【EDH・統率者】《ラサード・イン・バシール》と《武器庫の開放》【MTG】

 装備品もオーラも欲しいデッキだと柔軟性が高いと感じた話。
 《武器庫の開放》というカードがある。

 2マナのソーサリーで、ライブラリーからオーラか装備品をサーチするカードだ。
 装備品だけをサーチできる1マナの《鋼打ちの贈り物》がハンマータイムで使われている一方、こちらはサーチ範囲が広がっているものの2マナと重いためか使われておらず、10倍くらいの価格差がある。
 実際、装備品に加えてオーラをサーチしたいかと言われると、オーラというメカニズムそのものがアドバンテージ的に損をしがちで、積極的にサーチしたいということが少ない。また、オーラということだけに注目すれば《皇の声、軽脚》のような直接戦場に持ってくることのできる2マナのカードが存在する。
 更にサーチカードと言えど戦場に出すことをしてくれないので装備コストを踏み倒せたり、手札から直接出せる装備品と異なり、重いオーラを持ってきてもあまり恩恵がない。
 一般的なデッキで使う分には帯に短し襷に長しといった塩梅のカードであるが、《ラサード・イン・バシール》を統率者にしたデッキでなら使い勝手が良いと個人的に感じている。

 《ラサード・イン・バシール》はパワーではなくタフネスに等しい点数の戦闘ダメージを割り振る――通称、重厚――能力を持ち、通常とは異なる観点でデッキを組ませる統率者だ。
 その観点とは、当然自身の能力から来る、タフネスである。
 タフネスを大きく上昇させるカードというものは、基本的にインスタントであるが、時折何かの手違いで装備品やオーラになることがある。

+0/+6という装備品として破格の修正値
3マナ瞬速で+0/+10!

 タフネスを恒久的に上昇させるという効果自体が(一般的に)強くないものであるが故に、その手のカードはリミテッドを考慮してカード・タイプがバラバラになりがちなのだが、ここで《武器庫の開放》のサーチ先の多さが生きてくる。
 例えば猶予のある盤面ならば《ラサード・イン・バシール》が除去されても戦場に残る装備品である《金屑ワームの鎧》をサーチすれば良いし、一撃で決めてしまいたいときは打点が大きく上昇する《ストーンスキン》をサーチすれば良い。もちろん、この2種以外にもオーラと装備品をデッキに採用しておけば柔軟性はさらに上がる。
 状況に合わせて欲しいカードが変わるので、《武器庫の開放》は《ラサード・イン・バシール》と相性が良いと言える。

 《皇の声、軽脚》や《上級建設官、スラム》のようなデッキの場合、オーラや装備品を大量に投入するほどアドバンテージが稼げるため、さほどサーチを必要としないが、《ラサード・イン・バシール》の場合、それらと比較してアドバンテージを稼ぐ能力に乏しいため、サーチはあるに越したことはない。ただ、サーチを大量に投入したところで劇的にデッキが強化されるわけでもないため、手ごろな範囲とマナコストと値段をしている《武器庫の開放》は非常に都合が良い。

 欠点としては2マナのソーサリーなのと、サーチ・カードである点か。
 手札に加えるという点で2マナなのはそれなりに軽い部類だが、ソーサリーなので奇襲性は当然ない。また、特定のカードをサーチする都合上、サーチ先は公開されるため、序盤から《ストーンスキン》のようなカードを持ってくると当然警戒される。《ラサード・イン・バシール》は単騎で隙をついて殴るデッキであることが多いため、警戒されてしまうとその強みが薄まってしまう。
 ただこの点に関しては《ローブ・オヴ・スターズ》や《エランドの陰影》のような、タフネスが上昇し、追加の効果も持つ、《ラサード・イン・バシール》デッキなら攻防一体と言えるカードをサーチすることである程度解消することができる。
 また、2マナというコストもタフネスだけを上昇させるオーラや装備品は全体的に軽いことから、中盤以降は多少気にせずに撃てるため、深刻に考えるほどではない。
 以上のように、《武器庫の開放》は《ラサード・イン・バシール》と相性が良い。そしてラサードに限らず、統率者であれば、装備品とオーラの両方をサーチしたいデッキは数多いはずだ。
 もしそのようなデッキでお手頃なサーチを探しているのであれば、《武器庫の開放》を採用してみてはいかがだろうか。

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