科学的に証明されている!
「科学的に証明されている」という言い方をする人がいるが、これは非常に害の大きい言い方である。
まず言葉として矛盾している。
科学にとって大切なのは、常に懐疑に対して、扉を開けておくこと。
科学においてあらゆることを、常に疑う必要がある。
そうするからこそ、私達は物事をより広く、深く知れる。
だから、優れた科学者は決して何かを確信したりはしない。
むしろ、確信を持たない人間の出した結論の方が、確信を持っている人間の結論よりも信頼できる。
優れた科学者とは、より良い証拠が見つかった場合、あるいは誰かによって斬新な主張がなされた場合、即それまでとは違った観点で問題を見直せる人。
確信を持つことは、全く有用ではないばかりか実害になる。
確信は信頼性を下げる。
確認を持たない姿勢の価値を理解できる人は少ない。
社会が愚かな方向に進んでしまいがちなのは、そのせいであることが多い。
地球はこのまま私達が何もしなければ、温暖化する一方と言われるが、確信を持って絶対そうだと言い切れるだろうか。
現在の最新の進化論は、細部を含めて、全て正しいと言い切れるか。
現代医学はあらゆる面において、伝統医学よりも優れていると言い切れるのか。
どれも答えはNOだろう。
全ての知識は、例えどれほど間違いないと思えるものでも、必ず少しは疑わしいものである。
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