「気づかれない」という強みの特徴
松原靖樹コラムから秘書がピックする今日のイチオシ。本日は
強み《1章 - 虎はなぜ強いのか》より『「気づかれない」という強みの特徴』です。
ストレスがないのに「できてしまう」のだから、それはそれはうらやましい物事に思うかもしれないが(実際に周囲はそう思う)、強みはストレスがないのと同じように、実は充実感も満足感もない。
だって、できてしまうのだ。
物が見えるとか、歩いたり走ったりできるというのと変わらない。
「よし!見える」とか「走ってるよ。ステキ♪」とかいちいち感じないのと同じである。
つまりは普通なのだ。
この普通というのがクセ者で、だから強みは誰にとってもほとんど気づかれることなく、その人の心の奥底で安らかな眠りについている。
どうやったら気がつくことができるか誰も教えてくれないということもあるし、生活をしていくために「能力」の方を高める必要があって忙しいということもあるかもしれない。
けれどもおもしろいことに、強みを誰かに指摘されるようなことがあったとしても、通常は「そんなことないよ」と否定するか、せいぜい「うーん」と首をかしげてそれはどうだろう?という態度を取ることが多い。
「強み」は哀れにも、本人が全く「気づいていない」「指摘されても否定する」というという特徴がある。
幸せの青い鳥はその鳥かごの中に、あなたが探しているメガネはおでこに、それぞれ「ちゃんとあります!」と伝えてあげたいものである。
春過ぎの突然。私は7年住んだ東京から神戸に引っ越すことにした。
理由を聞かれると結構困るのだが、インスピレーションといえばそうだし、感覚ではないといえばそれもそうかもしれない。
ともかく、引越業者のトラックが出発した後に、私は車の助手席に犬を乗せて600キロの旅をスタートした。
その中間地点で立ち寄った友人宅でこんな話をした。
これが強みを「指摘されても否定する」という実例である。
考えてみればこの反応は実に正しくて、本人にとっては「あなたは歩けます」「箸を上手に使うことができます」と言われていることとあまり変わらない。
「だから何?」と思ってしまうのもある意味仕方がないことなのだ。
これは何も彼女に限らず、ほとんどの人に見られる反応である。
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