見出し画像

028« 2016年 憧れのウユニ塩湖2

ウユニ塩湖に到着した時はコチラ

ウユニの村に到着し、まずは宿に向かう。宿はいちおう予約しておいた。
現在15時を少しまわったところ。
荷物を置いて、一息はつかず、近くのツアーショップへ。
個人でウユニ塩湖に来た方なら、ほとんどの人が知っていると思う、有名なツアーショップへ。
宿から徒歩10秒のところにあり、大変便利。
ショップの入り口には観光客が書いた貼り紙がたくさんしてあった。
日にち、時間、参加者の名前が書かれている。
到着したばかりであまりよく状況が分かっていなく、うーん、どうしよう?ってなっていると、ツアーショップの人の説明が始まった。
おおまかに、①日中②夕方から夜③夜中から早朝、の3種類の時間帯があるとのこと。
各ツアーの定員は7名ほどで、定員に達していない貼り紙を見つけて参加したければ自分の名前を書くか、自分が貼り紙をショップから貰って募集するか。
8割9割が日本人の名前、か?と思われた。
日中のツアーの内容を聞いたところ、サボテンの丘や列車の墓場などに行くということで、そこは到着する前に立ち寄ってきたから除外する。
夕方から夜、夜中から早朝のツアーに絞る。そしてここウユニの村には3泊ほどする予定なので、複数回行くことができる。
まずは行ってみよう、ということで、夕方から夜のツアーが時間的に良いのだけど、通常の②夕方から夜のツアーに出るには時間が少し過ぎてしまっていた。
リフレクシオン(反射の意)は見られるのか?とショップの人に質問すると、なんと「カガミバリダヨ」との回答が。
いかに多くの日本人が訪れて、カガミバリを連呼し、そしてカガミバリを熱望しているのだ、、と思い知った瞬間だった。
そんなやり取りをしていると、ショップにやってきた日本人3人組のグループの中の女性に誘いをいただく。
女性の提案により、あれよあれよと1時間後に出発するオーダーメイドツアーをしてくれることになり、3人組の彼らと我々、定員の7名まであと2名の枠があったが、近くにいた香港から来たという女性2人組も誘い、これまたあっという間に定員となった。
うーん、どうしよう?からどれくらいの時間だっただろう、5分ほどでなかったか?とんとん拍子って凄い。というか最初に声を掛けてきた女性が凄い。
そして、じゃあ1時間後にショップの前で、といったん別れて急ぎ目に準備した。
何を持っていこう?とじっくり考える時間は無かったので、迷ったものは全部リュックに詰めた。
そして出発。ほどなく長靴をレンタルする別の場所に寄り、売店のトイレを拝借し塩湖に侵入。
空は雲がぽつぽつあるくらいでほぼ快晴。
3月というのはこの地は本来なら雨季なのだけど、この年は異常気象でほとんど雨が降っていないとのこと。
南米に出発する前にいくつかウユニ塩湖について書いたブログを読んだとき、雨が降らないイコール鏡張りを見ることが出来ないというものばかりだった。
鏡張りを見る必須条件は、水が張っていて(水があり過ぎてもダメらしいが)風がなく水面が波立っていないことだ。
確かに、ウユニの村に到着するまでの間、まだ一面真っ白で塩の大地なウユニ塩湖しか見ていない。
ショップの前から車に乗り約40分、塩湖が見えてきた。
すると様子が違う。白くない!水がある!ショップの人がカガミバリダヨと言っていたのは本当だった。
とにかく広大なこの塩湖。水の無い場所もあれば、水のある場所もあるということだった。
車は塩湖に侵入し、しばらく水の張った塩湖を走る。あぁ、これが鏡張り。。

