言われています。

スパイスとしてのニゲラは野菜料理や豆料理、パンやチーズなどにあい、苦みと辛みのある独特な風味を持っているようですね。

ちなみにトップ画の花は同じニゲラでもスパイスを生み出すニゲラとは異なり、親戚のような存在だそうです。花はニゲラ・ダマスケナ、スパイスはニゲラ・サティバだそうです。

さらに、この花のニゲラ・ダマスケナの方は趣旨にアルカロイド系の毒性があるようなので要注意ですね。決して、ニゲラが咲いているからと言ってむやみに種子を採取して使ってはいけません。

こちらがニゲラのの原料であるニゲラ・サティバ

死人以外を直す万能薬と言われたニゲラ・サティバと毒があるけどきれいな花を咲かせるニゲラ・ダマスケナとても対照的に面白いですね。

ニゲラの科学

ニゲラの風味の主成分は、ウッディな香りのシメン、松のような爽やかな香りのするピネン、柑橘系のリモネンから構成されています。

ニゲラはオレガノは同じ成分でないのに同じ香りがする、と種本に面白いコラムありました。ニゲラの成分の1つにニゲロンと呼ばれるものがあるようです。このニゲロンはニゲラ以外には自然界にほぼ存在しないようですが、その香りがオレガノからもするというのが何とも不思議ですね。

どうやらニゲロンという化合物は、オレガノに含まれるチモキノンという化合物が結合した形をしており、そのため同じような香りがするようです。

ニゲラの効用

ニゲラの効用を調べてみると以下のような効果が出てきます。

  • 消化機能改善

  • コレステロール・高血圧対策

  • 感染症の予防

  • スキンケア

実はこのニゲラ、少し前に流行っていたブラックシードオイルのことなんですね。ブラックシードオイルが話題になっていた時はまた怪しげなものが出てきたなと思いましたが、あながち間違っていないのかもしれませんね。

まあ、あまり過信しすぎるのは良くないと思いますが、適度にスパイスとして使う分には体にも良さそうですし、いいかもしれませんね。

最後に

スパイスの記事を書いていると、何度も似たような成分が登場するので、実物を触ったことがなくても何となく、他のスパイスから匂いが想像できますね。
日本ではあまり見かけることがないですが、どこかで見つけたら是非一度買って試してみたいものですね。

参考

参考文献





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