似非教授

某転職メディアの制作ディレクター。わりとIT企業を担当することが多く、それなりにITト…

似非教授

某転職メディアの制作ディレクター。わりとIT企業を担当することが多く、それなりにITトレンドは理解しているつもりです。これまでの経験などをもとに、広告や業界、転職などについてざっくばらんに語ります。 ※コメントは個人の意見であり、所属組織などは関係ありません。

最近の記事

IT求人で、求人ライターが怒られる理由

原因は「解像度が低い」から。 確かに求人ライターは採用や求人のプロであり、各職種・業界のプロではありません。しかし、スポーツのインタビュアーが野球について知らなくてよいのでしょうか。 大谷選手にインタビューするとき、「スポーツで気をつけていることは?」という質問をするでしょうか。答えは否です。そんなざっくりした質問をしたら素人以下と思われます。 IT業界におけるITはスポーツと同じくらい広い言葉です。実際の取材ではもっと細かいSIer、SES、Webサービス、ゲーム、通信

    • あなたは、あなたの気持ちに正直になっていますか?その転職理由は本当の転職理由?

      転職を考えたら、まずやるべきは「なんのために転職するのか」。 そんなの分かりきっているよ!という人もいるかと思います。しかし、意外に表層的な理由で転職を始める人が多く、ときには転職し終わって初めて自分か転職したい理由に気づく人もいます。 どういうことか。転職理由で必ずトップ3の中に入る項目として「お金」が挙げられます。しかし、入社の決め手にはトップ3に入っていないことが多くあります。 何故か。 それはお金が本当の離職理由ではないからです。多くの場合、お金は他の理由の代

      • 解雇要件は緩和すべきだが、話はそう簡単ではない

        私の結論から言えば、日本の解雇要件は緩和すべきだと考えています。ただし、アメリカ並みの解雇のしやすさは現実的ではありません。 ABEMAでアメリカのテック企業の大量解雇・レイオフについて取り上げられていました。You Tubeのみで全編見ていないので、異なる部分があるかもしれませんが、全体としては「日本も解雇要件を緩和すべき」という論調でした。 アメリカの解雇の仕組みは日本には合わない たしかに専門家が語るように、日本の解雇要件は昭和の高度経済成長期につくられた法律です

        • 採用において企業が叩かれがちだが、けっこう求職者の履歴書もヤバい件

          ――商社の業務系システムを担当しています。 この職務経歴書を見て、エンジニアの皆さんは、この人のエンジニアスキルを判定できるでしょうか。 おそらく10人中10人が「こんな経歴で判断できるわけないだろ!」と憤慨するはずです。しかし、これしか書かないで職務経歴書を提出する求職者が(けっこうな割合で)います。 エンジニアの職務経歴書は薄いことが多い 個人情報なので、上記は本当の職務経歴書から引用したわけではありません。あくまで例です。実際の職務経歴書とは異なります。 ですが、

        IT求人で、求人ライターが怒られる理由

          求職者は求人を見ているようで見ていない。だから、注力すべき項目がある。

          求人を書く側としては、きちんと隅々まで読んで企業や仕事を理解してほしいと思うもの。しかし、残念なお知らせです。求職者のほとんどは求人を斜め読みしています。 採用担当や求人ライターからすると、非常に悲しい事実ですが、これが真実です。だからこそ、私はつねに「分かりやすさ」を重視しましょうと企業にお伝えしています。斜め読みでも内容を理解できるよう中高生でも分かる表現・内容にし、見出しなどで目を引く工夫が必要だからです。 では求職者は斜め読みしながらも、どの項目に注目しているのか

          求職者は求人を見ているようで見ていない。だから、注力すべき項目がある。

          キャリアとライフをトーレドオフしない生き方

          子育てや家庭に積極的に参加したい男性の話を聞いて、自分が顧客に言い続けてきたことは間違いではなかったと確信できました。 もちろんキャリアに全振りしたい男性がいることは前提としながらも、30代・40代の子育て世代の男性はワークだけでなくライフも重視しています。 働き盛りでもある世代なので、経験者募集ではニーズの高い世代です。企業も熱心に欲しがる世代なので、「この世代は家庭(子育て)を重視しているので、ワークライフバランスの施策・取り組みが重要ですよ」と説明しています。 し

          キャリアとライフをトーレドオフしない生き方

          違法企業に転職しないために「不採用になる勇気」を持とう

          残業代未払いやパワハラなどが横行する企業をブラック企業と呼称しますが、もっとストレートに「違法企業」というべきです。 転職活動が活発になる1~3月。そんな違法企業に転職しないためには、どうしたらいいのか。 以前に「ヤバい会社を確実に見分ける方法」という記事を書きました。その中でも言及しているのですが、今回はそれ以外の部分で見分ける方法について紹介したいと思います。 違法企業の共通点は、法律遵守の精神がないこと。要は法律を守ろうという気がない、そもそも労働基準法すら知らな

          違法企業に転職しないために「不採用になる勇気」を持とう

          その求人、誰にとっても分かりやすいですか?もう一歩、効果の高い求人を制作するために

          リクナビNEXTやマイナビ転職など、大手転職媒体を見ると、かつて(10年くらい前)と比べて、求人の質が上がってきたと感じています。というか、昔が酷すぎたんですけどね(笑)。 ただ、今の求人で十分かといえば、ようやくスタートラインに立った程度です。求職者がほしい情報が載っているレベルです。 少しだけ昔話をすると(老害みたいで嫌いなのですが)、かつては平均残業が書かれている求人はまれ。大手企業は給与を出すのを嫌がり、新卒初任給しか掲載しない。福利厚生欄は申し訳程度と、求職者に