バシャッ、と長靴で車を降りる。
水位は数センチといったところだったかと思う。
塩湖の表面を観察すると、穴が空いているところがあった。長靴のかかとで押してみるとポロポロと崩れる。
これは、場所によっては落とし穴みたいに落ちる場所もあるかもしれないと思った。
これからサンセットを経て夜中の2時頃まで滞在する予定。
思い思いに写真を撮ったり自由。
ドライバーが用意した椅子に座ってまったりしたり、ドライバーとスペイン語会話したり(スマホの通訳アプリで)。
トイレが無いので、水分をひたすら我慢する。

自分の住んでいる場所から遠く離れた異国、これまで何段階も経て到着したこのウユニ塩湖。
そんな場所でさっき知り合った日本人の方々と日本語で会話している不思議。
憧れたウユニ塩湖に来た実感がまだあまり持てない中、この不思議な感覚をまず味わった。
ドライバーが車に積んで持ってきた椅子に座ってぼんやり思った。この、ぼんやり感はきっと高山病の症状のひとつだったと思う。
激しい頭痛や吐き気などの症状は、高山病の薬を飲んでいたため出なかったけど、ボーッとするなぁって感覚は常にあった。

日の入り間近、地平線?水平線?塩湖平線?に太陽が来て見えなくなっていった。
反対の空には星。
だんだんと風が出てきた。すんごい寒い。
季節は夏だが標高3,800メートルの高地。風により体感温度はより低く。そして湖面はさざ波状態だった。
星空が湖面に写り込むのを見るのは難しそうな状況。
自然現象はコントロール不可。

宿に戻る途中、車の窓から暗闇の中を列車が走っているのが見えた。これは千と千尋?もしくは銀河鉄道?とも思える光景。
ひたすらに幻想的だった、のだけど、窓が曇っているせいで、景色がじんわり浮かぶように見え、それが効果的なフォルターの役割になっていたのかもしれない。

とても空腹であることと現地通貨に両替していないことに気づいた。所持金ゼロとも言える我々だったけど、こんな真夜中に両替所は営業していないし、お店もやっていないはず。
チリから持ってきた果物やお菓子等でしのいで、数時間後の宿の朝食を待ち、食堂が開くと同時に駆け込む我々だった。

その後、③夜中から早朝を2回、オーダーメイドツアーで昼間から日の入りに1回参加した。
昼間から日の入りでは、水の無い場所で遊んだり、日の入り前に水のある場所に移動して鏡張りならではの動画を撮ったりした。
そして③に2回参加したのは、朝焼けが物凄い光景だったからだった。
まず夜中の星空も、申し分ない天候のおかげで、星空が湖面に写るのを見ることができた。

数回参加したウユニ塩湖ツアーで一番凄いと思った光景は、朝焼けだった。

太陽が昇る方角とは反対側に現れたビーナスベルト。この現象ももれなく薄く水が張った湖面に反射していた。
はじめは太陽の出る方しか見ていなかったのだけど、ふと振り返って発見したこの光景。えっ、、、と声に出たと思う。ただただ驚いた。
もう、日の出よりもこっちに釘付けになった。
太陽が出ると消えるピンクと青のグラデーションの世界。
同じ車でツアーを共にした皆、ただただこの不思議な世界を眺めるのみだ。
ひとりが青の帯に向かって歩き始めた。
その後ろ姿、あの帯に吸い込まれて戻って来られないんじゃ、、?ということがあってもおかしくない、充分にありえそうに思えた。

この空もう一度見たい、と翌日も③のツアーに参加した。
自然が相手なので、必ず見られる訳ではなかったけど、滞在した時期は安定の快晴続きだったため、同じように早朝のビーナスベルトを見ることが出来た。
もう満足だ、、と思った。
しばらくは、あーなんか凄かったなぁ、、と帰ってきてからもこの朝焼けのことばかり考えてしまった。
そして、もう一度行きたいかもしれない、と思ってしまった。
あのビーナスベルトもだし、夜間に見た幻想的な列車が忘れられない。
という訳で、いまは再訪の機会をうかがっている。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?