【EDH・統率者】《優雅なアンテロープ》でプレインズウォークしよう【MTG】

 《優雅なアンテロープ》というカードがある。

貴重なプレインズウォーク持ち

 4マナ1/4のクリーチャーで、戦闘ダメージを与えると対象の土地1つを自身が戦場を離れるまで《平地》にする。
 更に《優雅なアンテロープ》はなんとクリーチャーの身でありながら我々プレインズウォーカーと同じようにプレインズウォークできるのだ!
 ……まあ、平地渡り(防御プレイヤーが土地タイプ平地(Plain)を持つ土地をコントロールしているとブロックされない)のことなんですけど。
 渡り能力は基本的に森や山など、険しい地形に通じていたり、その地形で隠密行動ができるというフレーバーで設定されており、その中で平地渡りだけは平地という開けて真っ平な土地をどうやって渡るんだよという、フレーバー上の問題から非常に数が少ない。
 そんな中《優雅なアンテロープ》は平地渡りを持たされ、更には自分自身で平地を作り出す能力を持っている。
 この土地を《平地》にする能力は元のタイプに加えてとか書いてないのでおそらく基本土地の《平地》と同様のものになる……はず。この能力の前では《ガイアの揺籃の地》だろうと《トレイリアのアカデミー》だろうと等しく本来持っている能力を失い、《平地》になる。沼とかどうやって平地にするんだろうな……。

 この《優雅なアンテロープ》、収録が旧枠だったが故にモダンじゃなくてレガシーに組み込まれて可哀そうと評判なオデッセイ・ブロックのオデッセイ収録なので、レガシー以下の環境でしか使えない。レガシー以下の環境で4マナ払って1/4のクリーチャーを出して、そこから得られるものは対戦相手のデュアルランドを《平地》にできるかもしれない権利である。さすがに力不足と言わざるを得ない。
 そんなカードでも活躍できる環境と言えば、皆さんご存じ統率者(EDH)だ。
 多人数戦である統率者であれば単体除去も《優雅なアンテロープ》には滅多なことでは飛んでこないし、攻撃も通しやすい。

 しかしその統率者と言えども4マナ1/4で対戦相手の土地を平地にする権利はちょっと怪しいのではないか? と思われる賢明な諸兄らもおられよう。
 そこで重厚(パワーではなくタフネスに等しい点数の戦闘ダメージを割り振る)カードと組み合わせることを提言したい。
 重厚カードの採用によって、パワーではなくタフネスで戦闘ダメージを与えるようになるので《優雅なアンテロープ》は事実上、4マナ4/4と最低限のスペックになる。ここに平地渡りという、WotC開発部曰く「一方的に有利になるか役に立たないかの極端さ」を持つ能力が搭載されているのは採用の理由になるだろう。さらに《優雅なアンテロープ》は能力でその極端さを解消できるのだ。
 そして嬉しいことに自分のクリーチャーを重厚にする統率者は白を含むカードばかりで、ほとんどのデッキに《優雅なアンテロープ》を採用することが可能である。初期ライフが40点の統率者において、ブロックされない4点はそれなりに頼りになる打点と言えるのではないだろうか。

 《優雅なアンテロープ》の能力の特徴として、戦闘ダメージを与えた際に対象に取る土地は防御プレイヤーのコントロールしている土地とは書いていないので誰か1人でも平地の土地タイプを持つ土地をコントロールしている対戦相手がいればそこを渡り、すべての対戦相手を渡れるようになる。
 あるいは白ならば《セジーリのステップ》を始めとしてプロテクションを持たせる手段が豊富なのでそれで最初の平地を作っても良い。
 露骨にアドバンテージを稼いだり、起動型能力が優秀な土地をただの平地にすることもできるので、時には政治的な駆け引きの一環で攻撃を通してもらえることもあるかもしれない。
 ちなみに自分の土地も対象に取れるので、ダブルシンボルまでは出たがトリプルシンボル以上が捻出できないときに自分の土地を対象にして無理やり揃えることもできる。もっとも、そのような状況で《優雅なアンテロープ》の攻撃が通るかは不明だが……。

 平地にする能力の持続期間が《優雅なアンテロープ》が戦場を離れた時、というのも絶妙で、あれを除去できればいずれ戻るからそこまで急ぐこともないかとそれなりに生存が望めることもある。逆に、あれを除去されると特定の土地が平地でなくなってしまうために全体除去を控えるということもあるだろう。
 白を含まない3色デッキの土地を一生平地にし続ける(1回平地にした土地も対象に取れるからマナ拘束しすぎないようにしようね!)というような露骨なことをしなければ《優雅なアンテロープ》は楽しいカードだと言える。
 貧弱な打点に関しても、重厚にして補うか、あるいはその貧弱さを逆に活かして攻撃を通させてもらうというのも面白いかもしれない。
 もし色が合い、魅力を感じたなら《優雅なアンテロープ》を採用してみてはいかがだろうか。

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