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違法企業に転職しないために「不採用になる勇気」を持とう

残業代未払いやパワハラなどが横行する企業をブラック企業と呼称しますが、もっとストレートに「違法企業」というべきです。

転職活動が活発になる1~3月。そんな違法企業に転職しないためには、どうしたらいいのか。

以前に「ヤバい会社を確実に見分ける方法」という記事を書きました。その中でも言及しているのですが、今回はそれ以外の部分で見分ける方法について紹介したいと思います。

違法企業の共通点は、法律遵守の精神がないこと。要は法律を守ろうという気がない、そもそも労働基準法すら知らない企業です。ただ最近は「これはマズイらしい」と気づき始めた違法企業もあり、体裁を取り繕っている企業もあります。

そのため、求人や会社説明会で見抜くのは難しくなっています。ですが、以下の2つで見抜くことが可能です。

  1. 面接での面接官の対応

  2. 社長・役員の言動

両方ともに共通しているのは、「会社の非常識を常識だと思っている」ことです。明らかに会社がやっていることはおかしいのに、それを社員がおかしいと思わない。おかしいと思っているが言えない状況が、違法企業の特徴です。

面接時に以下のことを聞かれたら、順法精神のない会社だと思って間違いありません。

<a.本人に責任のない事項の把握>
・本籍・出生地に関すること (注:「戸籍謄(抄)本」や本籍が記載された「住民票(写し)」を提出させることはこれに該当します)
・家族に関すること(職業、続柄、健康、病歴、地位、学歴、収入、資産など)
・住宅状況に関すること(間取り、部屋数、住宅の種類、近隣の施設など)
・生活環境・家庭環境などに関すること

<b.本来自由であるべき事項(思想・信条にかかわること)の把握>
・宗教に関すること
・支持政党に関すること
・人生観、生活信条などに関すること
・尊敬する人物に関すること
・思想に関すること
・労働組合(加入状況や活動歴など)、学生運動などの社会運動に関すること
・購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること

厚生労働省のサイトより

上記は厚生労働省が「公正な採用選考の基本」として挙げている、面接時などで聞いてはいけない項目です。本人の適性や能力に関係ないことは聞かないことが選考の前提になっています。

上記に関する質問をさも当然のように聞いてくる企業は、違法企業の可能性が高いです。上記以外にも「結婚する予定はあるの?」「出産は考えているの?」といった質問もNGなのは言うまでもありません。

非常識な会社というのは、非常識な社長・役員のトップダウンの会社です。そのため、社長や役員を見て「この人はちょっと変だ」と思ったら、一歩引いて考えたほうがいいでしょう。

特に、口コミサイトで社長や役員の問題ばかりが投稿されている企業は、確実に危ないです。

転職活動をしている方は、どうしても採用されたいという思いが強いため、多少の違和感に目をつぶる傾向にあります。しかし、その違和感にこそ注目してください。そういう違和感は、案外正しいことが多いからです。

違和感を覚えたら、いったん立ち止まり、その会社が大丈夫かどうか調べましょう。

お手軽なのは口コミですが、口コミサイトに書き込む人は退職者がほとんどなので、ネガティブな部分をおおげさに書いている可能性もあります。話半分に見る必要はありますが、判断材料にはなるでしょう。

次にやるべきは、実際に働いている人たちを見ることです。疲れ切っている人が多ければ、違法企業の可能性は高いといえます。

面接時に具体的な数字や情報を聞き出しましょう。面接官は何となく自分がやっていることがまずい認識があります。だから、残業が多いことを隠したり、残業代が出ないことを言いません。あるいは曖昧にします。だから、数字やYES/NOで答えられるくらいの明確な質問をし、逃げられないようにします。それで不採用になるのであれば、その企業は違法企業でしょう。

そして、いちばん大切なことは、そういう企業には入社しないこと。なんなら、相手から不採用を出してもらうくらいの気持ちで望むことです。

転職中は少しでも早く内定がほしいのはわかります。しかし、焦りで違法企業に入社しては何の意味もありません。一度、心を落ち着け、自分の幸せだけに焦点を当てたうえで「この企業は大丈夫だろうか」を判断してください。

よろしければ、サポートをしていただけると嬉しいです。サポートが今後の活動の励みになります。今後、求職者・人事担当などに有益な情報を提供していきたいと考えています。