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          業務委託には気をつけて

          大事なことなので2回言います。 業務委託には労働基準法は適用されません。 業務委託には労働基準法は適用されません。 業務委託は雇用ではなく、委託契約だからです。なので、今流行りのフリーランスも業務委託であり、労働基準法などの労働者を守る法律は一切適用されません。 たとえば労働時間。雇用されれば1日8時間、週40時間まで、最低月4日の休日が保証されています(一部例外的な働き方はあります)。 しかし、業務委託には労働時間の上限は設定されていません。委託された業務を遂行してい

          業務委託には気をつけて

          自己肯定感が低い人は、まず100万円を貯めてみる

          「私・俺なんて……」「他人が羨ましい」という自己肯定感の低い方はけっこういます。そういう口癖なのか、自己肯定感を低くする言動で自分を守っているのかは分かりません。しかし、周囲を見るだけでも、けっこうな人数がいるなと思っています。 インドへ旅行しても、あなたは変わらない そういう自己肯定感が低い方は、100万円を貯金してみると人生が変わります。「人生が変わる」は大げさですが、インドに行って「人生観が変わったわ」というよりも現実的な方法です。 なぜ、100万円を貯めると人生

          自己肯定感が低い人は、まず100万円を貯めてみる

          採用はガチャじゃない。確率論よりも、もっと大事なこと。

          「採用はガチャじゃない」は、ちょっと言いすぎでした(笑) しかし、経験者募集で応募がうまく行かない場合、理論上の数字にこだわりケースを見かけます。 求人サイトでは、大きく閲覧数と応募数の指標があります。それはどの求人媒体でも同じです。 閲覧数を増やすのは効果“改善”か 効果が悪いと「閲覧数を増やして効果改善しましょう」と提案する営業が多いですが、それは間違いです。なぜなら、閲覧数は努力では変えられない変数(企業規模・人気・勤務地など)と努力で変えられる変数(訴求するター

          採用はガチャじゃない。確率論よりも、もっと大事なこと。

          女性の社会進出が進まないのは、配偶者控除のせい?それとも社会の考え方?

          パーソル総合研究所によると、2030年には644万人の人手不足になると予想されています。 人材不足は以前より言及されているものの、根本的な解決には至っていません。本当の課題は中途半端な女性活躍施策と、女性活躍とは矛盾する配偶者控除のせいではないか、をデータから明らかにしていきます。 まだ女性の社会進出は途中 2022年現在で、労働者数は6900万人でうち男性が3800万人、女性が3100万人です。男女の差が約700万人なので、単純に考えれば女性の社会進出を促し、男性と同じ

          女性の社会進出が進まないのは、配偶者控除のせい?それとも社会の考え方?

          すべてのITエンジニアは、社内SEを目指す

          正確に言えば、SI構造の中にいるITエンジニアは、ですが。 なせならば、SI構造の中にいるITエンジニアは、より上流工程に行こうとしたら(もっと俗に言えば給与を上げるためには)、商流を上げるしかないからです。つまり、2次請けにいたら元請けに、元請けにいたら発注側に行くしかないのです。 商流=開発工程 具体的に説明すると、SI構造=ITゼネコンの仕組みは以下のとおりです。 概念的に説明しているので、もちろんすべてが上記の構造ではありません。むしろ実際の開発体制では、このよ

          すべてのITエンジニアは、社内SEを目指す

          お金は大切。だが、お金だけでは幸せは訪れない。

          上記、ひろゆき氏のコメントが、それなりに話題らしい。 結論から言えば、ひろゆき氏のコメントは正しいけれど、説明が足りない。ひろゆき氏なので、あえてこういう言い方をしているのだと思うのですが。まあ、物議をかもす言い方ですね。 やりがいもお金があって得られるもの やりがいよりもお金に対しては賛成です。ただし、お金だけが大事なのではなく、マズローの欲求5段階説よろしく、段階の問題です。ひろゆき氏も書いているとおり、「大切なことを実現するためのお金」が大切であるのであって、その

          お金は大切。だが、お金だけでは幸せは訪れない。

          私たち国民の税負担って軽いの?重たいの?

          (転職を含めた)働くにおいて、お金は非常に大切な要素です。しかし、お金の中に入る「税金」について考えていない方が多いように思っています。先日も「サラリーマン増税」ではないかといわれた税制調査会の議論ですが知らない人も多いのではないでしょうか。 税金を知る前段階として、そもそも我々はどの程度、税負担をしているのか。今の税負担は適正なのかについて語りたいと思います。 戦国や江戸期の税金ってどのくらい? 「百姓は生かさず殺さず」とは、徳川家康の発言だと言われています。実際には、

          私たち国民の税負担って軽いの?重たいの?

          仕組み化がビジネスにとって重要な理由

          上記は、識学で有名な安藤広大さんの著書です。ビジネスは仕組み化がすべてであると、本書では主張しています。この仕組み化、私自身も常々感じていますが、すごい大事です。どれだけ大事かといえば、仕組み化こそがビジネスである、と思うほど。 仕事は属人化するな、させるな 本書の一番最初に、この言葉が書かれているくらい属人化を否定しています。 私自身も、仕事において「自分らしさ」はいらないと考えています。なぜなら、仕事は組織・チームで行うものであり、たった一人でしているわけではないから

          仕組み化がビジネスにとって重要な理由